第1回障害のある人もない人も共生する社会づくり条例(仮称)検討会議事要旨 日 時 :令和元年8月7日(水)午後1時45分から午後5時13分まで 場 所 :仙台市福祉プラザ1階 プラザホール 1.開 会 ○司会 それでは,ただ今から第1回障害のある人もない人も共生する社会づくり条例(仮称)検討会を開催いたします。   (1)あいさつ ○司会 開会に当たりまして,宮城県保健福祉部障害福祉課長の小松より御挨拶を申し上げます。 ○障害福祉課長 皆さん,こんにちは。円卓のテーブルの後ろから挨拶をさせていただいておりますことをお許しいただきたいと思います。   本日は大変お忙しい中,そしてとても暑い中,会議に御出席をいただきまして,誠にありがとうございます。   加えまして,この検討会のメンバー,会議のほうに御参画いただくことについて御快諾をいただきました。大変ありがとうございます。   県では,障害を理由とする差別の解消と情報保障を通じまして,障害があってもなくても共生する社会の実現に取り組むこととして,条例づくりを始めさせていただいたところでございます。昨年度は,条例の制定方針(案)と骨子(案)を策定いたしまして,障害団体の方に対するヒアリングや,県内7圏域でタウンミーティングを開催し,障害のある方,ない方々からたくさんの御意見をいただいたところでございます。   今年度につきましては,条例に規定すべき内容を検討することにいたしており,広く様々な障害当事者の方や関係者の皆様から御意見を伺いたい,意見交換をさせていただきたいということで,この検討会を開催させていただくことになりました。   本日が第1回目の検討会ということになります。これまでの経過等につきましては,この後,担当者から御説明をさせていただきますが,これからこのメンバーで会議を開催させていただきますので,どうぞ忌憚のない,遠慮のない御意見をお願いいたしまして,簡単ではございますが,私からの御挨拶とさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。 (2)構成員の紹介  資料2「構成員名簿」参照 (進行) ○司会 これからの進行でございますが,適宜休憩も入れながら進めてまいりたいと思っておりますが,途中で気分がすぐれなくなった場合は,御遠慮なくお申し出いただきたいと思います。また,トイレに行かれる場合も,中座いただいて結構でございますので,よろしくお願いします。   それでは,まずは本検討会につきまして,私から簡単に説明をさせていただきます。   お手元の資料の1を御覧ください。   資料1は,この検討会の開催要綱です。   第1に目的が記載されておりますが,本検討会につきましては,この目的に記載されておりますとおり,障害の有無によって分け隔てられることなく,人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現のため,その基本理念や実現に向けた方策等を掲げた条例の制定に向けまして,広く障害当事者の方や学識経験者の方などに御参画をいただき,意見聴取や意見交換を行うために開催するものでございます。   (3)検討会の進め方と今後のスケジュールについて ○司会 次に,具体的に当会の進め方,今後のスケジュールにつきまして,事務局から説明をさせていただきます。 ○事務局 それでは,検討会の進め方と今後のスケジュールについて,事務局より御説明いたします。   お手元の資料3を御覧ください。   まず,検討会の進め方についてですが,条例の素案の作成に当たり,様々な立場の方々から御意見をいただく場として,全6回程度の開催を予定しております。   皆様には,条例の構成や規定する内容について,議題に沿って議論していただきたいと考えております。   参考資料を御覧ください。   県が作成しましたこの条例の骨子(案)から二,三個ずつ項目を選択して,各回の議題としたいと考えております。例えば,本日であれば,この骨子(案)の「全体の構成」を議題1,「目的と基本理念」を議題2としております。   検討会の進行は,座長が行うこととします。   本検討会で議論した内容をもとに,知事に「望ましい条例(案)」の報告書を提出することが,本検討会の任務となります。   なお,報告書に多様な意見を反映させるため,内容によっては検討会としての意見集約を行わない場合もあります。このため,報告書は両論併記等もあり得ます。   続きまして,今後のスケジュールでございますが,資料3に日程と主な議題を記載しております。概ねこちらに記載しているとおり,第2回が9月5日,3回目が10月18日,4回目が11月14日,5回目が12月23日,6回目を年明けの1月23日,というスケジュールで進めていきたいと考えております。どうぞよろしくお願いいたします。   私からの説明は以上となります。 ○司会 ただいま事務局から,検討会の進め方と今後のスケジュールについて説明がございました。御質問や御確認等がございましたら,構成員の皆様,よろしくお願いいたします。 ○笠原 笠原です。   スケジュールについてなんですけれども,これはもう確定で,出席できないときはやむを得ないというような感じになるんでしょうか。 ○事務局 事務局の日野原です。   今後のスケジュールにつきましては,この案でいきたいと思っておりまして,その都度開催の案内通知を出させていただきまして,出欠も取りますので,もし予定が合わない場合につきましては,御欠席ということで,その旨御連絡ください。どうぞよろしくお願いいたします。 ○笠原 ありがとうございました。もう1点なんですけれども,12月23日は,これってもう天皇誕生日ではなくなるんでしたか。 ○事務局 事務局の日野原からお答えいたします。   確かに12月23日は,前天皇陛下のお誕生日でしたけれども,今年は平日となっておりましたので,この日を開催日とさせていただいております。 ○司会 よろしいでしょうか。他に何かございますでしょうか。 ○及川(智) 及川智です。   同じく日程について質問なんですけれども,この日程についてはこれで確定ということでよろしいんでしょうか。後からお話ししたいと思うんですけれども,この中の議題にない内容についてお話をするのに,日程の追加というようなことは考えてはいないのでしょうか。 ○司会 事務局,よろしいですか。 ○事務局 事務局の日野原です。   基本的にはこちらの日程で進めていきたいと考えております。こちらに挙げている議題以外の議論につきましては,この後,私のほうから条例の全体像の骨子(案)についてお話ししますが,骨子(案)の中の関連する項目についての議論の中で,プラスアルファでこういったことも規定してはどうかと,お話というか,議論をいただければと現時点では考えております。まずは,原則,こちらのスケジュールに沿って進めていきたいと考えております。私からの説明は以上です。 ○司会 よろしいでしょうか。他に何か確認等ございましたらお願いします。 ○神田 神田です。今後予定されている検討会の時間と場所につきましては,本日と同じでよろしいんでしょうか。つまり,13時45分から16時45分,そして場所はここの福祉プラザ1階ということでよろしいんでしょうか。 ○事務局 事務局の日野原です。   まず,場所につきましては,その都度確保できる場所がどうしても変わってしまうことがございまして,福祉プラザだと,こちらプラザホールで開催できることもあるかと思いますが,別の部屋をお借りしてですとか,それ以外のどこか空いている会議室をお借りして,そこで開催するということもあり得ますので,開催の都度,場所については御案内を差し上げたいと考えております。いずれこちらの福祉プラザか,宮城県庁周辺の貸し会議室等で開催したいと考えております。   また,お時間についてですが,開催時刻につきましては,概ね午後の開催を考えております。本日ですと,開会時刻は13時45分というところでございましたが,概ね13時から14時の間にスタートしたいと考えております。1回の検討会の時間は3時間程度を目安に会議を進めていきたいと考えております。以上です。 ○司会 ほかに確認点はございますでしょうか。これから検討が進んだ中で,スケジュール等の確認が必要な場合はそこでまた御確認いただければと思います。   それでは,次に進ませていただきます。   (4)座長・副座長の選出 ○司会 これから報告事項を含めました検討会の議事に入ってまいりますが,本検討会につきましては,要綱上,座長が会の進行を行うこととされておりまして,座長がいない場合につきましては,副座長が会の進行を行うということになっております。   座長,副座長の選出でございますけれども,座長につきましては阿部裕二さんに,副座長につきましては笠原太良さんにお願いしたいと考えてございます。   皆さんにお諮りをさせていただきます。皆様,よろしいでしょうか。〔異議なし〕   ありがとうございます。それでは,御了承をいただきましたので,席の準備,移動をお願いしたいと思います。 〔移動〕   それでは,以後の議事進行につきましては,阿部座長にお願いしたいと存じます。阿部座長,よろしくお願いいたします。 ○座長 座長を務めさせていただきます阿部と申します。どうぞよろしくお願いいたします。   先ほど事務局からお話がありましたように,本日は本当にお忙しい中,あるいは本当に暑い中,この検討会にご出席いただきまして,私からも改めてお礼申し上げます。   事務局からも説明がございましたが,この検討会では,昨年度宮城県が作成しました条例の骨子(案)をたたき台としまして,どのような内容の条例を制定するのが望ましいか,この構成員の皆様の中で議論をしていただきたいと考えております。スムーズな進行に努めてまいりますので,皆様の御協力のほどよろしくお願いいたします。   2.報告事項   (1)これまでの経緯について ○座長 それでは,ここからは,座長が進行ということなので,進めさせていただきます。   次第の2番になります。報告事項の(1)「これまでの経緯について」,事務局から説明をお願いいたします。 ○事務局 事務局の日野原です。それでは,私から,これまでの経緯について御説明いたします。   お手元の資料4を御覧ください。   まず,障害のある方の権利をめぐる情勢として,国レベルの動きですけれども,平成23年7月に改正された障害者基本法,平成25年6月に制定された障害者差別解消法,平成26年1月に批准された障害者権利条約では,いずれも障害を理由とする差別の禁止が盛り込まれております。   全国的な動きですが,当県の調査では,障害を理由とする差別の解消に関する条例は,32都道府県が制定しております。   本県における動きですが,「みやぎ障害者プラン」の重点施策として,障害を理由とする差別の解消を掲げているほか,障害福祉団体から条例制定を求める要望をいただいております。   なお,「みやぎ障害者プラン」を策定するに当たり,県内の障害者手帳をお持ちの方 4,000人を対象にアンケートを実施し,障害を理由とした差別についても調査しております。障害を理由とした差別のアンケート結果につきましては,資料5にまとめております。このことにつきましては,後ほど詳しく御説明させていただきます。   これらの状況を踏まえ,昨年12月に開催した宮城県障害者施策推進協議会に参考資料として添付している条例の骨子(案)を示し,議論を開始しております。   また,今年1月から2月にかけ,障害関係団体等とのヒアリングやタウンミーティングを開催し,意見を聴取したところ,当事者自身が条例制定過程に参画すべきであるとの御意見をいただきました。このような御意見を受け,当事者自身が条例制定過程に参画していただく場として,本検討会を設置したところです。   これまでの経緯に係る私の説明は以上となります。 ○座長 阿部です。ありがとうございました。   ただ今事務局から資料4を使いまして,これまでの経緯について御説明がありました。   さて,皆様の中から,何か今の説明に対して疑問点であったり,御意見,質問がございましたら,挙手をもってお願いいたします。   今までどおりですけれども,御発言される前には,お名前を述べてから御発言をお願いいたします。また,手話通訳をしておりますので,重ねてですけれども,御発言の際は少しゆっくりお話しいただければと思います。また,発言が聞き取れなかった場合には,挙手でお知らせいただければと思います。   それでは,今の説明に関しまして,何か御質問,御意見,あるいは疑問点等ございましたら,よろしくお願いいたします。 ○及川(智) 及川です。   今回の差別禁止の条例に関して,基本的な考え方として,自分たちのことを自分たちがいない場で決めるのはやめてくれというのが,障害のあるなしに関わらずあると思うんですが,僕の友人が昨年,県が開催した栗原でのタウンミーティングに参加したんですが,栗原は非常に参加人数が少なかったようです。やはり今回のこの会議で当事者の代表とか,支援者の方たちが集まったのはいいんですが,全体の割合からすると,ごくわずかだと思うんです。その意味で,もっと広く障害当事者からこのことに関して,もっと広く告知して意見を集めようとするのが必要だと思うんですが,今年度も昨年度と同じようにタウンミーティングのようなことはやる予定はあるんでしょうか。 ○座長 阿部です。   今の御質問ですけれども,一人でも多くの方々が参加できるようにということでタウンミーティングを今年度も実施する予定があるのかということですが,事務局のほうでよろしくお願いいたします。 ○事務局 障害福祉課長の小松でございます。   御意見ありがとうございます。お話しいただいたとおり,今年の2月に県内7圏域でタウンミーティングを開催して,7圏域合計で370人を超える方にお集まりをいただいて御意見をいただいたところです。   そうして御意見が集まっているというのが1点と,やはり今お話しいただいたとおり,我々のことを我々抜きで決めないでというお話もあって,今回の検討会議を新たに設置したというのがこれまでの経緯でございます。   今年度の予定といたしましては,先ほどスケジュールでも御案内をさせていただいたとおり,障害当事者の方にも御参画いただくこの検討会での議論を中心に今年度は進めていきたいと考えています。   来年度以降,必要に応じてパブリックコメントを開催したり,再度各障害団体の皆さんへのヒアリングを行ったり,そういったことは考えていきたいと思っております。以上でございます。 ○小山 小山です。   私も今回の条例制定に当たり,議論のテーマは,色々ございますが,広く意見を聞く必要があると思います。私たち構成員も宮城県の方々も一緒に,県内全域から色々な声が入るようにアンテナを広く張り,繋がりのあるところから情報を集約していく必要があると思います。どうぞよろしくお願いいたします。 ○座長 座長の阿部です。   今,小山構成員さんからのお話は,御意見としてお聞きしてよかったですか。ご要望として。はい。よろしいですか。(「はい,オーケーです」の声あり)わかりました。先ほどの御質問あるいは御意見へのプラスアルファのような形ですけれども,広く意見を聞く場を設けてほしい,聞く機会をつくってほしいという御意見でしたので,どうぞ事務局のほうも受けとめていただければと思います。   他にありますか。複数挙がりましたので,では順番で。 ○細川 細川と申します。よろしくお願いします。   先ほど及川さんのほうから,タウンミーティングが今後あるのかないのかという質問がありました。私といたしましても,宮城県のろう者・難聴者,またはそのコミュニティ,そういう方たちの他にも今後タウンミーティングがあるんじゃないかと期待をしている人がいると思うので,開催の予定がないことはとても残念に感じます。タウンミーティングは,地域ごとにまとめて,そしてこの検討会には代表が来ているけれども,ほかの委員の人とか色々な方が見えないです。同じ障害者でも,ここに来た人は見えるけれども,他の人もその内容が見えればということで,やはり何か地域ごとにタウンミーティングなどで広く知らしめる場も必要ではないかと思います。   このアンケートの結果の中に,差別の内容がたくさん記載されていますが,「見えない人の声」とか,「聴覚障害者の声」,または「難病からの声」などはっきり項目があると,「あ,こういう方たちにはこういうことがあったんだ」ということが分かるので,そのような障害区別の項目があると,さらに分かりやすいと思いました。以上です。 ○座長 座長の阿部です。   ありがとうございました。今の御意見も,今までの方々の御意見を踏襲した内容になっているのかなと思うんですけれども,事務局のほうで何かコメントございますか。 ○事務局 障害福祉課長の小松でございます。   先ほどの繰り返しになるかと思います。基本,今年度は,ということになりますが,この検討会での議論を深めたいと考えております。当然,その後タウンミーティング等が必要であるというようなお話になれば,また検討させていただきたいと思います。 ○及川(智) 及川智です。   これまでの関連で幾つか言いたいんですけれども,1つは,今日の資料5−2で,具体的な事例を示していただいてありがたいと思いました。結局,この条例を制定する上で,本当に基本になるのは,この事例の内容だと思います。そこで,2点ほど提案いたします。   1つは,まず皆さんもおっしゃっているように,タウンミーティングの場を今年度も設けてほしいということ,もう1つは,ホームページでも,広報でもいいと思うんですけれども,こういう事例を募集する窓口を開いていただきたいと思います。 ○座長 座長の阿部です。   今の御意見も,タウンミーティングも含めて,広く意見を収集すべきだということが1点でした。もう1点は,資料5の説明はこれからにはなるとは思うんですけれども,資料5にあるような事例を募集する窓口をつくる必要があるのではないかということでした。2点のお話がありましたが,条例の中身に関わることにもなろうかなと思いますので,そういう要望がある,あるいはそういうことも意識すべきだということで受け止めさせていただきます。 ○木村(綾) 木村綾子です。   タウンミーティングで様々な意見を伺うべきということなのですが,私もそのとおりだと思います。それで,これまでの経緯について資料4の3の1番なんですが,県内の障害者手帳をお持ちの方4,000人を対象にアンケートを実施したというのは分かるんですが,実際に障害者手帳を持っている方はもっといらっしゃると思うのですが,障害者手帳をお持ちの方に対してこの4,000人という数字は全体の何パーセントになるのでしょうか。 ○座長 座長の阿部です。   この4,000名とは,全体の何パーセントぐらいに当たるかという御質問です。資料,おありでしょうか。 ○事務局 障害福祉課の山田です。   この4,000人とは,障害者手帳をお持ちの方に対して何パーセントかという御質問でした。今,この時点ですぐ何パーセントという数字はちょっと計算しないと出てこないんですが,県内で障害者手帳,身体,知的,それから精神の手帳をお持ちの方は,約11万人いらっしゃいます。その方々に対しての4,000人ということで御理解いただければと思います。 ○座長 座長の阿部です。   よろしいでしょうか。はい,ありがとうございました。   いかがでしょうか。これまでの経緯についてに関する御質問,御意見,よろしいでしょうか。   (2)本県における障害を理由とした差別のアンケート結果について ○座長 続きまして,報告事項の(2)になります。本県における障害を理由とした差別のアンケート結果について,事務局から説明をお願いいたします。 ○事務局 事務局の日野原です。   それでは,障害を理由とした差別のアンケート結果について,私から御説明いたします。   お手元の資料5を御覧ください。   まず,意見の聴取の状況ですが,先ほども御説明しました「みやぎ障害者プラン」を策定するに当たり,平成29年1月25日から2月19日までの期間で,障害福祉に関するアンケート調査を実施しております。   調査結果につきましては,資料5の別紙1を御覧ください。   まず,この調査において,「障害があることを理由に差別された経験がある」と回答した方は,674人おりました。   差別された場所について,複数回答で行ったところ,「学校・塾」が34.3%,231人と最も多く,次いで「自宅周辺」が24.0%,162人,「病院・福祉サービス事業所」が21.5%,145人,「職場」が18.4%,124人の順となっていました。   差別された内容についても複数回答で行っておりますが,「偏見を感じるような対応をされた」が63.2%,426人と最も多く,次いで「困っているのに手助けしてもらえなかった」が26.1%で176人,「サービスなどの利用を拒否された・制限された」が16.8%,113人の順となっておりました。   このアンケート調査の他にも,条例制定に関するタウンミーティングにおいて様々な御意見をいただいており,その中には差別の実態に関する御意見もございました。   アンケート調査やタウンミーティングで寄せられた,障害を理由とした不利益な扱いと思われる主な事例につきましては,資料の別紙2にまとめておりますが,主だったものは,資料5にまとめさせていただいております。   幾つか御紹介させていただきますと,福祉の分野では,「就業のため子どもの預け先を市役所に相談したところ,生活保護を勧められた」ですとか,「子どもの障害が重過ぎるという理由で公立保育所に入所できなかった」などの事例がありました。医療の分野では,「知的障害というだけで診察を拒否された」,商品販売・サービス提供では,「飲食店で入店を拒否された」,労働では,「障害を理由に日常的に侮辱的な言葉を浴びせられ,無視されることがあった」などの事例がありました。この他,教育の分野ですと,「迷惑だからという理由で幼稚園の入園を断られた」,「教師の支援があればできることがあっても,『どうせできない』と言われた」,公共施設・公共交通の分野では,「車椅子利用者や精神障害者に対する乗車拒否がある」と「指定券を取っているのに指定席に座れず,暴言を吐かれたことがある」,不動産では,「障害を理由に入居を拒否された」などの事例がありました。その他の事例としましては,「お祭りの参加について事前に承諾を得ていたにも関わらず,直前になって参加拒否された」といった事例もございました。   詳細につきましては,資料5の別紙2にまとめてあるとおりですので,後ほど御覧ください。私からの説明は以上となります。 ○座長 座長の阿部です。   ただ今,事務局の説明として,アンケートの結果等のお話がありました。この点につきまして,何か質問等ございましたら,挙手でお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。 ○細川 細川です。   アンケートの調査結果のことですが,平成29年の1月12日から2月,短期間のアンケートなんですが,2年前から新しい情報が入ってないので,情報が遅れて,公表が遅れているのではないでしょうか。 ○座長 座長の阿部です。   調査期間あるいは今までの公表の時期に関してですけれども,この辺に関してはいかがでしょうか。事務局,よろしくお願いします。 ○事務局 事務局の日野原です。   障害者プラン,6年に1回,県で策定しているんですけれども,その策定に当たりまして,県内の各手帳をお持ちの方から無差別に4,000名抽出させていただきまして,アンケートを実施しております。今回,直近のアンケートの結果として取っているのは,平成29年の1月25日から2月19日にかけて実施したそのアンケートのうちの,差別の実態調査です。こちらにつきましては,障害者プランを策定する都度,やはり無作為抽出させていただいてアンケートを取って,障害の実態についてはその都度,内容の把握に努めていくことになっております。そのため,やや古いと思われるかもしれませんが,その都度アンケートを実施しており,毎年やっているわけではないので,直近のものというところで御理解いただければと思います。私からの説明は以上となります。 ○座長 座長の阿部です。   いかがでしょうか。今の説明でよろしいでしょうか。 ○細川 わかりました。大丈夫です。 ○座長 ありがとうございました。続きまして,どなたか御質問,疑問点ございますか。 ○木村(綾) 木村綾子です。   当事者の方についてのアンケートはされているということですが,一般健常者の方が当事者の方と関わる場合についての健常者の方に対するアンケートというものはされたことはあるのでしょうか。 ○座長 座長の阿部です。   今の御質問は,当事者の方へのアンケート以外に,それ以外の方々へのアンケートは取られたことがあるのかという御質問です。いかがでしょうか。よろしくお願いいたします。 ○事務局 事務局の日野原です。   障害当事者以外の方という限定した形での差別の調査は県として実施してはおりませんが,先ほど申し上げたタウンミーティングでは,障害のあるなしに関係なく参加していただきまして,その中で御意見をいただいております。今回作成させていただいております資料5につきましては,障害者プランの作成時の障害当事者に対するアンケートの他にも,条例制定に当たりましてタウンミーティングで広くいただいた御意見を加えた上で提供させていただいておりますので,この御意見の中には,健常者などから寄せられた御意見も含まれているというところで御理解いただければと思います。私からの説明は以上となります。 ○和田 ただ今のお話の中に,障害者という言葉がいっぱい出てくるんですが,内部障害者,一般的に見た感じでは障害のないような人へのアンケートというものはどうなんでしょうか。取ったことがございますでしょうか。 ○事務局 事務局の日野原です。   内部障害のある方に限定したアンケートは,県として実施してはおりません。ただ,内部障害を理由として身体障害者手帳をお持ちであれば,先ほど申し上げた障害者手帳をお持ちの方を対象としたアンケートの対象者の中に含まれることになります。例えば,今回の資料の中には,障害のため,移動に時間がかかるけれども,障害の種別的に,外見では障害があることが分かりづらいので,公共の施設でゆっくり歩いているとなかなか理解されずに苦しい思いをすることがあるといった御意見をいただいておりますので,内部障害の方からも,ある程度御意見を頂戴しているのかなというふうに理解しております。私からの説明は以上となります。 ○座長 座長の阿部です。   他にはどなたかいらっしゃいますか。 ○小山 小山です。   私もこのアンケート調査について,大変量も膨大だったんですが,何とか頑張って読ませていただきました。その中に,私たち盲ろう者としての差別事例がどれだけ入っていたかなと思うと,入っていないような感じもありました。 先ほど細川さんから指摘があったように,2年前の調査であったこととか,障害のない方の声があったかどうかとか,そういった意見もありましたが,障害者手帳をお持ちの4,000人から抽出したというところで,やはりそれだけではなかなか実態が把握し切れない部分もあると思いましたので,今後,新しい結果も必要かなとつくづく感じました。その中で,今後アンケート調査を実施する際は,各障害者団体にも積極的にアンケートをお願いしたいです。 ○座長 座長の阿部です。   ありがとうございました。要望というか,アンケートを取る際の方法とか時期とか,なるべく新しいものをというお話がありました。私もよくアンケートを取る場合があるんですけれども,なかなか直近というのは難しくて,また,データ分析等も難しいところがありますが,そういうご要望があったということで,事務局からコメント等ございますか。 ○事務局 障害福祉課の山田です。   今後,アンケートを実施する際は,今いただきました御意見を考慮しながら実施していきたいと思います。以上でございます。 ○及川(智) 事例と条例の関係について,私の考えをお話しします。   皆さんもおっしゃっているように,当事者が事例を重要視するのは,実際に起こった事態が多くの場合は解消されない状況にあるということが根本にあります。そのため,条例をつくって,県民全体が分かるような基準を設けるという取り組みが重要だというふうに私は思っています。そういう意味では,条例をつくるには事例をつぶさに見る必要があって,そこから条例の構成を考えていくべきなんだと思っています。 ○座長 座長の阿部です。   ありがとうございました。ただ今の御発言は,色々な事例,アンケートの結果の事例がここに記載されているが,これをどう条例に反映させていくのかというものでした。アンケートの結果を具体的に解消するための条例づくりと,そういう方向性が大事なのではないかなという御指摘あるいは御意見だったと思います。   私の個人的な意見を述べさせていただくと,これは本当にそのとおりだと思うんですね。そういう意味では,条例になると,どうしても比較的大きな枠組みになってくるわけですね。ただ,大きな枠組みの中でも,こういう事例があるんだよということを踏まえて作っていく必要性は絶対あるんだろうとは思っています。 事務局から何かコメントはございますか。 ○事務局 障害福祉課の山田です。   この資料,横の表なんですけれども,似たような案件があった場合,まとめて1つとカウントしています。実際には,似たような事例がもう少し多く出ているというのも事実でございます。その事例を条例に反映させる方法についても,今後この検討会の中で,どうすればうまく反映できるのか,加えて,どのようにすれば県民に広く周知できるのか,検討していけたらと思っておりますので,よろしくお願いいたします。 ○座長 座長の阿部です。   他にはいかがですか。   先ほど小山構成員から少しお話があったんですが,差別の実態として書かれていることもあるけれども,書かれていないところもあるというようなお話もありました。それを踏まえて,何か同じような差別を見聞きしたとか,あるいは御自分で体験されたとか,アンケートを補足するような事例等ございますか。折角の機会でもございますので,条例に反映させるという意味でも,何か御発言はありますか。 ○和田 和田でございます。   私は,障害者と言うよりは,難病患者と寄り添う団体に加盟しております。難病患者も障害者の法に守られているはずなんですが,難病患者の方で,病院に行きたいと職場で言うと,障害者手帳がないと障害者じゃない,難病患者は障害者ではありませんと言われてしまうという話を耳にします。世の中的には,まだ難病患者と障害者法というものがきちんと分かっていないところがすごくあって,病気,難病の患者が職場から病院に行くときに苦労がすごくあるというのはよく聞く話なんですね。障害者の方たちだと,障害者だから分かります。でも,病気というものは皆さんには見えないわけですね。その都度,その都度,やはり病院から診断書をもらって,それで休めとか,「では病院にいつ行くんだ」と皆さんおっしゃいます。   宮城県患者・家族連絡協議会では,そういう方たちのサポートをするための場所も設けているので,そういうサポートをする人たちの話をもうちょっと県の方々にも分かっていただいて,見える障害の方たちも大変なのは分かりますが,見えない障害というのがすごく大変だということ,見えない障害というものを理解していただきたいというのが私の意見です。 ○座長 座長の阿部です。   ありがとうございました。見えるところ,見えないところ,難病の方々の色々なご苦労とか,色々な問題点が改めてここで理解されたかなと思います。 ○木村(綾) 木村綾子です。   私は,障害のある方についてだけの検討会ではないと思っております。 私の直接の知り合いではないのですが,性同一性障害のある方で,大変悩んでいらっしゃる男性が命を絶ってしまわれたということがありまして,障害ではないけれども,そういう差別偏見を受けていらっしゃる方についても,議論をすべきではないかと思っております。 ○座長 ありがとうございます。座長の阿部です。   今の御意見は,障害という部分ではないところかもしれませんけれども,まさに一人一人が住みやすい,社会の中で自己実現ができるような,そういう方向を目指すのが共生社会なんだろうなと思うんですね。その共生社会の一つの切り口として,今回は「障害のある人もない人も」ということで,障害という問題が出てきたのかなと思うんです。性同一性障害とか,例えばゲイだったり,レズビアンだったり,そういう多様な方々を受け入れる社会というものも片方ではあります。ただ,そういう社会を見据えながら,今回は「障害のある人もない人も」という切り口なのかなというふうに私は理解していて,今御発言いただいた思いはとても大事だとは思うんですけれども,その内容も含めると,枠組みが広がってしまうかなと思うので,今の御発言は,御意見として共有させていただければと思います。 ○加藤 加藤です。てんかん協会なんですけれども,私も昔から全然見えない障害なんですよ。今の話と同じように。ところが,一方で,てんかんの場合,どうしても病名が先に行ってしまって,病名だけで差別や偏見を受けてしまうこともあります。 あと,私も薬を飲んで,色々なことがありましたけれども,てんかんや精神障害は,薬そのものが副作用でその人の本質を変えてしまっている場合もあります。すると,副作用のせいなのに,人格が完全に否定されたような感じになってしまいます。 また,数が少ないことで余計に多く差別を受けることもあったかなと思っています。 ○小山 小山です。   盲ろう者は,見えない,聞こえない,その両方の障害を併せ持ち,そのために,まず移動という部分で大きな障害を抱えます。それから,コミュニケーションも一人一人異なります。そして,自分で情報を送受信することもなかなか難しいです。そういった複合的な障害を抱えておりますが,見た目では判別ができません。そういった中で,例えば私たち盲ろう者のほうから情報の受け取り方も含めて配慮をお願いしても,なかなか対応していただけません。または,「自力でできないのであれば,ちょっと私どもも対応ができませんのでご遠慮いただきたい」とか,そういった対応もございました。話を聞いていただく前に却下される,拒否されるということも実際にありました。   また,私自身に関しては,本来必要である視覚障害者向けの情報保障も宮城県の通訳介助員の派遣事業も,自宅まで支援,サービスが繋がっていないという現状の中で,色々な方々の支援も受けながら,また,理解も得ながら,何とか会議に出てきましたが,普段は自分の出たい時に出られません。周りの状況を見ながら外出しなければならないという状況もあり,多くの支援を必要としております。 盲ろうの障害については,その名前すらまだまだ知られていない状況にあります。盲ろう者が動きやすい社会は,皆さんも全般的に動きやすい社会に繋がると思いますので,差別解消条例の制定に当たって,御理解とご協力をお願いいたします。 ○及川(篤) 及川です。   僕自身,当事者として色々な視覚障害者の方,回らせていただいています。僕は1級の視覚障害なので,すぐに障害者手帳を取ったんですが,弱視ぐらいの方で,まだ結構見えているけれども手帳の等級だと5級,6級に当たるような人たちは手帳を取らないです。むしろ,自分で自分に障害者というレッテルを貼ってしまうようなことになることと,あと,正直に言って,5級,6級辺りだと,あまり手帳を持っているメリットがないので,取らない方がすごくいます。手帳所持者の方4,000名にアンケートを取ったということですが,県内11万人くらい手帳所持者がいて,4,000名というと,多分統計的な確率から言えばそれなりに正確なデータは取れていると思うんですが,その4,000名に漏れている方たちが相当いると思うんです。意見が反映されていない,そういった方たちも社会の中で色々な差別や不利益を被っていると思うんですね。今後,アンケートをする上では,そういった方たちの意見も拾っていくということをやっていただきたいなと思います。 ○座長 座長の阿部です。   ありがとうございました。今後のアンケートの取り方,いわゆる手帳を持っていない方々をどう網羅していくかというそういう話に繋がるかなと思うんですが,なかなか難しいかもしれません。事務局から一言コメントがあればお願いします。 ○事務局 障害福祉課の山田です。   先ほどアンケートの件で,一度ご回答をさせていただいたところですけれども,手帳を所持されていない方をどのように把握したらいいのかという部分は,結構難しいのかなと正直思っております。何らかの形で把握が可能であれば,アンケートの対象者としてカウントしていきたいと考えております。 ○及川(篤) なかなか難しいと思いながら聞いていました。 ○座長 手帳を持っていない方々にどうやってアクセスしていくかというのは,なかなか難しい問題ですよね。 ○及川(篤) そうなんです。障害者だということを公にしたくない人たちなので,そこを後押しするのはすごく難しいと思います。 ○座長 そうですね。ですから,手帳を持たないというか,自分の意思で持たないという場合のアクセスというのはとても難しいかなと思いますが,検討課題として残させていただければと思っています。 ○笠原 笠原です。   ちょっと議題の先取りになっちゃうかもしれないんですけれども,事務局のほうに確認になりますかね。このアンケート結果,事例集を見ていますと,例えば多くは障害に対する無理解と,あとは,自分がやっていることの認識ができていないというのが多いような気がします。条例にしちゃうと,定義などで抽象的になってしまいます。骨子(案)では,差別の定義は規定しないでガイドラインの策定検討とあるんですけれども,このガイドラインの中で,例えば,今回の事例集から見られる顕著な事例,差別に当たるような事例を取り上げて,自分がやっていることが差別に当たっているんだということを認識してもらうためにどういう方策を取ればいいのかということを考えたいなと思っているんですけれども,ガイドラインがその一つの例になるのかどうか,今の時点で考えがあればお聞かせいただきたいと思いました。 ○座長 座長の阿部です。   ありがとうございました。条例とガイドラインの関係性についてかと思います。いかがでしょうか。 ○事務局 障害福祉課長の小松でございます。   差別のアンケートをみますと,たくさんの事項があって,それらの全てを条例上に全て落とし込むとなると,大分膨大なものになるのではないかと考えているところでございます。それから,条例という形で条文化をすると,新たに差別の事例が出てきたときに,臨機応変に条文を直すというのは,法律ほどではないかと思うんですが,かなり時間とか手間がかかります。また,条例ができ上がりましても,条文を読んでいただけるというのは,一般の方にはあまり馴染みがないと思いますので,骨子(案)の段階では,差別の事例を条文上で一つ一つ定義するのではなくて,パンフレット,あるいはガイドラインを条例の制定に合わせて作成して,このような条例ができたということを広く県民の皆さんに広報なり周知をしていくほうが,条文を見ていただくよりも理解が進むのではないかということで,このような整理をさせていただいておりました。   条例を作って終わりではなくて,その条例をいかに皆さんにお知らせするか,知っていただけるのかというところで,このような考えを持って,ガイドラインの作成を検討しております。 ○笠原 笠原です。   すると,ガイドラインは,条例の広報的な位置付けになるんですかね。この差別事例をガイドラインとして挙げるというようなイメージでいたんですけれども,そうではないというような現時点での考え方ですか。 ○事務局 ちょっと表現の仕方が悪かったかもしれません。差別の事例については,ガイドラインで具体的に書こうという考えでございます。 ○及川(智) ガイドラインの話になってしまったので,ここで発言したいと思います。   県の骨子(案)において,定義は規定しないと書いてあるんですけれども,私は断固反対です。もう何度も言っているように,これまで色々と県と話をしていく中で,度々お話をしたんですけれども,条例の本文に定義を書かないと,条例としての意味をなしません。なので,これは絶対に書くべきものです。 ○座長 座長の阿部です。   ありがとうございました。今の御発言,御意見は,議題の(1)のほうに入っている話かなと思いますので,今の及川構成員の御発言は,この次の議題で議論させていただければと思います。   本当に色々な貴重な御意見を頂戴しました。ありがとうございます。アンケートの結果,項目はたくさんあるんですけれども,それ以外に皆様方から頂戴した貴重な御意見等も踏まえて,今後の条例の議論に生かしていきたいなと思っております。   では,ここで休憩に入らせていただきますので,どうぞよろしくお願いいたします。3時 50分から再開させていただきます。お疲れ様です。      〔休 憩〕 ○座長 座長の阿部です。   それでは,時間になりましたので,検討会を再開させていただきます。   はじめにですけれども,先ほど,及川構成員のほうから,条例に差別の定義を入れるべきではないかという御発言がございました。この御発言については,次の議題で議論させていただくと申し上げましたが,定義の具体的な内容については,次回,第2回会議の中心議題になっております。今回は,条例の構成等の議論ということになりますので,大変申し訳ないですけれども,今回は御意見として受け止めさせていただいて,具体的な検討は次回にさせていただければと思います。   3.議題   (1)条例の構成について ○座長 それでは,次第にありますが,今までは報告事項ということでした。   次の議題は,「条例の構成について」と「条例の目的と基本理念について」の2つとなっております。皆様方には,可能な限り多くの御意見を頂戴したいと思っております。先ほどどおりですけれども,円滑な議事進行に協力いただきますようよろしくお願いいたします。   それでは,事務局から,議題の(1)の「条例の構成について」,説明をお願いいたします。 ○事務局 日野原です。   議題(1)「条例の構成について」,事務局から御説明させていただきます。   それでは,お手元の資料6−1,6−2と参考資料を御覧ください。   条例の骨子(案)では,条例の構成としては,条例の目的や理念等を規定する部分,障害を理由とする差別の解消に関する部分,情報保障に関する部分の大まかに3つの部分で構成することとしております。   また,それぞれの構成部分には,以下のような内容を盛り込むこととしております。   1つ目の条例の目的や理念等を規定する部分には,目的や基本理念のほか,定義規定や県の責務,市町村等との連携及び県民の役割等の内容などを盛り込んでおります。   2つ目の障害を理由とする差別の解消に関する部分につきましては,差別の禁止や合理的配慮の提供義務のほか,差別についての相談体制の整備や個別の事案を解決するための助言・あっせんを行う調整委員会の設置などの内容を盛り込んでおります。   3つ目の情報保障に関する部分には,障害のある人に配慮した情報発信や多様な意思疎通手段の普及,意思疎通支援者の養成などの内容を盛り込んでおります。   資料6−2を御覧ください。   参考として,東北で障害者差別解消に関する条例を制定している岩手,山形,福島の各県と,東京都,徳島県及び仙台市の条例の構成について,表にまとめております。   情報保障に関しては,東北各県及び仙台市の条例では,規定している内容,条文の数そのものはそれほど多くない傾向にあります。しかし,本県では,差別解消と情報保障による心のバリアフリーを通じ,共生社会の実現に取り組むことをこの条例の軸にしたいと考えておりますので,情報保障について,東京都や徳島県の条例と同様に,きめ細かい規定を置きたいと考えております。   これらの大まかな構成について,皆様から御意見をいただきたいと考えております。どうぞよろしくお願いいたします。私からの説明は以上です。 ○座長 座長の阿部です。   ありがとうございました。ただ今,事務局から,資料6−1あるいは6−2,あるいは参考資料に基づき御説明がありました。   基本的に,ここで議論いただくのは条例の構成ということで,3つの分野からなっているということでした。御意見がございましたら,先ほどと同じように挙手をもってお願いいたします。 ○及川(智) 議題に関しては,私のほうから簡単なペーパーを用意しましたので,お配りしていただきたいと思います。      〔資料配付〕 ○及川(智) 構成についてというか,この会議で議論すべきと思われる事項について記載しました。県が提示している骨子(案)にないものもありまして,宮城県において条例を制定するときには,こういう項目も含めて規定すべきだという思いもあります。   大きく分けて3つです。まずは,災害時の対応について。御承知のように8年前に東日本大震災を経験しました。当時,避難生活ですとか,仮設住宅,復興住宅において,非常に厳しい状況に障害者は置かれました。仙台市の震災時の死亡率に象徴されるように,障害者が健常者に比べて大変な状況に置かれたということも踏まえて,この条例において,災害時の対応について規定するべきだと思います。   そして,もう1つは,相談・紛争解決の仕組みについてで,ハラスメントについても条例に記載すべきだと思います。先ほどの事例にも多くあったように,事例には,不快な対応や嫌がらせといった項目も結構多くあります。差別解消法の中では,あまりそこは触れられにくい部分なんですけれども,現実的には,やはりそこが障害のある者にとって一番気になる,解決したい部分だと思います。また,合理的配慮に関する部分では,明石市の条例で具体的なコミュニケーション方法の促進や,合理的配慮を提供する事業者が必要な物品の購入に対し,広く助成金が出て,合理的配慮を行っているという事例があるので,そこも踏まえて宮城県においてもこういうことを入れたいという意見です。 ○座長 座長の阿部です。   及川構成員さん,ありがとうございました。今,別紙の資料の1番の条例の構成について御意見がございました。構成について,下記の項目云々ということで,特にこの中で御意見いただいたのが,災害時の対応,あるいは相談・紛争解決の仕組みづくり,あとは財政的な措置等の御意見があったわけですけれども,どうなんでしょうか。基本的に,今3つの構成が提示されているわけですが,3つの構成の中で,今,及川構成員さんがお話しになった内容を入れ込むという形でよろしいのか,あるいは構成そのものを変える必要があるかというそういう御意見なのでしょうか。 ○及川(智) 構成については,このままでいいと思うんですけれども,入れ込む内容としての提案でした。 ○座長 ありがとうございます。座長の阿部です。   構成については3部構成,それは了解されて,その中で今お話しいただいた部分については,特に入れ込む必要があるのではないかということですね。ここでは構成の話,議論に留めたいとは思いますが,災害時の対応については,いただいている骨子(案)の中には入っていませんので,例えばこれを2番の障害を理由とする差別の解消に関することの中に盛り込むとか,そういうような検討というか,そういう要望と受け止めさせていただきます。あとは財政に関してですけれども,それは財政上の措置というのが1番目の項目にございますし,合理的配慮に関する相談・紛争解決の仕組みに関しては,相談体制であったり,助言・あっせんとか,そういった項目に入る内容かなと思います。及川構成員さんの思いをこの中に盛り込むような,そういう感じになろうかなと思うんですが,いかがでしょうか。今の御意見に関しまして,皆様の中から何かございますか。では,木村構成員さんのほうから。 ○木村(綾) 木村綾子です。   今の及川さんからいただいた条例の構成について,どれも大切なものだと思います。私から,さらに追加というか,これも検討していただきたいという要望があります。障害疾患に対する理解の促進というのを盛り込んでいただきたいのです。差別の未然防止について,啓発事業とありますが,これをもう少し強調していただきたいという要望です。といいますのも,例えば精神疾患もそうですが,障害疾患というものは誰でもかかり得る身近なものです。自分にも直接関わりがあるという理解が,現状大いに不足していると感じます。なので,そういう理解周知といったものを促進していけたらと考えております。 ○座長 座長の阿部です。   ありがとうございました。理解の促進とか,あるいは情報の提供とか,そういう関係性,これは県の責務にも入ってくるかもしれませんし,あるいはこの項目で言うと,県民の役割の中にも入っていくんだろうなと思うんですね。そういう思いも含めて盛り込めればなと思っております。   では,小山構成員さん,お願いします。 ○小山 小山です。   移動に困難,バリアを感じる立場の盲ろう者,視覚障害者として意見を出させていただきます。先ほど及川構成員より,災害時の対応についてお話がありました。私も震災で被災しており,避難所生活も経験しております。その中で,まず移動,自分で動くという部分で大きな困難を抱え,また,目の前の情報も分からない。情報取得のところでも大きな困難を抱えました。その中で約2カ月半ほど避難所生活をしました。盲ろう者は情報も自分で得られません。コミュニケーションもとれません。そして,避難も自力ではできません。そういう状況に置かれることも想定されます。ですので,災害時の部分に関しては,条例の構成の中,あるいは条例の中に移動に関する文言も盛り込めないか,御提案です。 ○座長 座長の阿部です。   御意見,ありがとうございました。災害時も含めてですけれども,移動に関しての問題点の御指摘がございました。これを条例の中にどういうふうに盛り込むか,あるいは盛り込めるかということにはなろうかと思うんですけれども,何かこれに付随した形で御意見,御質問ありますか。はい,では細川構成員さん。 ○細川 細川と申します。   先ほど及川さんが作成していただいた,策定に当たっては,大変わかりやすくてよいと思いました。それで条例の構成についてですが,議題1の2番に,助言・あっせんを行うという調整委員会の設置等の内容を盛り込むとあるのですが,この調整委員会について,詳しいことをお聞きしたいと思います。 ○座長 座長の阿部です。   ありがとうございました。今の御質問は,調整委員会の中身というか,何をやるかという御質問でした。また,その前に,先ほど小山構成員さんから,移動についてというお話がありましたが,これを条例の中にどう盛り込むかと,条例の中でどこまで個別事例的な内容を含めるのかというのが,ちょっと私もわからないところがありますので,そういう不具合も含めて対応できるような,そういう条例を作っていければなと思っています。   個別具体的なものを入れると,かえって身動きがとれなくなります。条例で縛ることになりますので,そうじゃなくて,少し弾力的な運用ができればなと,それが条例なのではないかなと個人的な感想を持っておりますので,その辺で対応させていただければと思います。こういう生活のしづらさとか,こういう困難を受けた,思ったということを踏まえて,それを軽減できるような,そういう問題に対応できるような条例づくりができればいいかなというふうに思っております。   もう1つ,今,御質問があった調整委員会についてということになるわけですが,これは事務局のほうでいかがでしょうか。 ○事務局 事務局の日野原がお答えいたします。   まず,相談体制や助言あっせんに関する部分の詳細につきましては,第4回の議題の中で,皆様でお話し合いをしていただきたいと思っております。条例の骨子(案)の説明ですが,相談体制につきましては,県が障害者権利擁護センターに相談業務を委託し,センター職員には守秘義務を課すことで,相談体制づくりをしたいと考えております。その上で,相談をしても,差別が解消されない,問題解決に向かわないという場合につきまして,それを解消するというか,解決するための手段として,助言あっせんの制度を設けたいと考えております。相談をしても差別が解消されない,問題解決に向かわないという場合につきましては,県に対して助言あっせんの求めをしていただくような形をとりまして,助言あっせんの求めがあった場合には,この条例で規定する調整委員で構成する調整委員会が,助言あっせんを行います。正当な理由がないのにあっせんを拒否したり,委員会の要求を拒否した場合には,勧告を行い,正当な理由がないのにそれでもなお勧告を拒否し続けるというような場合については,意見聴取等を経てその実態について公表するといったことで,間接的にではありますけれども,差別の解消に向けて働きかけるといったような枠組みを現在は考えております。なお,調整委員会につきましては,委員を10名程度として,こちらの委員にも守秘義務を課したいと考えております。   細かい内容は,また第4回の議論の中で皆様にしていただきたいと思っておりますが,骨格として今思い描いているのは,大体この程度の内容となっております。私からの説明は以上となります。 ○座長 座長の阿部です。   ありがとうございました。よろしいでしょうか。   そのほか,よろしいでしょうか。今,構成についての御意見を頂戴していますが,基本的に「目的や理念」,「障害を理由とする差別の解消に関すること」,「情報保障に関すること」,この3つの構成でよろしいでしょうか。   あと,個別にいただきました御意見等に関しましては,この中で盛り込めればと,あるいはそういう工夫をしていければというような印象を持っております。   そうしますと,(1)についてはこれで締めさせていただいて結構でしょうか。はい,どうぞ。 ○小山 小山です。   盲ろう者として,全ての構成,3つの要素に全て関わる部分ではありますが,特に情報保障,意思疎通,この部分に関しては,盲ろう者は独自の障害として,その情報保障についても,意思疎通についても,大きく関わる部分ですので,今後,そこの部分をさらに深めていくときに,どうしても聴覚障害者とか,視覚障害者とか,そういった方々の理解から入られる場合もありますので,そのときに盲ろう者としてもそういう部分で大きな影響があるということを御理解いただいて,今後の議論を尽くしていただければと思います。どうぞよろしくお願いします。 ○座長 座長の阿部です。   ありがとうございました。色々皆様方から貴重な御意見あるいは要望等をお受けして,今後の具体的な条例の中身の作成に入れればと思っております。   まず,(1)に関してはどうもありがとうございました。   (2)条例の目的と基本理念について ○座長 では,次の議題に移らせていただきます。   次は,議題の(2)条例の目的と基本理念について,事務局から御説明をお願いいたします。 ○事務局 事務局の日野原です。   それでは,議題(2)条例の目的,基本理念について,御説明いたします。   お手元の資料7−1,7−2と参考資料を御覧ください。   条例の骨子(案)では,条例の目的として,障害の有無によって分け隔てられることなく,相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現を目指すこととしております。   また,共生社会の実現のための基本理念として,以下,@からDの内容を規定することとしております。   @としまして,県民は,障害の有無にかかわらず,等しく基本的人権を享有するかけがえのない個人として尊重されること。   A障害のある人は,社会を構成する一員として社会,経済,文化などのあらゆる分野の活動に参加する機会が確保されること。   Bといたしまして,障害のある人は,可能な限り,意思疎通のための手段についての選択の機会が確保されること。また,情報の取得または利用のための手段についての選択の機会の拡充が図られること。   Cといたしまして,障害のある人は,その性別,年齢等による複合的な原因により特に困難な状況に置かれる場合においては,その状況に応じた適切な配慮がなされること。   Dといたしましては,障害を理由とする差別の解消は,多様な人々により地域社会が構成されているという基本認識のもと,障害,障害のある人及び障害の社会モデルに関する理解を深めることを基本として推進すること。   資料7−2を御覧ください。   参考として,先ほど挙げました岩手,山形,福島,東京都,徳島県及び仙台市の条例における目的及び基本理念,あと法律の目的の部分を抜粋しております。   目的につきましては,表現の仕方に差はありますが,ほぼ本県の条例の骨子(案)と同様の対応を規定しております。   また,基本理念につきましては,本県の条例の骨子(案)でお示しした基本理念は,他県の条例における基本理念を概ね含んだ内容となっております。   これらのことについて,皆様から御意見をいただきたいと考えております。どうぞよろしくお願いいたします。私からの説明は以上です。 ○座長 座長の阿部です。   ありがとうございました。ただ今事務局から,資料7−1あるいは7−2も含めまして,条例の目的あるいは基本理念についての説明をいただきました。   それでは,皆様から御意見があれば頂戴したいと思います。いかがでしょうか。はい,細川構成員さん,お願いします。 ○細川 細川と申します。   私は,資料7−1のB,この中で,情報を取得するという手段,情報取得の手段という部分がありましたが,これだけではちょっと足りないのではないかと思います。それを含めてちょっと入れてほしいなと思うところがあります。言語という言葉,そしてそれには手話,点字,音訳も含めてほしいということです。例えば,岩手,山形,東京は,詳しくその辺が書いてあります。ですから,宮城県でもそのように載せていただきたいと思います。 ○座長 座長の阿部です。   ありがとうございました。ただいまの御意見,あるいは要望になるかもしれませんが,条例の理念のところでB番,そこに手話であったり,点字であったり,音声等,そういう文言も含めていただければということでした。要するにもう少し具体的にということになるかと思います。 ○木村(綾) 木村綾子です。   私自身が手話や音訳というものの理解が浅いのですが,当事者にとっては切実な問題ではないかという想像をします。具体的な特定の言葉を入れるというのは大切なことではないかと思いました。それと,私からの要望になるのですが,基本理念についてのDに,教育というとちょっと強い言い方になってしまうのですが,理解,教育というものに対する理念も入れていただきたいです。といいますのも,とにかく障害につきましては,教育の場,理解を深める場というのが極端に少ないと感じます。私自身が障害理解が充分でないというのもありますし,具体的にどういった事例があるのか,本人がどのようなことを困っていらっしゃるのかというのを知る機会がありません。自分も含めて,その無知というものが,差別や偏見,社会での障壁を生むのではと思っているからです。 ○座長 座長の阿部です。 ありがとうございました。今,2つの点があったと思うんですが,1つは,先ほどの言語,手話あるいは音訳を含むという文言を入れるべきであろうという御発言に関しては,賛同の御意見がありました。 もう1つは,D番,そこに教育という言葉も入れるべきではないかと。教育の重要性をここに入れるべきではないかと,そういう御提案がございました。皆様,いかがでしょうか。はい,小山さん,お願いします。 ○小山 小山です。   まず,細川構成員より御意見がありました情報取得のところですが,私も具体的に入れたほうがより分かりやすくなると思います。その中で,音訳という言葉がありましたが,音訳というのは,音声にプラスするということです。音訳と点訳という言葉がありますが,音声データというものがありますので,私は,音訳というよりは音声でよろしいのではないかと思います。点字,音声でよいと思います。   それから,木村さんの意見にも,賛同いたします。教育,研修,養成,色々な意味でそういった分野でも考えていく必要があると思います。 ○座長 座長の阿部です。   今の御意見も,言語ですね。言語として音訳あるいは音声,言葉のニュアンスが違うようですけれども,具体的に入れることに関しては賛同いただいたと。   もう1つが,教育というものを入れることには賛同いただいたと。皆様も同様な意見ということでよろしいでしょうか。はい,お願いします。 ○及川(篤) 及川です。   点訳とか音訳,音声というほかに,視覚障害者の立場から言わせていただくと,IT機器,パソコンとかiPhoneなどが大分普及していますので,例えば今日の資料も多分,ワード,エクセルで作っていると思いますが,デジタルデータでの提供というのが,僕ら視覚障害者でパソコンを使っている方たちに関しては相当有益なので,その具体的な提供の形として,デジタルデータという形も入れていただきたいなと思います。   あと,教育とか,啓蒙ということでしょうかね。そういう言葉も入れればいいのかなと感じます。 ○座長 座長の阿部です。   今,言語という言葉に関して,多くの種類が出てきたわけですけれども,例えば言語の説明として,括弧の中に,色々な方法を入れ込むとか,あるいは括れるかどうかわからないですけれども,「など」という表現で全てを網羅するとか,多様な方法があり得ることが分かるような表現にするほうがいいのかなと思います。とても細かく分けると,かえってこれが漏れている,あれが漏れているという可能性も出てきますので,今承った御意見を受け止めたうえで,表現を工夫させていただければと思います。   もう1つは教育ですが,教育は啓蒙活動の一つであるということを踏まえて,先ほどの骨子(案)にも啓蒙活動といった内容も含んでおりますので,教育などといった文言もこの中のどこかに入れ込めればいいのかなと思います。   それでは,今,条例の目的あるいは基本理念について,色々な方々から御意見頂戴しましたが,他にいかがでしょうか。 ○及川(智) 及川智です。   目的について,もう少し明確にしていただきたいと思います。一つ大きいのは,この条例では,障害による差別の解消あるいは禁止を目的にすることを明確に示していただきたいということです。資料の7−1では,それが読み取れないので,追加してくださいということです。 ○座長 座長の阿部です。   御意見として,条例の目的の中に,障害による差別の解消あるいは禁止を追加すべきではないかということの御意見でした。 ○笠原 笠原です。   及川さんの提案については,私も賛成です。骨子(案)の2の障害を理由とする差別の解消に関することで,不当な差別的取り扱いの禁止をうたっているので,基本理念として,差別禁止は入れるべきだと考えております。   一例とすると,仙台市の条例で,資料7−2の後ろから2ページ目ですね。仙台市の条例でも,基本理念3条の2号のところで,「何人も,不当な差別的取扱いにより障害者の権利利益を侵害してはならないこと」と端的に示していますので,そのままじゃないにしても,同じような理念は入れるべきだと思います。   追加でなんですけれども,先ほど及川さんから配付いただいた構成について,災害時の対応という項があり,その他の項目は後のほうの議論になってくるかとは思いますが,その中で災害時の対応について情報を入れるのであれば,理念のところでも災害時の対応についての条項を入れておいたほうがいいのかなと思いました。参考資料の仙台市,3条の6号のところで,「災害時において障害がある者の安全を確保するため,地域における災害時の支援体制の整備及び災害発生時における適切な支援活動が求められること」と入っているので,災害時対応についての条項を入れるかどうかの議論にリンクしますので,ちょっと頭に留めておいたほうがいいかと思いました。以上です。 ○座長 座長の阿部です。   先ほど及川構成員からは,目的の中に入れるべきだというお話がありましたが,目的ではなく,基本的理念のほうで,例えば先ほど仙台市の例がありましたけれども,「何人も」という文言を入れ込むと,及川構成員からお話しいただいた部分に関しても,網羅するのではないかということ。もう1つ,災害時について後の項目に連動させるのであれば,理念のほうにも入れたほうがいいのではないかとの御意見でした。及川構成員,どうでしょうか。目的に入れるのではなくて,内容的には基本理念のほうで対応するということで。 ○及川(智) 両方でもいいと思うし,この条例が何を目的にするということを書く場所だと思うので,それはやはりはっきり書くのが私はいいと思います。差別をなくしていく,禁止していくということをうたったほうがはっきりするんじゃないかと思います。 ○座長 座長の阿部です。   目的に関して,もう少し具体的に書いたほうがいいのではないかとの御意見ですけれども,皆さんはいかがでしょうか。 ○木村(綾) 木村綾子です。   私も及川さんの意見に賛成で,この条例は何のためにつくるのかということを見失わないようにするために,目的を明確化するということは大切だと思います。   それと,議題から外れてしまうのですけれども,県の条例というものを,私を含め一般県民は,普段あまり意識をすることなく生活をしております。その条例が,県民の生活にどこまで入り込んでいけるのか。人は自分に直接関係がないと,それに関心を持たないと思いますので,折角つくった条例を,その管理運営,そして県民への浸透をどのようにするのかをむしろ考えていくべきかなと思いました。 ○座長 座長の阿部です。   この条例の持つ意味ですとか,それが我々の県民生活の中でどう位置付けていくかとか,非常に重要な御発言をいただいたと思います。   もう1つが,先ほどの目的に関してですけれども,例えば,障害のある人に対する理解とか,あるいは理解促進とか,そういう文言もほかの県で見受けられますので,そういう言葉などを繋いで,もう少し明確にすることが必要だとの御発言だと思いますが,皆様いかがでしょうか。 ○事務局 補足説明をさせていただいてもよろしいでしょうか。   実際に条例の目的規定を定める場合には,他県の条例などを見ると,及川さんからお話があったように,例えば障害に対する理解を深めるとか,差別の禁止とか,色々な頭書きをつけて,最終的にその目的というような形で条例を書いていきますので,本県でもやはり同様の形で,条文に落とし込むときには,もう少し頭書きが付いた形で文言のほうは定義したいと考えております。   あと,条例の目的と基本理念について簡単な説明ですけれども,あくまで目的というのは,その条例が最終的に目指す究極の目標を書くというような形になります。通常法令では,基本理念というのは,その目的とか目標がなぜ出てきたのかと,その後ろにある,背後にある思想だとか考え方,そういったものを規定していくというような形になります。今回案として出させていただいているのは,最終的な目標,目的というのは何だと言えば,それは当然,共生する社会の実現だと思います。基本理念は,なぜ共生する社会をつくるんだというその背後にある思想ですよね。それは,障害のある人に対する理解を深めることだとか,差別を禁止することだとか,地域社会の一員でそこに参加しながら生活する機会を実現していくことだとか,こういった考え方がその背後にある思想なので,そういったものを基本理念という形で整理させていただいております。   目的を書くときにもある程度基本理念を踏まえた上で,条文に落とし込んでいきたいと考えていますが,まず最終目標が目的,その背後にあるそういう目的が出てきた考え方というところが理念,というすみ分けはさせていただきたいと思います。 ○座長 座長の阿部です。   補足説明ございましたけれども,条例の目的については,色々な御意見も含めて条文に落とし込んでいくということになりますので,御理解いただければなと思います。 ○及川(智) 今の事務局からの説明について,意見を言います。   1つは,もちろん共生社会の実現というのは,目指すべきことなんですけれども,普段,差別があって,社会的障壁があって,それが実現されていないという状況があります。その状況を改善するための一つのツールとする条例ができて,条約とか,法律とかがあるという理解をしているんです。この検討会も,そういう思いで参加していますので,もちろん共生というところは目指すべき一つのテーマだと思うんですけれども,今現実的に共生社会という言葉が溢れていて,共生というと,何をもって共生というのかという議論も必要になってくると思います。 ○座長 座長の阿部です。   本来であれば,何をもって共生なんだという非常に大きなテーマであるんでしょうけれども,そこまでの議論はここではできないような気がしますので,一人一人色々考える課題だと思っております。   目的,基本理念のお話をずっと続けているんですけれども,他に何か御意見,よろしいでしょうか。 ○神田 神田と申します。   もちろん個別の条文に落とし込むという形ではしているとは思うんですけれども,例えばB,Cで,「障害のある人は,何々されること」とあるのは,何でこうならなければならないのかというような文言を入れることはできないかなと思いました。例えば,「障害のある人は,社会的障壁があるという認識のもと」というような形ではいけないかなということが一つと,もう一つが,Aに「障害のある人は,社会を構成する一員として」というのは,もちろん社会を構成はしているのですけれども,その前に一個人ということもありますので,例えば「個々人の望む生き方が保障されている中,社会を構成する一員として」,つまり私生活の尊重という文言が入れられないかということです。   そして,Bに「可能な限り」とありますけれども,これをもうちょっと「最大限」とか,そのあたりの言葉でいけないかということも思いましたし,あとはCの「その性別,年齢において」という形で,仙台市さんのほうでは,年齢をどちらかというと児童のほうに重きを置いておられるようですけれども,もっと高齢という形で認識はできないのか,高齢によって色々な体力の衰えなどがあります。そういった認識の方向で条文を組めないのかということもありました。   そして,Dにおいて,「多様な人々により共生社会」とありますけれども,ダイバーシティの実現ということだと思いますが,そのダイバーシティを実現することによって,障害のない人もある人も生きやすい社会になっていきます。そのような条文を工夫することはできないでしょうか。 ○座長 座長の阿部です。   多様な御意見を頂戴したんですけれども,ここは基本理念として,具体的なところはその下の条文等で,御意見を踏まえさせていただくことになるかと思います。 ○小山 小山です。   先ほど神田さんの御意見にもありましたが,私もBの部分で,「可能な限り」という文言が大変気になっておりました。行政が私も含めて色々な団体等と関わるようになってきて,ちょっと対応ができなくても「可能な限り」ということになってしまいますので,この「可能な限り」を障害者が困っているとき,社会全体にもう少し強く努力させるような文言,「最大限」など,ちょっと変えてほしいなという希望があります。 ○座長 座長の阿部です。   理念のBの「可能な限り」という文言,これをもうちょっと工夫できないかとの要望です。これも検討会の一つの意見として,事務局のほうでも検討いただければなと思っております。   あと,今後の議論として,先ほどの災害時への対応,これをどう具体的に入れ込むかによって,ひょっとしたら理念のところで災害時に関する文言が入る可能性もあるということも,留保かもしれませんが,それ含めて大変貴重な御意見をたくさんいただきましたので,ある程度の合意が得られたかなと思います。   色々な御意見等ございまして,私がここで一つ一つまとめるということはしませんけれども,どうぞこの意見を踏まえて,当事者の方々含めて協働で,よりよい条例ができればと思っております。 それでは,これで議事に関しては終了させていただきます。進行は事務局のほうにお返しします。円滑な議事進行,誠にありがとうございました。   4.閉 会 ○司会 それでは,以上をもちまして,第1回障害のある人もない人も共生する社会づくり条例(仮称)検討会を終了させていただきます。   次回につきましては,9月5日を開催予定としてございます。改めて正式な御案内通知をお送りしたいと思いますけれども,あらかじめご予定のほどよろしくお願いいたします。 本日はありがとうございました。 (議事要旨終わり)