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宮城県古川農業試験場は、大正10年(1921年)に宮城県農事試験場の分場として志田郡古川町に開設されて以来、100周年を迎えることとなりました。
この間、「ササニシキ」や「ひとめぼれ」、近年では「だて正夢」「金のいぶき」など48品種を育成したほか、水稲、麦類、大豆の生産性向上や低コスト化・省力化を図る研究,東日本大震災からの復興を支援する技術開発など、本県農業の発展に向けた様々な試験研究に取り組んでまいりました。
近年、急速な人口減少社会の中で、農業においても担い手の減少や高齢化、集落機能の低下などが大きな問題となっています。また、食の多様化や米離れなど、主食用米の消費量の減少も加速化しており、更には新型コロナウィルス感染症の拡大に伴う消費構造の変化、全国で育成された新たなブランド米を始めとする産地間競争の激化など、食と農を取り巻く環境はこれまでになく厳しい状況にあります。
一方、国においては、農林水産業や地域の将来も見据えた持続可能な食料システムを構築するため、「みどりの食料システム戦略」を策定し、生産力向上と持続性の両立をイノベーションなどにより実現していく取組方向を示しました。
このような中、農業者所得の向上を図り、本県農業を持続的に発展させていくためには、多様化,高度化する時代のニーズにしっかりと応える品種育成や、気象変動など将来の変化にも対応できる安定生産技術の開発、省力化や生産性向上を図るためのICTを活用したアグリテックの推進、環境負荷軽減に向けた技術開発などを強力に推進していく必要があります。
これら技術の開発と普及・拡大を図ることにより、第3期食と農の県民条例基本計画に掲げる将来像「豊かな食」「儲ける農業」「活力ある農村」の実現に寄与していくことが、本県試験研究機関としての使命であると考えます。
当場で開発した技術が、一つでも多く農業者の皆様に活用され、生産現場の課題解決が図られるよう、職員一丸となって努力してまいりますので、農業者の皆様、関係者の皆様の御支援・御協力をよろしくお願い申し上げます。
古川農業試験場 場長 齋藤 康彦
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