資料3−2 法律や他県の条例における定義規定について 1 法律・条例の定義規定の具体例 法律等 障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律(障害者差別解消法) (定義) 第2条 この法律において,次の各号に掲げる用語の意義は,それぞれ当該各号に定めるところによる。 一 障害者 身体障害,知的障害,精神障害(発達障害を含む。)その他の心身の機能の障害(以下「障害」と総称する。)がある者であって,障害及び社会的障壁により継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける状態にあるものをいう。 二 社会的障壁 障害がある者にとって日常生活又は社会生活を営む上で障壁となるような社会における事物,制度,慣行,観念その他一切のものをいう。 三 行政機関等 (略) 四 国の行政機関 (略) 五 独立行政法人等 (略) 六 地方独立行政法人 (略) 七 事業者 商業その他の事業を行う者(国,独立行政法人等,地方公共団体及び地方独立行政法人を除く。)をいう。 ユニバーサルデザイン2020行動計画(抜粋) 「障害」は個人の心身機能の障害と社会的障壁の相互作用によって創り出されているものであり,社会的障壁を取り除くのは社会の責務である,という「障害の社会モデル」をすべての人が理解し,それを自らの意識に反映させ,具体的な行動を変えていくことで,社会全体の人々の心の在り方を変えていくことが重要である 他県の条例(例) 東京都障害者への理解促進及び差別解消の推進に関する条例 (定義) 第2条 この条例において次の各号に掲げる用語の意義は,それぞれ当該各号に定めるところによる。 一 障害者 身体障害,知的障害,発達障害を含む精神障害,難病その他の心身の機能の障害(以下「障害」と総称する。)がある者であって,障害及び社会的障壁により継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける状態にあるものをいう。 二 事業者 法第2条第7号に規定する事業者のうち,都の区域内において商業その他の事業を行う者をいう。 三 社会的障壁 法第2条第2号に規定する,障害がある者にとって日常生活又は社会生活を営む上で障壁となるような社会における事物,制度,慣行,観念その他一切のものをいう。 四 共生社会 障害の有無によって分け隔てられることなく,相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会をいう。 五 障害の社会モデル 障害者が日常生活又は社会生活において受ける制限は,障害のみに起因するものではなく,社会的障壁と相対することによって生ずるものとする考え方をいう。 2 他県条例の定義規定の内容 (1)他県条例の定義規定 他県の条例の定義規定としては,@ 障害のある人(障害者,障がい者等),A 社会的障壁について定義規定を設けている例が多い。 また,B 障害(障がい)を理由とする差別,C 合理的配慮について定義規定を設けている例もある。 @ 障害のある人(障害者,障がい者等) 28都府県 山形県,福島県,茨城県,栃木県,群馬県,埼玉県,東京都,富山県,福井県,山梨県,岐阜県,静岡県,愛知県,三重県,京都府,奈良県,鳥取県,徳島県,香川県,愛媛県,福岡県,佐賀県,長崎県,熊本県,大分県,宮崎県,鹿児島県,沖縄県 A 社会的障壁 26都府県 山形県,福島県,茨城県,栃木県,群馬県,埼玉県,東京都,富山県,福井県,山梨県,岐阜県,静岡県,三重県,京都府,奈良県,徳島県,香川県,愛媛県,福岡県,佐賀県,長崎県,熊本県,大分県,宮崎県,鹿児島県,沖縄県 B 障害(障がい)を理由とする差別 13県 山形県,福島県,茨城県,千葉県,富山県,静岡県,愛媛県,福岡県,佐賀県,長崎県,大分県,宮崎県,鹿児島県 C 合理的配慮 10県 山形県,福島県,茨城県,群馬県,福井県,静岡県,三重県,福岡県,長崎県,大分県 (2)他県条例の定義規定の具体例 @ 障害のある人(障害者,障がい者等) A 社会的障壁 東京都の条例を参照 B 障害(障がい)を理由とする差別 ※山形県 障がいを理由として障がい者でない者と不当な差別的取扱いをすること又は社会的障壁の除去の実施について合理的な配慮をしないことをいう。 補足説明 他県の条例をみると,山形県のように,障害を理由とする不当な差別的取扱い(不利益な取扱い)をすることと,合理的な配慮をしないことを,「差別」と定義している例が多い。 C 合理的配慮 ※福島県 障がいのある人(障がいのある人がその意思の表明を行うことが困難である場合にあってはその家族等)の求めに応じて障がいのある人が障がいのない人と実質的に同等の日常生活又は社会生活を営むために必要かつ適切な措置を行うことをいう。ただし,社会通念上その実施に伴う負担が過重になるものを除く。 (3)障害(障がい)を理由とする差別や合理的配慮について,定義規定を置いていない他県の条例について このような県では,差別の禁止や合理的配慮の提供について規定した条文の中で,その内容を詳しく書いている例が一般的である。    他県の条例(例)※徳島県 (差別等の禁止) 第8条 全ての県民は,障がいのある人に対して,障がいを理由として差別することその他の権利利益を侵害する行為(以下「差別等」という。)をしてはならない。 (社会的障壁の除去のための合理的な配慮) 第9条 社会的障壁の除去は,それを必要としている障がいのある人が現に存し,かつ,その実施に伴う負担が過重でないときは,それを怠ることによって障がいのある人の権利利益を侵害することとならないよう,当該障がいのある人の性別,年齢及び障がいの状態に応じて,その実施について必要かつ合理的な配慮がされなければならない。 (資料3−2終わり)