平成24年度第1回「“みやぎの復興現場”訪問事業」(気仙沼・本吉広域圏)の概要
(1)南三陸復興ダコの会(南三陸町入谷字中の町)
震災後,町の有志が,町が活気づくためには生き生きと働ける環境が必要との立場から設立。廃校となった入谷中学校を活用した「入谷yes工房」で,復興イメージキャラクター「オクトパス君」のグッズ製作・販売を軸とした活動を行っている

高橋代表,村井マネージャーに御説明いただきました
主な内容
- 工房全体で25名を雇用しているほか,仮設住宅の方にも作業をお願いしている。
- 1年間で3万個を販売し,売上げの一部は宮城県のほか被災地に寄付をさせていただいた。
知事のコメント
- 働く人数が増加していること,また,全国と取引するなど,自力での再生を目指していることはすばらしいことであると思います。
- しっかりとした経営をされていると感じました。
(2)気仙沼市立本吉病院(気仙沼市本吉町津谷明戸222-2)
津波により病院施設1階が浸水被害を受けたほか,医療機器にも多数の被害があったが,全国の医療支援チームの医師等により病院2階で診察を継続。平成23年10月に川島実院長が着任し,平成24年4月には宮城県ドクターバンク事業により医師が派遣され,現在は常勤医師2名と支援医師による外来診療・訪問診療を行っている。

川島院長に御説明いただきました。
主な内容
- 入院再開に向けて看護士の不足が懸念され,また,最低5名の医師を確保したい。
- 病院は高台に移転させたいというのが,医師・職員一同の総意。
- 現在取り組んでいる在宅診療が地域に理解されてきているという実感がある。
知事のコメント
- 医療や保健は非常に大事な分野であると考えています。
- 今後の対応については,気仙沼市とも協議しながら検討していきたいと思います。
(3)気仙沼水産加工業協同組合(気仙沼市松崎前浜36-1)
組合員の事業復旧のため,独立行政法人中小基盤整備機構の事業を活用し,仮設工場を整備したほか,宮城県水産業共同利用施設復旧事業などにより,共同利用のための排水処理施設・仮設冷蔵庫を整備,仮設工場には組合員9者が入居し,7月末現在で既に5者が事業を再開している。

清水代表理事組合長に御説明いただきました。
主な内容
- 生産量は震災前の半分程度まで回復したが,風評被害によるものか,作ってもなかなか売れない状況がある。
知事のコメント
- 作業をしている皆さんは,苦しい状況にあっても一生懸命働いていらっしゃる。
- 販路の拡大などの課題を引き続き一つ一つ解決していきたいと思います。
(4)五右衛門ヶ原運動場住宅(気仙沼市下八瀬435-3)
五右衛門ヶ原運動場エリアには,3つの仮設住宅団地が設置されており,気仙沼保健福祉事務所管内で最大の仮設住宅団地を形成。このうち運動場住宅自治会は165世帯,421人(平成24年7月24日現在)で構成されている。
また,隣接の野球場住宅集会所内にある気仙沼地区サポートセンターでは,65団地,約2,350戸の支援を行っている。

長井自治会長,熊谷サポートセンター長のほか支援団体の皆さまに御説明いただきました。
主な内容
- 当初は自治会組織がなく,ボランティアの支援も受けられない状態だった。孤独死,自殺者を出すのだけは絶対に避けたいと思い活動してきた。
- サポートセンターでは,3チーム9名で総合相談等を実施しているが,内容がハード面からソフト面に変わってきている。
- スマートコミュニティ(※1),スマートライフケア(※2)の実践としてフレームワークづくりから取り組んでいる。
知事のコメント
- 自治会として入居されている皆さまの声を聞きながら活動していただいていることに感謝いたします。
- 自治会組織率が高いというのは,気仙沼の良いところだと思います。
- 相談できる体制をきちんととっていただいていることに安心しました。
- スマートコミュニティづくりのノウハウを市だけでなく県にも広げていただきたいと思います。
※1 電力の有効利用や再生可能エネルギーなどを,交通システムや市民のライフスタイル変革まで複合的に組み合わせた社会システム
※2 被災地の変化に即応する居住支援