(50ページから59ページまで) 各論 第2章 いきいきと生活するために 第1節 活動・活躍の機会創出と参加促進 <現状と課題> (生きがいの創出・介護者の負担軽減) ◆ 障害のある人が生きがいを感じながら、充実した地域生活を送るためには、様々な活動の場や学習の機会を確保し、その充実を図る必要があります。 ◆ また、基礎調査の結果では、障害のある子どもの保護者の「放課後・休日の困り事」として、お子様を自宅に残して外出することが困難(32.7%)と回答している割合が高くなっており、こうした課題への対応についても、関係機関と連携し支援していく必要があります。 (外出・日中活動) ◆ 障害のある人の「外出の頻度」を聞いた基礎調査の結果では、全体の7割以上の人が週1回以上外出すると回答していますが、その目的(※複数回答)は買い物(76.4%)や散歩(36.2%)となっており、趣味(7.2%)・スポーツ活動(5.1%)や習い事(4.7%)等の目的で外出する割合は低い水準にあります。 ◆ また、「外出しやすくするために必要なこと」としては、公共交通機関(22.5%)、移動支援の充実(15.8%)や交通費の軽減(19.4%)等の移動手段に関することを挙げる声が多かった一方、障害に対する理解が深まること(21.3%)、障害がある人も参加できる行事が充実すること(7.1%)といった意見もあり、周囲の人達の理解促進と活動の場の充実も求められています。 ◆ 18歳以上の障害のある人の「平日の日中過ごしている場所」を聞いた基礎調査では、職場や通所サービス事業所等(49.0%)と回答した割合が、自宅や入所施設・病院(46.2%)を上回る結果となりましたが、まだまだ日中活動の場の充実が求められています。 (スポーツ・レクリエーション・文化芸術活動) ◆ スポーツやレクリエーション、文化芸術に関する活動は、障害のある人の心身の機能訓練、生きがいの創造、社会参加意欲の促進等の面で大きな効果があるほか、障害のある人とない人との交流により、相互の理解を一層深める効果も期待されます。 ◆ 障害のある人のスポーツ等の活動は、徐々に広がりを見せているものの、関連施設や指導者が身近にいない等の制約により、参加の意思がありながら、これらの活動に参加できずにいる人もいることから、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会を契機に得られた感動や経験などを、レガシーとして次世代に引き継ぎ、競技人口の拡大や参加の機会をより増やしていく取組が必要です。 ◆ 障害のある人の文化芸術活動への関心が高まりを見せており、支援体制の構築による発表機会の確保等が図られていますが、さらなる文化芸術活動に取り組む障害のある人の掘り起こしとともに、地域や分野の拡大へ向けた取組を推進する必要があります。 <施策の方向> 1 日中活動の場・学習機会等の充実 (サービスの充実等) ◆ 「宮城県障害福祉計画」に基づき、生活介護や就労支援施設、放課後等デイサービスなどの計画的な整備を推進します。また、事業所の運営について、県や市町村による実地指導等を通じて、事業所の提供サービスの質の向上等を図ります。 ◆ 市町村が行う地域生活支援事業における移動支援事業や、地域の実情に応じ、創作的活動や生産活動の機会の提供、社会との交流促進等を担う地域活動支援センターの機能充実に対する費用の一部を補助します。 ◆ 県による合理的配慮の一環として、県が主催等するイベント等に参加しやすい環境づくりのため、参加者の障害特性に応じて、意思疎通支援者を派遣するとともに、資料の点訳等を行い、障害のある人の参加促進を図ります。 ◆ 公共交通事業者等に対して、障害のある人の運賃割引等を働きかけるとともに、積極的な情報提供を行います。 ◆ 精神障害のある人の様々な目的に合わせて活用できるコミュニティサロン(集いの場)の運営を支援し、同じ障害のある人との交流等を通じて再発の予防や社会復帰の促進を図ります。 ◆ 市町村などにおける障害児保育事業の充実や放課後児童健全育成事業における障害のある子どもの受入れの促進などを働きかけていきます。 ◆ 障害のある人が学校を卒業した後も社会とのつながりを持ち、様々な学びにアクセスする機会を創出するため、教育・福祉部局や関係団体、民間企業等で構成するコンソーシアムを構築し、連携体制を整備します。 ◆ 自然の家などの県有施設で行う事業や、みやぎ県民大学などの県が主催する講座において、障害のある人が参加できるプログラムを設定し、支援体制を整備していきます。 ◆ 市町村が行う社会教育・生涯学習に関する事業において、障害のあるなしにかかわらず誰もが参加できる仕組みを整備できるよう、モデル事業等を実施しながら支援していきます。 (関連施設の運営等) ◆ 障害に関する相談・研修事業や、障害のある人の日中活動訓練、スポーツ体験、趣味の教室などを行う「宮城県障害者福祉センター」を運営します。 ◆ 視覚障害のある人に対し、点字図書や録音図書などを製作し、情報提供を行うとともに、点訳・音訳等奉仕員を養成する「宮城県視覚障害者情報センター」を運営します。 ◆ 聴覚障害のある人に対し、総合的・専門的な相談事業や、聴覚障害に関する様々な情報提供、手話通訳者や要約筆記者の養成・研修・派遣等を行い、聴覚障害のある人と地域の交流・社会参加を促進する「宮城県聴覚障害者情報センター(愛称:みみサポみやぎ)」を運営します。 ◆ 宮城県図書館において、障害のある人等に配慮した各種設備や機能の充実を図るとともに、生涯学習に関する情報提供や普及啓発を行います。 2 スポーツ・レクリエーション・文化芸術活動の振興 ◆ 障害のある人の健康増進やスポーツの振興等のための施設である「宮城県障害者総合体育センター」を運営するとともに、「宮城県障がい者福祉協会」が管理運営する温水プールの有効活用を推進します。 ◆ 障害のある人もない人も一緒に楽しめるスポーツの普及促進とともに、障害の特性に応じて適切な指導ができるスポーツ指導員を養成・確保し、障害者スポーツへ参加する機会の充実を図ります。 ◆ 競技スポーツ及びレクリエーションとしてのスポーツの振興を図るため、「全国障害者スポーツ大会」などの大会への選手派遣をはじめ、県主催の障害者スポーツ大会の開催や、各種障害者競技団体が行う大会の支援を行います。 ◆ 関係団体と連携し、東京2020年オリンピック・パラリンピック競技大会のレガシーとして次世代に継承するため、障害者スポーツ人口の拡大と参加機会の拡充に向けた一層の普及啓発を図ります。 ◆ 障害のある人や関係団体が実施する仲間づくりや趣味の活動等のレクリエーション事業の振興を図ります。 ◆ レスパイト機能等を備えるなど、障害のある方やその家族の様々なニーズに対応する在宅心身障害者保養施設「宮城県七ツ森希望の家」を運営します。 ◆ 障害のある人が、書道や写真等創作活動を始める契機として、また、作品発表の場として作品コンテストを開催します。 ◆ 障害のある人の文化芸術活動の場の確保や、県民の障害に対する理解の促進に大きく貢献している「とっておきの音楽祭」の開催を支援します。 第2節 多様なニーズに対応したきめ細かな教育の充実 <現状と課題> (インクルーシブ教育システム構築の推進) ◆ 我が国では、平成26年に批准した「障害者の権利に関する条約」で提唱されている、障害のある者とない者が共に学ぶ「インクルーシブ教育システム構築」の推進のための特別支援教育が求められています。多様な学びの場の整備や、ICT活用等の教育環境の整備、卒業後の心豊かな生活の実現に向け、地域における支援体制の整備を更に進めていくことが必要とされています。 ◆ 本県においても、国内外の動向を踏まえ、平成27年2月に「宮城県特別支援教育将来構想」を策定し、障害のあるなしによらず、全ての児童生徒の心豊かな生活と共生社会の実現を目指し、柔軟で連続性のある多様な学びの場の中で、一人一人の様々な教育的ニーズに応じた適切な教育を展開することとしています。 (各学校等の課題) ◆ 障害を理由とする特別な支援を必要とする児童生徒の増加に伴い、就学前の乳幼児期から医療や福祉、保健、労働等の関連分野と連携した、より専門的な教育相談の充実と、必要な情報を適切に就学先へ引き継ぐ「切れ目ない支援体制」の確立が必要とされています。 ◆ 小・中学校及び高等学校等においては、知的障害や自閉症、情緒障害など、一人一人の多様な教育的ニーズに対応するため、特別支援教育コーディネーターを中心とした校内体制の一層の整備・充実や、教員の専門性の向上、「個別の教育支援計画」と「個別の指導計画」の作成・活用等が求められています。 ◆ 特別支援学校においては、重複障害や医療的ケアの対象児童生徒が増加しており、教員の障害に関する専門知識・技能等の向上が求められているほか、幼稚園、保育所等から高等学校へ広く助言を行うセンター的機能の一層の充実を図る必要があります。また、知的障害特別支援学校の狭あい化が進んでおり、その解消に向けた取組が必要となっています。 <施策の方向> 1 切れ目ない支援体制の充実 ◆ 障害のある幼児児童生徒に対し、ライフステージに応じた一貫した支援を行うため、「宮城県特別支援連携協議会」を設置し、保健、医療、福祉、教育、労働等の連携体制を構築します。 ◆ 障害のある児童生徒の就学先決定のための総合的な判断や手順等をまとめた「就学支援の手引き(令和4年度発行)」を活用し、市町村教育委員会の教育支援体制の充実を支援します。 ◆ 各教育事務所や市町村教育委員会等を対象とした、就学支援のあり方や就学事務手続等についての説明会や障害のある子どもの適切な就学先決定や教育相談に関する研修を開催します。 ◆ 卒業後のライフステージの接続期において、各所属学校等から障害の状態や配慮事項、関係機関等の情報を適切に引き継ぐとともに、「個別の教育支援計画」や「個別の指導計画」の作成と活用を図ります。 2 多様な教育的ニーズに応じた学びの場の実現 ◆ 特別な支援が必要な児童生徒が地域の学校に在籍し、障害のない児童生徒と「共に学ぶ」場合に必要な効果的な教育方法や校内体制の確立に向けて、モデル校やモデル地域を指定して、各種専門家や指導主事、特別支援学校地域支援担当者等を派遣します。 ◆ 個々の教育的ニーズに応じた「個別の教育支援計画」等を活用した具体的支援の実践例を集積し、その普及啓発を図ります。 ◆ 教育の機会均等の趣旨に則り、児童生徒の健康管理に配慮した学習機会の保障に努めるため、医療的ケアを必要とする児童生徒が通学する県立特別支援学校に看護師を配置し、経管栄養や喀痰吸引等を行います。また、医療的ケアを必要とする児童生徒が安心して学校生活を送るため、医療的ケアコーディネーターを中心とした教職員と看護師の連携や医療的ケアに関する研修を実施するなどして、校内の全教職員が共通理解の下に、安全・安心に医療的ケアを行う体制の整備を進めます。 ◆ 大学や関係機関との連携を図りながら、ICTを活用した指導方法の工夫及び教材等の充実に向けたモデル事業等を実施します。 ◆ 県立特別支援学校のセンター的機能の認知が進んできたことで、特別支援学校からの幼稚園、保育所、小・中、高等学校等における助言等の件数が増加しておりますが、なお一層の充実を図ります。また、高い専門性をもつ人材の更なる確保に向け、大学や各研修機関と連携し、特別支援学校教諭免許状の更なる取得促進を図ります。 ◆ 特別支援教育コーディネーターは、学校内や福祉、医療等の関係機関との連絡調整役となり、保護者に対する学校の窓口として役割を果たしてきましたが、次世代の養成や新たなニーズが増加している高等学校への相談対応にも努めます。 ◆ 特別支援学校(知的障害)の狭あい化を解消するため、仙台圏域に特別支援学校を新設するほか、県有財産や廃校となった小・中、高等学校等の校舎や余裕教室を活用した特別支援学校(知的障害)の分校等の設置などを検討します。 3 共生社会の実現を目指した理解の促進 ◆ インクルーシブ教育システム構築の推進に当たり、その理念等を地域社会が理解し、協力を得られるよう、特別支援学校に在籍する児童生徒が居住地にある小・中学校において交流及び共同学習を行い、社会参加や地域における特別支援教育に関する一層の理解促進を図ります。また、モデル事業等の実施を通じて、障害のある児童生徒への合理的配慮のあり方について検討を進めます。 ◆ 各市町村におけるインクルーシブ教育システム構築を推進するため、市町村教育委員会の要請に応じ、特別支援教育の経験が豊富な職員を派遣して、本人・保護者との合意形成に努めるなど、教育支援体制の一層の充実を図るとともに、障害のある児童生徒の適切な就学を支援します。 第3節 雇用・就労の促進 <現状と課題> (雇用・一般就労) ◆ 令和5年6月1日現在の県内の民間企業(43.5人以上規模の企業1,624社)における障害のある人の雇用者数は6,752.5人(前年比+275人)、実雇用率は2.29%(同+0.08ポイント)、法定雇用率の達成企業数830社と、いずれも過去最高となりましたが、全国平均(2.25%)を上回っているものの、法定雇用率(令和5年度2.3%)に達していない状況にあり、一層の雇用機会の創出が求められています。 ◆ また、「障害者雇用促進法」の改正による、令和6年4月からの法定雇用率の引き上げを踏まえ、地方公共団体等における障害者雇用率の向上に努めるとともに、民間企業における法定雇用率の達成に向け、関係機関と連携し、障害に対する理解の促進や普及啓発活動、障害のある人の雇用を検討している中小企業者に対する助言等を行い、障害のある人の雇用の場の拡大を図る必要があります。 ◆ 基礎調査の結果では、最優先で取り組んでほしい施策の1番目に「働ける場の確保(36.5%)」が挙げられているほか、仕事・就職の困り事として、「給料・工賃の安さ(21.1%)」や「職場での人間関係(13.1%)」、「勤務状況の調整(12.1%)」などが挙げられています。 ◆ 様々な生きづらさを抱え、一定の支援や配慮を必要とするひきこもり等の就労困難者の就労の機会が不足しており、就労の場づくりとネットワークの構築を図る必要があります。 (福祉的就労) ◆ 県が令和3年9月に策定した「第四期宮城県工賃向上支援計画」では、本県における就労継続支援B型事業所の平均工賃月額を令和5年度までに23,000円とする目標を掲げていましたが、令和4年度における平均工賃月額の実績は18,169円であり、目標達成に向けて今後一層の工賃向上に取り組む必要があります。 (能力開発) ◆ 障害のある人の就労意欲の高まりが見られる一方、仕事に就くこと自体の不安や業務の適性など、不安を有する人も多いことから、このような不安を解消し、自信を持って働くことができるよう、資格の取得やスキルアップ等の支援を行っていく必要があります。 ◆ 障害のある人の就業や職業的自立を促進するためには、教育関係機関、社会福祉関係機関、公共職業安定所(ハローワーク)、職業訓練機関などの関係機関が相互に連携し、就業に向けての相談、職業能力等の評価、職業訓練、職業指導、就職後の定着支援まで、障害のある人の能力及び適性や障害の状況に応じた一体的な支援等の連携施策を着実に展開していくことが求められています。 ◆ ICTは、情報入手や意思伝達の手段だけでなく、システムエンジニアやプログラマーをはじめ一般事務での就労においても、その活用スキルが広く求められることから、ICT活用のスキルアップに取り組む必要があります。 (教育機関との連携) ◆ 特別支援学校(高等部)卒業後の進路は、就労を希望する生徒本人の意向を尊重し、また適性に応じた仕事等に従事できるよう、関係機関との連携した支援が必要です。 <施策の方向> 1 啓発活動の推進 ◆ 毎年9月の「障害者雇用支援月間」にあわせ、「宮城県障害者雇用支援のつどい」を開催し、障害者雇用の優良事業所や優秀な勤労実績を有する障害のある人を表彰するほか、講演会の開催など、県内企業等に対する障害のある人の雇用について啓発を図ります。 ◆ 「障害者雇用支援月間」及び毎年12月の「障害者週間」にあわせ、県庁ロビーにおいて県内の就労支援事業所の活動を紹介するとともに、作成した商品等の展示販売を行う「働く障害者ふれあいフェスティバル」を開催し、県民の理解と障害のある人の働く意欲を喚起します。 ◆ 「公共職業安定所(ハローワーク)」や「障害者就業・生活支援センター」、「宮城障害者職業センター」等との関係機関と連携し、企業訪問等による障害者雇用の普及啓発や雇用のための助言等を行います。 ◆ 企業・職場等における障害等への一層の理解が求められることから、民間企業等を対象に、精神障害を含む障害のある人の雇用事例等の情報提供を行うセミナー等を開催し、障害のある人の雇用促進・定着を支援します。 2 障害者雇用率の向上(雇用・一般就労及び就労定着に向けた支援) ◆ 県内の経済団体に対して、障害のある人の雇用促進・維持等に関する要請を行うとともに、県内事業所に対して、宮城労働局等の関係機関とともに雇用に関する要請を行います。 ◆ 就職面接会の開催など、就労を希望する障害のある人と企業とのマッチングに取り組みます。 ◆ 県職員の採用に当たっては、これまでも身体障害のある人を対象とした採用選考考査を実施し、その中で手話通訳や点字による考査を行ってきたほか、一部の競争試験においても点字試験を実施する取組を行っており、障害のある人の受験機会の拡大を図るとともに、市町村職員への障害のある人の雇用についても、積極的な取組の働きかけを行います。 ◆ 一般就労を希望する障害のある人が県庁等の職場で事務等を経験することにより、就職に向けた社会人としてのマナーや職業能力の向上が図られるよう支援します。 ◆ 障害者就業・生活支援センターの相談能力等の向上のため、セミナーや研修会等を開催するとともに、各センター間の連携を進め、すべてのセンターの支援機能の向上を図ります。 ◆ また、障害者就業・生活支援センターを中心に一般就労の場を確保するため、企業等の開拓に取り組みます。 ◆ 積極的に障害のある人を雇用している県内の中小企業から物品及び役務を調達することにより、雇用・一般就労の促進を図ります。 ◆ 就労移行支援事業所、企業及び支援機関等の連携構築を支援し、障害のある人と企業の間で生じる課題の解消や企業の実習受け入れ機会を確保・拡大すること等を通じて、福祉的就労からの一般就労移行を更に促すとともに、就労先での定着のための継続的な支援体制の充実を図ります。 ◆ 自律的な経済活動の下、障害やひきこもりにより一定の支援や配慮を必要とする人など就労に困難を抱える方に必要なサポートを提供するソーシャルファーム(social firm:社会的企業)への支援などにより、就労困難者の中間的就労等の体制づくりを進め、働く障害のある人等の就労の機会を促進します。 ◆ 若年性認知症の人や家族、雇用している企業等を支援するため、若年性認知症支援コーディネーターを配置し、相談体制を整備します。 ◆ 若年性認知症の人が一般就労中に発症した場合には、関係機関と連携して雇用の継続を支援します。 3 福祉的就労の促進と工賃向上に向けた支援 (就労支援施設の整備) ◆ 「宮城県障害福祉計画」に基づき、身近な地域で就労関連サービスが受けられるよう、サービス事業所の計画的な整備を推進します。 (工賃向上に向けた取組等) ◆ 第四期(令和3年度から5年度まで)の実績を踏まえ、「第五期宮城県工賃向上支援計画(令和6年度から8年度まで)」を策定し、就労継続支援B型事業所等が工賃向上計画を策定するために必要なアドバイザーの派遣や、策定した計画等を実践するための経営コンサルタント等の派遣を行います。 ◆ 就労支援施設等における生産性の向上及び労働環境の改善を図るため、専門家派遣等の支援を行います。 ◆ 工賃向上に向けて就労支援事業所職員等の意識改革を図るため、工賃向上の取組が特に優れている就労支援事業等に対する表彰の機会を設けるとともに、ノウハウ等を普及推進するための研修会等を開催します。 ◆ 県庁18階において就労支援事業所が営業するレストランを設置し、公共施設における就労の場を提供するとともに、就労支援施設による製品等の情報発信を支援します。 ◆ 障害者優先調達推進法に基づき、行政機関による就労支援施設等から積極的な物品及び役務の調達を推進するとともに、障害者施策推進協議会(障害者差別解消支援地域協議会)の構成団体をはじめとする関係機関による調達を積極的に働きかけ、市場の開拓に取り組みます。 ◆ 大量受注や共同販売に対応するため、共同受注体制の充実を図り、就労支援施設の継続的な業務受注を支援します。 ◆ 県内外の民間企業等から請負業務(BPO)の受注を拡大し、共同受注窓口を通じ、安定的かつ継続的な生産活動の機会を確保します。特に、パソコンを活用したICT・デジタル関連業務を獲得し、障害特性を踏まえ、精神障害のある人をはじめとした就労支援施設で働く障害のある人とともに、在宅での就業希望者に対する就業機会を創出し、生産活動を通じた一般就労のための訓練機会としても活用します。 ◆ 民間企業・団体の協力を得て結成した「みやぎの福祉的就労施設で働く障害者官民応援団」組織を活用し、県内の就労支援事業所における請負業務を中心とした継続的かつ安定的な業務受注機会の確保に取り組むとともに、働く障害のある方への理解促進を図ります。 (職業能力開発の促進) ◆ 「宮城障害者職業能力開発校」において、就業に必要な職業能力の開発・向上を図るため、雇用のニーズに即した職業訓練を実施するとともに、就業を促進するため、「公共職業安定所(ハローワーク)」等の関係機関との連携を強化し、実習協力企業の開拓、当該企業における訓練生の実習等を通じて企業との信頼関係の構築を図ります。 ◆ 障害のある人へのICTの普及定着を推進する、「みやぎ障害者ITサポートセンター」において、資格取得等に向けたICT研修を行うことにより、就労支援を図ります。 ◆ 企業等における障害のある人に対する理解の促進を図り、企業ニーズと障害のある人個々の特性を一致させるための伴走支援の充実・強化を進めます。 ◆ 特別支援学校と企業間の連携を強化し、職場の開拓及び生徒の実習受入先の開拓を行う機能の充実を図ります。このことによって、職場や実習内容に関する情報と実習体験の場を提供し、生徒一人一人のニーズに応じた就労支援を行います。 (ここまで)