(60ページから78ページまで) 各論 第3章 安心して生活するために 第1節 相談支援体制の拡充 <現状と課題> ◆ 障害のある人が地域で安心して暮らしていくためには、障害のある人やその家族の意思を尊重し、様々なニーズや心身の状況に応じたきめ細かな対応が必要です。 ◆ このため、身近な地域で相談支援を受けることのできるよう、相談支援事業者や市町村の相談窓口等の体制の充実を図り、心身の状況や障害の特性等に応じたサービス等につなげていくことが重要です。 ◆ 特に、障害のある子どもの親は、養育、医療、教育、就労など様々な将来への不安を抱えることになるため、子どもへの対応はもとより、親に対する心のケアについて、積極的にかかわっていく必要があり、気軽に様々な相談が受けられる場を、身近な場所につくる必要があります。 ◆ また、県内に配置されている民生委員及び児童委員は、各担当区域内の実情を把握するための社会調査や相談活動などを担っており、これらの民生委員等とも連携を図っていく必要があります。 ◆ しかしながら、基礎調査の結果では、障害のある人の相談相手として「家族・親戚(75.8%)」及び「友人・知人(27.8%)」と回答した割合に比べ、「役所の窓口(8.5%)」及び「相談支援事業所(22.5%)」等と回答した割合は低い水準にとどまっており、相談支援体制の一層の充実が求められています。 ◆ こうしたことから、地域における相談支援の中核機関であり、市町村が運営する基幹相談支援センターを中心に、相談支援人材の計画的な育成を図るとともに、県及び市町村の自立支援協議会(広域設置を含む。)による相談支援関係機関の有機的なネットワーク化を通じた相談支援体制の活性化を進める必要があります。 ◆ さらに、障害福祉サービスを利用する全ての人が、サービス等利用計画の提出が必要であることから、当該計画案の作成を担う相談支援専門員の養成及び資質向上等に一層取り組んでいく必要があります。 <施策の方向> 1 相談支援の充実強化 (相談支援従事者の育成等) ◆ 相談支援従事者等を対象とした研修(初任者研修、現任研修、主任研修及び専門コース別研修)を定期的に実施し、相談支援従事者等の技術向上を図るとともに、研修の受講定員を増やすなどして、受講機会の拡充にも努めていきます。 ◆ 市町村の自立支援協議会と連携し、地域の課題や困難ケースへの対応について、事例共有や解決に向けた意見交換等を実施し、相談支援体制の充実・強化及び圏域におけるネットワークの構築を進めていきます。 ◆ 過去に相談支援従事者研修を修了し、資格を有しているものの現在は計画相談支援業務に従事していない「潜在的有資格者」が再度現場で活躍できるための環境整備等を図ります。 (障害特性に応じた相談支援体制の充実) ◆ 県の自立支援協議会などの場を通じて、基幹相談支援センター相互の定期的な情報交換等を行い、地域課題の解決に向けた検討や個別支援事例の共有を図ることで、地域における相談支援の中核的な役割を担う基幹相談支援センターの運営を支援し、地域の実情に応じた総合的・専門的な相談支援を実施するとともに、相談支援事業所に対する指導・助言や、人材育成支援等を通じた相談支援体制の強化を図ります。 ◆ 在宅の障害のある人(重症心身障害児者、知的障害のある人、身体障害のある人など)の地域における生活を支えるため、市町村が実施する障害者相談支援事業と連携を図りながら、障害のある人やその家族等が身近な地域で療育相談や指導が受けられる相談支援体制を推進します。 ◆ 「宮城県発達障害者支援センター」を運営するほか、各障害保健福祉圏域で中核となる事業所に発達障害者地域支援マネジャーを配置し、発達障害のある人やその家族、支援者が、身近な地域で乳幼児期から成人期までの各ライフステージに対応した相談を受けられるよう、体制整備や人材育成を進めます。 ◆ 「リハビリテーション支援センター」や各保健福祉事務所を中心として、市町村と連携しながら、高次脳機能障害のある人等に対する相談支援や、リハビリテーション専門職等のチームによる巡回相談を行うとともに、普及啓発・支援者育成のための研修事業等を行います。また、医学的な側面からの評価・支援を行うため、地域の拠点病院による、高次脳機能障害のある人の社会復帰に向けた相談支援や保健医療関係者等を対象とした専門研修等を支援します。 ◆ 難病患者等に対する相談支援等を行うため、保健福祉事務所に加え、「宮城県難病相談支援センター」及び「小慢さぽーとせんたー」を運営し、患者の悩みや不安の解消を図ります。 2 利用者本位のサービスの提供 ◆ 障害のある人の様々なニーズをくみ取り、それに対するサービスを提供するためには、本人の意思を的確に把握することが必要であり、障害者ケアマネジメント手法に基づくアセスメントと個別支援計画の作成を通じ、利用者本位のサービス提供を推進します。 ◆ また、利用者本位のサービス提供と併せ、より質の高いサービスを提供するために、その支援に用いられる知識と技術の向上を図るとともに、市町村や関係機関によるチームアプローチのために必要な取組を推進し、障害福祉サービス事業所等の知識・技術の向上を図ります。 ◆ 上記のプロセス等を徹底するため、県の自立支援協議会などの場において、市町村や各地域自立支援協議会、各基幹相談支援センター等の関係機関との定期的な情報交換等を行い、地域課題や個別支援事例の共有を図ります。 3 地域支援体制の整備 ◆ 障害のある人、障害のある子どもの保護者又は障害のある人の介護を行う人たちの様々なニーズに対応していくため、保健・医療・福祉・教育・労働等の関係機関で構成する自立支援協議会を活用し、地域の現状、課題を共有しつつ、新たな社会資源の開発等に向けた取組を進めていきます。 ◆ 市町村が実施する障害者相談支援事業と連携を図りながら、障害があるかわからない状態(障害の受容ができない状態を含む。)であっても適切な相談や指導を受けることができる体制の充実を図ります。 ◆ 地域の民生委員・児童委員や障害者相談員等が行う相談活動を通じ、現に支援を受けていない障害のある人を適切な支援へと結びつけられるよう、民生委員・児童委員等に対して、障害や障害のある人に関する情報提供等が行われるよう市町村に対して助言を行います。 第2節 生活安定のための支援 <現状と課題> ◆ 障害のある人が、地域で安定した生活を営み、社会的な自立を促進するためには、所得保障の充実や経済的負担の軽減等を図る必要があります。 ◆ 基礎調査の結果においても、最優先で取り組んでほしい施策として「年金・手当などの充実」と回答した割合が36.1%であったほか、「医療費の負担軽減」と回答した割合が19.1%となっており、所得保障の充実を望む割合が高くなっています。 ◆ また、所得保障の充実を望む障害のある人は、「働ける場の確保」や「障害に対する理解の促進」を同時に望んでいる傾向にあり、こうした施策を総合的に展開することで障害のある人の経済的自立を支援していくことが求められています。 <施策の方向> 1 年金、手当等の充実 ◆ 障害基礎年金、特別障害者手当、特別児童扶養手当等の充実について、国に働きかけるとともに各種制度の周知を図ります。 2 経済的負担の軽減 ◆ 重度の障害のある人が医療機関で受診等した場合の自己負担分を実施主体である市町村とともに助成する障害者医療費助成制度の適正な運営を図るとともに、全国一律の制度となるよう国に働きかけていきます。 ◆ 施設等への移動に要する費用の軽減を図るため、関係機関と連携し、各種運賃や料金の割引制度の活用について周知を図ります。 ◆ 通院に介護を必要とする小児慢性特定疾病医療費助成事業対象患者等の通院に関する介護に要する費用を助成します。 3 生活福祉資金の貸付け ◆ 障害のある人及び障害のある人が属する世帯の経済的自立と社会参加を支援するため、「宮城県社会福祉協議会」において、事業を営むために必要な資金や生活安定のための資金等を貸し付けます。 4 公費負担医療制度の運用 ◆ 心身の障害状態の軽減を図り、又は、身体の障害を除去、軽減するために必要な自立支援医療(精神通院医療、更生医療及び育成医療)を給付します。 ◆ 精神障害のある人の医療及び保護を図るため、措置入院に係る医療の給付を行います。 ◆ 指定難病や小児慢性特定疾病等の治療に関する患者・家族の経済的負担を軽減するため、医療保険の自己負担分の全部又は一部に相当する助成を行います。 第3節 在宅・施設サービス等の充実と提供体制の整備 <現状と課題> (在宅サービス) ◆ 障害のある人が、安心して日常生活及び社会生活を在宅で送るためには、訪問系サービス(居宅介護等)や日中活動系サービス(生活介護等)など、障害者総合支援法等に基づく各種サービスの量と質の双方を一層充実させることが必要であるほか、障害のある人の介護等を行う家族や支援者の負担を軽減し、地域全体で支えていく仕組みづくりが求められています。 ◆ 基礎調査における「今後利用したい福祉サービス」についての質問でも、「地域で暮らしていくための支援(11.6%)」や「身体機能や生活能力の向上など自立のための訓練(9.2%)」、「外出時に必要な支援(9.0%)」、「補装具費の支給や日常生活用具の給付(7.5%)」など、在宅生活の継続に向けた様々な支援が求められていることがうかがえます。 ◆ また、65歳以上の障害のある人については、原則として介護保険サービスを利用することになりますが、介護保険に相当するサービスがない場合や保険給付の支給量が不足する場合等については、障害福祉サービスも併せて利用できることから、市町村や関係機関と連携しながら、心身の状況等に応じたサービス提供がなされるよう配慮する必要があります。 (地域生活への移行) ◆ 障害のある人の自立支援の観点から、障害者支援施設等からの地域生活への移行は非常に重要ですが、退所後の住まいの場となるグループホーム等は必要数を満たす整備状況にはなく、また、重い障害のある人は現在の社会資源を利用しての地域生活が難しいため、地域生活への移行は十分に進んでいるとは言えない状況にあります。 ◆ また、現在は家族(親)の介護により、在宅で生活している障害のある人の場合でも、親亡き後の住まい等について不安を感じている人もいることから、それぞれの障害特性に配慮した生活の場を整備・支援していく必要があります。 (施設サービス) ◆ 重度の障害のため、在宅での生活が困難である人にとって、施設サービスを行う障害者支援施設等は生活の場として極めて重要であることから、入所利用者の生活の質の向上に向けた個別支援の充実が求められています。 ◆ 特に、県立施設については、事業採算性や支援の難しさの観点等から、民間での対応が困難な障害のある人の受入(セーフティネット機能)や、民間施設等での支援が一時的に困難となった障害のある人の緊急受入及び再入所に当たっての適切な指導・助言等(バックアップ機能)のほか、他の施設等の優れた取組に関する情報提供等を通じた県全体の支援技術の底上げ(コーディネート機能)等が期待されています。 (介護人材の育成・確保等を通じたサービスの質の確保) ◆ 子育て支援・高齢者福祉など、他の福祉分野を含めた介護人材の不足は全国的な課題となっており、介護職員の給与水準の向上やキャリアアップ制度の拡充など、処遇改善と質の向上の両面から人材育成・確保に取り組む必要があります。 <施策の方向> 1 在宅サービス等の提供体制整備 ◆ 障害者総合支援法に基づく障害福祉計画及び児童福祉法に基づく障害児福祉計画を策定し、在宅で生活する障害のある人が、身近な地域で適切なサービスを受けられるよう、サービス事業所等の計画的な整備を推進します。 ◆ 「相談(地域生活移行・親元からの自立)」、「体験の機会・場(一人暮らし、グループホーム等)」、「緊急時の受入・対応(ショートステイの利便性・対応力向上等)「専門性(人材の確保・養成、連携)」及び「地域の体制づくり(サービス拠点、コーディネーターの配置等)」の機能を担う地域生活支援拠点がすべての市町村で利用できる体制整備を支援します。 2 地域における生活の場の確保 ◆ 国の補助事業を活用しながら、障害者総合支援法及び児童福祉法に基づく障害福祉サービス事業所の創設や改修に要する費用の一部を補助します。 ◆ 精神障害や重度の障害のある人に対応する日中活動の場やグループホームの整備や、既存のグループホームにおける建築基準法や消防法への適合等を目的とした大規模修繕等に要する費用の一部を補助します。 ◆ 県立障害者支援施設「宮城県船形の郷」については、地域での生活が困難となった障害のある人を受け入れるためのセーフティネット、民間施設のバックアップ及び地域の社会資源のコーディネートといった機能を充実させます。 ◆ 県、市町村、民間関係団体等が会員となっている「みやぎ住まいづくり協議会」において、障害のある人を含む住宅確保要配慮者の賃貸住宅への円滑な入居に向けた居住支援のあり方などについて意見交換等を実施するほか、居住支援法人の指定など、産学官が連携・協働して、新たな住宅セーフティネットに対応した体制づくりを進めます。 3 各種生活訓練等の充実 ◆ 身体障害のある人に対して、日常生活用具等を利用した生活行動訓練や、残存機能の維持・向上のための機能回復訓練等を実施します。 ◆ 視覚障害のある人の家庭生活や社会生活に必要な訓練指導や講習会等を実施するとともに、中途失明者の社会復帰を促すための各種相談への対応や、訓練指導員の派遣による生活訓練の充実を図ります。 ◆ 聴覚障害のある人に対して、手話通訳者や要約筆記者の派遣を行うとともに、年金・保険制度や金銭問題等、社会生活上必要な知識を得るための講習会等を開催します。 ◆ 盲ろう者に対して、通訳・介助員の派遣を行うとともに、日常生活及び社会生活に必要な訓練指導や講習会等を開催します。 ◆ 喉頭摘出により、音声機能に障害のある人に対して、発声訓練とその指導者の養成を行います。 ◆ ストーマ(人工肛門・人工膀胱)を造設している障害のある人に対して、ストーマ用装具の選定や、ストーマ周辺の皮膚炎症等の予防及び社会生活に関する講習会を開催します。 ◆ 呼吸器機能に障害のある在宅の酸素療法者に対して、酸素濃縮器を使用する際の電気料金への助成を実施主体である市町村とともに行います。 ◆ 障害のある人の自立と社会生活に必要な身体障害者補助犬(盲導犬、聴導犬・介助犬)を育成する事業者に対して、育成費用の一部を補助するとともに、補助犬に対する県民の理解を促進します。 ◆ 高齢となった障害のある人が円滑に介護保険サービスを利用できるよう、市町村やサービス事業者等に対して、制度の適切な運用等についての周知を図ります。 4 福祉用具の普及促進等 ◆ 補装具や日常生活用具等の福祉用具の活用は、障害のある人の自立支援と社会参加の促進だけでなく、介護者の負担軽減の観点からも重要であることから、「リハビリテーション支援センター」を中心として、用具の適切な使用方法の啓発等を行うとともに、個々の利用者のニーズや利便性に配慮した用具の適合調整を総合的に行う体制の充実を図ります。 ◆ 「宮城県介護研修センター」等での住宅改修相談の充実、更には介護負担の軽減と障害のある人の自立を支援するための福祉用具の普及促進、バリアフリー住宅の整備など、在宅ケアを容易にする住まいの環境の整備を推進します。 5 施設入所支援の充実 ◆ 障害者支援施設等については、各圏域における訪問や日中活動事業を行う事業所の整備状況を踏まえた地域生活移行の推進を図るとともに、県立障害者支援施設「宮城県船形の郷」からの情報発信や「宮城県介護研修センター」の研修機能等を活用して、民間施設の介護技術や支援力向上を支援することで施設機能を強化し、地域福祉の拠点として、施設の持つ介護機能等が地域に提供されるよう支援します。 ◆ 県立の障害者支援施設は、事業採算性や支援の難しさなどにより民間施設では対応が困難な分野などについて、民間事業者への指定管理委託を行うことにより、民間事業者の専門性を生かしつつ効果的、効率的な施設運営を図ります。 ◆ 建て替えにより再整備した県立障害者支援施設「宮城県船形の郷」については、県全域におけるセーフティネット機能を継続して担うほか、入所利用者に対する適切なアセスメントに基づくリハビリテーション支援に取り組みます。 6 介護人材の育成・確保とサービスの質の向上 ◆ 介護職員の給与水準向上や、能力や資格等に応じたキャリアアップ体系の構築、人員配置やケアの質に応じた適切な介護報酬等など、全国的に推進すべき介護人材対策について、国等に対して働きかけを行うとともに、市町村等と連携し、関連制度の積極的な情報発信を行います。 ◆ 市町村等と連携し、適切なサービスの提供や人材育成等を含めた障害福祉サービス事業所等に対する実地指導等を行います。 ◆ 介護現場の業務改善等に取り組む障害福祉サービス事業所等に対し、アドバイザーの派遣等を行い、介護職員の職場定着を促進します。 ◆ 障害福祉サービス等情報公表制度を運用し、障害福祉サービス事業所等から報告された障害福祉サービスの取組状況等を公表します。 ◆ サービス種別や職種、経験年数等に応じた研修メニューの充実や、介護職員が受講しやすい環境整備を行うとともに、多様なケアに対応できる人材の育成を通じた介護人材の流動化を進めます。 ◆ 手話通訳者や要約筆記者等の意思疎通支援を担う人材の計画的な育成に取り組みます。 第4節 保健・医療・福祉等の連携促進 <現状と課題> (障害等の予防・医療等) ◆ 基礎調査の結果によると、障害のある人のうち、入院している又は定期的(月1回以上)に医療機関に通院している人の割合は7割を超えており、その結果として、医療費の負担軽減を望む声が多くなっていることがうかがえます。 ◆ また、基礎調査からは、早期発見・早期療育が有効とされる発達障害に対する支援や、外見からは障害があるとわかりづらい高次脳機能障害者に対する支援及び重度の障害のある人を中心とした医療的ケアの充実を求める声があり、特に、発達障害に対する支援の充実を求める声が増えていることがうかがえます。 ◆ このため、妊娠、出産期や幼児期から高齢期に至るまで、切れ目のない保健・医療・福祉サービスの提供や、障害の重度化や疾病の予防、早期発見・適切な治療へとつなげていく体制の整備が重要です。 ◆ 特に、乳幼児期は心身の諸機能が発達する一方、病気や異常を来しやすいため、乳幼児の健康診査や相談・指導を充実し、障害等の早期発見に努め、早期の対応につなげていくことが大切です。 ◆ 重症心身障害児者が利用できる医療・福祉サービスが不足していることから、重症心身障害児者が在宅療養を継続するための支援体制の整備に加え、重症心身障害児者を受け入れる長期・短期入所病床の整備が求められています。 ◆ がん、循環器病(心臓病、脳血管疾患等)などの生活習慣病による死亡者は全死亡者の約5割を占めているとともに、生活習慣病の発症により、障害を伴う可能性が高いことなどからも、その予防が重要となっているほか、経口による栄養摂取や嚥下・音声機能の維持等の観点から、障害のある人への口腔ケアの重要性が高まっています。 (リハビリテーション) ◆ リハビリテーション専門職(理学療法士、作業療法士及び言語聴覚士)の偏在等の理由から、地域によっては十分なリハビリテーションが提供されにくい状況となっています。 ◆ 障害のある人が家庭及び地域社会において自分らしい生き方で、充実した人生を送るためには、より身近な地域で、個々の身体機能に合わせた医療的・職業的・教育的・社会的視点からの適切なリハビリテーションの提供が重要です。 (難病対策) ◆ 障害者総合支援法の対象となる難病等について、対象疾病の追加拡大が順次行われてきましたが、これに伴う制度の浸透や、適切なサービスへとつなげる体制づくりが求められています。 (心の問題・精神疾患への対応) ◆ 東日本大震災の影響による被災者の心の問題に関する相談件数は、減少傾向にありますが、被災者の心の問題は、複数の問題が絡み合い複雑化していることから、保健・医療・福祉・教育機関等と連携した継続的な支援が求められています。 ◆ また、精神症状の急激な悪化等により緊急な医療が必要となった場合の精神科救急医療については、24時間・365日の受入体制の継続が求められています。 ◆ 「宮城県立精神医療センター」は、施設が老朽化し建替が必要な状態となっており、建替に伴う移転再編について協議が行われています。建替に当たっては、身体合併症への対応や災害拠点精神科病院の未指定などの宮城県の精神科医療提供体制の課題の解決を図ることができるように整備を進める必要があります。 <施策の方向> 1 保健・医療・福祉等の連携促進 (保健・医療の推進) ◆ 令和6年度から11年度までの6年間を計画期間とする「第8次宮城県地域医療計画」に基づき、県民の医療に対する安心と信頼を確保するため、良質な医療が適切に提供される医療提供体制を推進します。 ◆ 先天性代謝異常等の検査を実施し、疾病の早期発見・早期治療を行い、早期療育に努めます。 ◆ 聴覚障害の早期発見・早期療育を図るために、新生児聴覚検査の啓発を行うとともに、保健・医療・福祉・教育分野の関係機関の連携体制づくりに取り組みます。 ◆ 心身ともに成長が著しく、人格形成にとって重要な時期である思春期において、子どもが心身ともに健やかに成長し、豊かな母性や父性を育むため、母子保健と学校保健の連携等により、思春期保健対策を進めます。 ◆ 市町村が行う、子ども家庭総合支援拠点(児童福祉)と子育て世代包括支援センター(母子保健)の機能を一体的に運営する「こども家庭センター」の設置を支援することにより、全ての妊産婦、子育て世帯、子どもに対する一体的な相談支援体制の充実・強化を図ります。 ◆ 心身に障害のある、あるいは障害をもつ可能性のある児童に対して、療育に関する相談指導等保健・医療・福祉及び教育の関係機関が連携して対応します。 ◆ 地域保健法等に基づき、広域的・専門的・技術的拠点として、保健所の機能強化を図ります。 ◆ 地域保健の拠点となる市町村の保健センターの整備を促進します。あわせて、その活動に対し、必要に応じ助言等を行います。 (健康づくりの推進) ◆ 訪問指導の充実を図るとともに、障害のある人や家庭での介護を行うものに対し、予防知識の普及啓発、関係諸制度の活用方法等の指導、ヘルパー等に対する研修などを進めることにより、障害のある人の健康づくりを推進します。 ◆ 在宅の障害のある人に訪問健康診査等の機会を拡大し、医療機関への受診が困難な障害のある人の健康維持を図ります。 ◆ 「宮城県歯と口腔の健康づくり基本計画」に基づき、障害のある人が利用可能な歯科医療サービスの情報提供、在宅歯科医療に関する相談対応・受入体制の充実等を図り、障害のある人の歯と口腔の健康づくりを促進します。 ◆ 障害児親子歯みがき教室の開催や、障害のある人等の支援者への口腔ケアに関する研修を実施することにより、障害のある人の歯と口腔の健康づくりを促進します。 ◆ 障害の重度化予防・早期発見の観点から、障害者検診を継続し、二次障害の予防、生活機能の維持・向上を図ります。 ◆ 「リハビリテーション支援センター」において、医療的・福祉的側面から、関係機関と連携の上、障害のある人の状況に応じた地域生活の維持を支援します。 (リハビリテーションの推進) ◆ 障害のある人等が住み慣れた地域で生涯にわたっていきいきとした生活を送れるよう、保健、医療、福祉の関連機関が、支援対象者の状況やニーズに応じた支援の方向性等の情報を共有し、県内の身近な地域で適切にリハビリテーションが提供できるよう地域におけるリハビリテーション体制の充実を図ります。 ◆ 障害児者に対して、身体活動や社会参加、生活環境への関与を目的としたリハビリテーションの提供が促進されるように、県全体及び二次圏域ごとの課題に対応した支援者向けの研修会等を行います。 ◆ 市町村が行う身体障害のある人の日常生活を支える補装具費の支給・決定に当たり、専門的な技術支援を行います。 (難病対策の推進) ◆ 障害者総合支援法の対象となる難病等について、難病等患者が適切なサービスを受けられるよう、市町村や関係機関等と連携して制度の周知を徹底します。 ◆ 「宮城県難病相談支援センター」及び「小慢さぽーとせんたー」を運営し、難病患者やその家族等の悩み・不安の解消と適切なサービスへとつなげる体制づくりを推進します。 2 救急医療体制の充実強化 ◆ 事故による外傷や脳血管疾患の後遺症による障害の発生を防ぎ、障害を軽減するためには、適切な救急医療を受ける必要があります。そのため、初期救急、二次救急及び三次救急それぞれの役割分担と連携により、救急医療体制の強化に努めます。 ◆ 精神科救急については、民間精神科病院や関係機関の協力を得て24時間、365日の精神科救急患者の受入れ体制を継続するとともに、身体合併症に応じた適切な医療の提供が可能となるよう、精神科救急医療システムの充実を図ります。 3 精神疾患対策の充実 (心の問題・精神疾患の予防等) ◆ 「精神保健福祉センター」での相談・診療、保健福祉事務所や市町村での精神保健福祉相談により、精神疾患の予防と早期発見を促進するとともに、社会復帰にむけた体制づくりを推進します。 ◆ 一般県民を対象とした研修の開催等により、精神疾患に関する正しい知識の普及啓発を一層推進するとともに、早期受診及び早期治療の促進を図ります。 ◆ 精神科病院に入院している精神障害のある人の入院の長期化防止や、長期入院者を含め地域生活への移行を促進するため、医療機関に配置される退院支援相談員や市町村、保健所、障害福祉サービス事業所などの一層の連携を図ります。 ◆ 精神障害のあつなしにかかわらず、誰もが安心して自分らしく地域で暮らせるための課題の共有や必要な体制の整備を図るため、市町村、圏域及び県のそれぞれに保健、医療、福祉関係者による協議の場の活用を推進するとともに、未設置の市町村における設置に向けた取組を支援し、ネットワークの構築を強化します。 ◆ 若年層を中心に精神疾患を発症した場合の未治療期間の短縮、重症化予防のため、教育機関等と連携し普及啓発を行うなど、若者の精神疾患を含めたメンタルヘルスへの関心を高める取組を推進します。 ◆ 精神状態の悪化等を未然に防ぐため、精神障害のある人及び精神保健に課題を抱える人並びにその家族からの相談に対し、包括的な支援が確保されるよう、相談支援体制を整備します。 ◆ 医療観察制度の対象となった人の社会復帰と差別解消を推進するため、保健・医療・福祉のほか、保護観察所と連携して対象となった人の支援を行います。 ◆ 妊産婦のメンタルヘルス評価に基づいた精神症状や機能障害の重症度を把握し、妊産婦の抱える問題の内容や重症度に応じた適切な対応を図るため、母子保健関係機関と周産期医療機関及び精神科医療機関との連携を進めます。 ◆ 子どもの健やかな成長を図るため、「子ども総合センター」内に設置した児童精神科医を中心とする「子どもメンタルクリニック」において、高度なケアを要する子どもやその家族に関する診療を行うとともに、保育所、学校、市町村など関係機関に対する専門的な支援活動等を実施します。 (被災者の心のケア等) ◆ 東日本大震災の影響による被災者の心の問題(心的外傷後ストレス障害、うつ、アルコール問題、摂食障害、自死等)に対応するため、精神科医や精神保健福祉士、心理職、保健師等の専門職を配置した「みやぎ心のケアセンター」を拠点として、メンタルヘルス関連情報の提供等の普及啓発、被災者等からの相談支援、支援に関わる専門職の育成支援等に取り組みます。 ◆ 被災者の心の問題については、継続的・長期的な対応が必要と考えられることから、地域精神保健福祉活動の底上げを図りつつ、圏域の実情に応じた総合的な被災者の心のケア対策を推進します。 ◆ 東日本大震災で得られた知見等を踏まえ、大規模災害等の発生時において、被災地域の精神科医療及び精神保健活動の支援を行う「災害派遣精神医療チーム(DPAT)」の継続的な体制整備を行います。 (ひきこもりケア体制の整備) ◆ ひきこもりのケアについては、家族支援や当事者支援も含めた専門相談・早期支援が有効であるため、「宮城県ひきこもり地域支援センター」を設置・運営し、より相談しやすい体制の整備や関係職員の資質向上、居場所づくりの支援、市町村・保健福祉事務所・関係機関等とのネットワークづくりを推進します。 4 発達障害に対する支援 ◆ 「宮城県発達障害者支援センター」のほか、各障害保健福祉圏域に配置する発達障害者地域支援マネジャーを中心に、発達障害のある人やその家族、支援者が、身近な地域で乳幼児期から成人期までの各ライフステージに対応した相談を受けられるよう、地域の関係機関と連携しながら体制整備や人材育成を進めるとともに、発達障害の特性等に関する理解を促進するための研修事業や啓発活動を行います。 ◆ 関係機関で構成する「発達障害者支援地域協議会(宮城県発達障害者支援推進会議)」を設置し、地域の支援体制の課題の把握や、課題解決に向けた対応の検討を行います。 ◆ 発達障害のある子どもを育てる家族への支援を推進するため、ペアレント・プログラムやペアレント・トレーニングの普及や啓発を行います。また、発達障害のある子どもを養育した経験を持つ親をペアレント・メンターとして養成するための研修事業等を行います。 ◆ 発達障害の診断や診療について、どの地域でも一定水準の医療を受けられるようにするために、専門医の確保やかかりつけ医等におけるスキルアップの研修等を実施します。 5 高次脳機能障害に対する支援 ◆ 「リハビリテーション支援センター」や各保健福祉事務所等の専門職を中心として、高次脳機能障害のある人やその家族、支援者等に対して、電話・来所・訪問による相談支援を行います。 ◆ 高次脳機能障害に関する研修会や事例検討会等を開催し、障害に関する普及啓発や支援者の人材育成を推進します。 ◆ 県が指定した支援拠点病院における支援コーディネーターを中心として、高次脳機能障害に関する医学的側面からの支援や社会復帰の促進に向けた相談支援、地域の関係機関との連絡調整等を行う体制整備を推進します。 6 医療的ケア支援体制の整備 ◆ 介護職員向けの喀痰吸引等研修について、広域的な実施により受講しやすい環境の整備を通じた研修修了者の増加を図り、医療的ケア等に対応できる人材の育成・確保を進めます。 ◆ 医療的ケア等に対応した医療型・福祉型短期入所事業所及び訪問系・日中活動系サービス事業所等の拡充のほか、医療的ケアに対応できる事業所の情報連携の構築に取り組みます。 ◆ 「医療的ケア児支援法」の施行に基づき設置した、「宮城県医療的ケア児等相談支援センター(愛称:ちるふぁ)」において、医療的ケア児及びその家族がその居住する地域にかかわらず等しく適切な支援を受けられるため、地域の関係機関と連携した総合的・専門的な相談支援や、情報の提供・研修等を実施します。 7 重症心身障害児者に対する支援 ◆ 重症心身障害児者及びその家族への支援については、長期及び短期の入所支援に加え、通所支援や訪問支援を含めた総合的な支援体制整備のあり方について関係機関や当事者団体等と意見交換を行います。 ◆ 小児移行期を含めた重症心身障害児者の受入病床を確保するため、病床数の確保等医療計画との整合性のほか、専門的医師をはじめとする医療スタッフの確保、施設整備や運営費用の確保など、様々な課題の解決に向けた対応を検討します。 8 聴覚障害児等の療育支援体制の整備 ◆ 令和4年3月に改訂した「宮城県新生児聴覚検査事業対応マニュアル」に基づき、県内すべての新生児が新生児聴覚検査を受検できる体制や、産科・小児科・耳鼻科等の連携及び検査後のフォローアップ体制づくりを推進します。 ◆ 聴覚障害児(盲ろうなどの重複障害を含む)に対する早期療育の推進に向けて、医療・保健・福祉・教育分野の連携体制を構築します。 ◆ 聴覚障害児(盲ろうなどの重複障害を含む)に対応する協議会を設置し、関係機関相互の課題の共有や解決に向けた意見交換を行います。 ◆ 関係機関で行う家族からの相談支援や学校等への巡回支援を効果的に実施するための総合調整を行うほか、学校等の職員が支援方法を習熟する機会を設けるために聴覚障害児支援に関する研修会を開催します。 第5節 防犯・防災対策の充実 1 防犯対策の充実 <現状と課題> ◆ 障害のある人は、事故や犯罪等の被害者となる危険性が高いほか、警察への通報や相談にも困難を伴う場合が多いことから、地域の防犯活動を一層推進するとともに、情報の提供やコミュニケーション手段の充実を図る必要があります。 ◆ また、障害者支援施設等の入所利用者の安全・安心を確保する観点から、地域に開かれた施設運営を行いつつ、適切な防犯対策に取り組む必要があります。 <施策の方向> ◆ 地域に開かれた施設運営を行うことは、地域住民との連携協力の下、不審者の発見等防犯体制の強化にもつながることから、入所利用者等の家族やボランティア、地域住民、関係団体等と連携しながら、地域における自主防犯活動の活性化を図るなどして、地域安全活動を推進します。 ◆ 障害福祉サービス事業所等に対する指導の場などを通じて、「犯罪のないみやぎ安全・安心まちづくり各種防犯指針」を活用しながら、次の防犯対策の実施を促していきます。 ・ 日中及び夜間における施設の管理・防犯体制、職員間の連絡体制を含めた緊急時の対応体制、夜間等における施錠などの防犯措置の徹底 ・ 地元の警察署との合同防犯訓練を実施するなど、日頃からの警察等関係機関との協力・連携体制と有事における迅速な通報体制の構築 ◆ 地域で行う安全教室等に講師を派遣して実施する防犯講話や防犯訓練等を通じて、誰もが安心して暮らせる社会の実現を目指します。 ◆ 県民からの多種多様な相談に適切に対応するとともに、地域の安全対策を推進するため、「警察安全相談員」及び「交番相談員」の体制強化を図ります。 ◆ 聴覚障害のある人や音声言語機能障害のある人などの日常生活の安全を確保するため、県警に設置されている「メール110番」及び「FAX110番」についての周知を図ります。 2 大震災の教訓を踏まえた防災対策の充実 <現状と課題> ◆ 平成23年3月11日に発生した東日本大震災では、甚大な津波被害等により、多くの尊い命が失われました。また、長期にわたる避難所生活の中で体調を崩されるなどして亡くなられる震災関連死も多数にのぼりました。 ◆ 平成28年8月に発生した台風10号による大雨により、岩手県の小本川が氾濫し、岩泉町の認知症高齢者グループホームにおいて多数の利用者が亡くなるという被害が発生しました。平成29年6月に水防法等が改正され、洪水浸水想定区域、土砂災害警戒区域等に立地する要配慮者利用施設に避難確保計画の作成が義務づけられる等、水害対策及び土砂災害対策も急務となっています。 ◆ 障害のある人は、その障害の特性により、災害時の避難行動に際して、支援を必要とする場合が多い上、避難生活においても特別な支援を要する人が多いと考えられます。 ◆ 基礎調査の結果でも、「災害時に一人で避難することができない」と回答した人は全体の50.2%を占めており、障害の程度が重い人ほどその傾向がより顕著となっています。また、一人で避難できない理由として、「自分で判断して行動することが難しい(54.8%)」、「介助者がいないと移動できない(50.7%)」、「避難所等での集団生活が難しい(30.9%)」などの意見が多数を占めました。 ◆ こうしたことから、市町村を中心として、災害発生時において自ら避難することが難しい「避難行動要支援者」を事前に把握し、個人情報の保護に配慮しつつ、要支援者ごとの特性に配慮した個別避難計画を定めておくことや、障害福祉サービス事業所等、地域住民、自主防災組織等など、避難支援等関係者と連携した地域における支援体制を平時から構築しておく必要があります。 ◆ また、障害福祉サービス事業所等の社会福祉施設は、入所利用者の多くが災害時に支援が必要な人であることや、被災した障害のある人の受入れを求められることが想定されることから、それらを考慮した防災対策が強く求められます。 ◆ さらに、大災害の発生時においては、迅速で正確な情報の把握が必要となりますが、情報の収集やコミュニケーションが困難を伴う障害のある人のため、障害の特性や種別に配慮した情報伝達方法の支援も必要となるほか、指定福祉避難所の指定や医薬品等を含めた必要物資の調達・供給体制の整備も必要となります。 ◆ 以上のように、県、市町村及び防災関係機関をはじめ各自がそれぞれの立場で各種の防災対策を講じるとともに、防災知識の普及、地域住民や関係機関の連携・協力体制を整備するなど、全ての人が共に助け合い安心して暮らせる社会をつくる必要があります。 <施策の方向> ◆ 東日本大震災の経験を踏まえた「宮城県地域防災計画(令和5年11月修正)」に基づき、地震や津波、風水害、原子力災害等に対する災害の予防対策、災害時の応急対策、及び災害復旧・復興対策を総合的に推進するとともに、障害福祉サービス事業所等に対する説明会の開催や実地指導等を通じた理解の促進を図ります。 【宮城県地域防災計画の主な概要】 (地震災害対策編、津波災害対策編、風水害等災害対策編) 災害予防対策 地震・津波に強いまちの形成、風水害等に強い県土づくり、都市の防災対策、建築物等の予防対策、ライフライン施設等の予防対策、防災知識の普及、防災訓練の実施、地域における防災体制、ボランティアのコーディネート、企業等の防災対策の推進、情報通信網の整備、職員の配備体制、防災拠点等の整備・充実、相互応援態勢の整備、医療救護体制・福祉支援体制の整備、緊急輸送体制の整備、避難対策、避難受入れ対策、食料・飲料水・生活物資の確保、要配慮者・避難行動要支援者への支援対策、複合災害対策、災害廃棄物対策など 災害応急対策 情報の収集・伝達、災害広報活動、防災活動体制、相互応援活動、災害救助法の適用、自衛隊の災害派遣、救急・救助活動、医療救護活動、交通・輸送活動、ヘリコプターの活動、避難活動、応急仮設住宅等の確保、相談活動、要配慮者・避難行動要支援者への支援活動、愛玩動物の収容対策、食料・飲料水・生活必需品の調達・供給活動、防疫・保健衛生活動、遺体等の捜索・処理・埋葬、災害廃棄物処理活動、社会秩序維持活動、教育活動、防災資機材・労働力の確保、公共土木施設等の応急対策、ライフライン施設等の応急復旧、農林水産業の応急対策、二次災害・複合災害防止対策、応急公用負担等の実施、ボランティア活動、海外からの支援の受入れなど 災害復旧・復興対策 災害復旧・復興計画、生活再建支援、住宅復旧支援、産業復興支援、都市基盤の復興対策、義援金の受入・配分、激甚災害の指定、災害対応の検証 (原子力災害対策編) 原子力災害事前対策 原子力事業者との防災業務計画に関する協議及び防災要員の現況等の届出の受理、原子力事業者からの報告の徴収と立入検査、原子力防災専門官及び上席放射線防災専門官との連携、迅速かつ円滑な災害応急対策、災害復旧への備え、情報の収集・連絡体制等の整備、緊急事態応急体制の整備、住民等への的確な情報伝達体制の整備、モニタリング体制等、緊急時の住民等被ばく線量評価体制の整備、複合災害に備えた体制の整備、人材及び防災資機材の確保等に係る連携、避難受入活動体制の整備、飲食物の摂取制限及び出荷制限、緊急輸送活動体制の整備、救助・救急及び消化資機材等の整備、原子力災害医療体制等の整備、物資の調達・供給活動、行政機関の業務継続計画の策定、原子力防災等に関する住民等に対する知識の普及と啓発及び国際的な情報発信、防災業務関係者の人材育成、防災訓練等の実施、原子力発電所上空の飛行規制、核燃料物質等の運搬中の事故に対する対応、放射性物質による環境汚染への対処のための整備 緊急事態応急対策 情報の収集・連絡・緊急連絡体制及び通信の確保、原子力災害警戒体制、緊急事態応急対策活動体制の確立、住民等への的確な情報伝達活動、放射性物質又は放射線の影響の早期把握のための活動、屋内退避・避難の受入れ等の防護活動、治安の確保及び火災の予防、飲食物の摂取制限及び出荷制限、緊急輸送活動、救助・救急及び消火活動、原子力災害時の被ばく医療活動、核燃料物質等の事業所外運搬中の事故に対する応急対策、自発的支援の受入れ等、行政機関の業務継続に係る措置 原子力災害中長期対策 緊急事態解除宣言後の対応、原子力災害後対策実施区域における避難区域等の設定、放射性物質による環境汚染への対処、各種制限措置等の解除、環境放射線モニタリングの実施と結果の公表、災害地域住民等に係る記録等の作成、風評被害等の影響の軽減、被災者等の生活再建等の支援、被災中小企業等に対する支援、心身の健康相談体制の整備、物価の監視、復旧・復興事業からの暴力団排除 ◆ 平成25年8月に国が策定した「避難行動要支援者の避難行動支援に関する取組指針」及び同年12月に県が策定した「避難行動要支援者等に対する支援ガイドライン」等に基づき、市町村等と連携し、障害のある人をはじめとする避難行動要支援者の安全確保対策に取り組むとともに、障害福祉サービス事業所等に対する説明会の開催や実地指導等を通じた理解の促進を図ります。 【宮城県避難行動要支援者等に対する支援ガイドラインの主な概要】 平時における支援対策 市町村による全体計画・地域防災計画の策定、避難行動要支援者名簿の作成と適正な管理、個別計画の策定、福祉避難所の指定、要配慮者自身の取組(情報連絡カードの携帯、物資の備蓄、防災訓練への参加等)及び見守り体制の構築 災害発生時における支援対策 災害別(風水害・大規模事故等、津波を伴わない地震、津波を伴う地震)による発生時の対応、防災情報の伝達、避難誘導等の支援体制、避難所対策、福祉避難所の運営、応急仮設住宅への入居等 災害復興期における支援対策 各種保健福祉サービス等の継続、復興期におけるメンタルケアの実施及び要配慮者に対する生活再建支援 ◆ 障害福祉サービス事業所等の耐震化や、消防法令等の改正に伴う大規模修繕、スプリンクラー設備や避難スペースの整備等に要する費用の一部を補助します。 ◆ 県や市町村等による障害福祉サービス事業所等への実地指導等を通じて、各事業所の非常災害に関する具体的な避難確保計画の作成や、防災訓練の実施を指導します。 ◆ 原子力災害発生時に避難等が必要となる区域の障害福祉サービス事業所等に対し、実地指導等を通じて避難計画の作成などに係る指導助言等の支援を行います。 ◆ 「宮城県避難行動要支援者等に対する支援ガイドライン」に基づき、市町村等に対し、避難行動要支援者の個別避難計画策定に係る指導助言等の支援を行います。 ◆ 東日本大震災で得られた知見等を踏まえ、大規模災害等の発生時において、被災地域の精神科医療及び精神保健活動の支援を行う「災害派遣精神医療チーム(DPAT)」の継続的な体制整備を行います。 ◆ 「宮城県視覚障害者情報センター」に「地域連携推進員」を配置し、当事者団体や支援者団体との連携により、研修会の開催等を通じて、視覚障害者の安全確保対策や避難所における支援等の理解の促進を図ります。 ◆ 避難所等における障害のある人に対する情報保障のため、意思疎通支援者※の計画的な養成等を行います。 (ここまで)