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掲載日:2012年9月10日

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トピックス(H22)/牛ふんたい肥と有機入り化成肥料を用いた「ひとめぼれ」の化学肥料節減栽培

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牛ふんたい肥と有機入り化成肥料を用いた「ひとめぼれ」の化学肥料節減栽培(古川農業試験場)

宮城県内では,環境保全米の生産が広がりをみせています。化学肥料由来の窒素量を慣行栽培の半分以下に抑えた,いわゆる「化学肥料節減栽培(以下,節減栽培)」では,これまでに慣行栽培と同一施肥窒素量の場合,収量は慣行栽培の90%以上確保できることが確認されています。しかし,葉色や窒素吸収量の推移等,指標を策定するためのデータが不足しています。

そこで,牛ふんたい肥と有機入り化成肥料を用いて「ひとめぼれ」の収量・適正籾数と品質等について検討した結果,収量構成要素等の目安が得られたので紹介します。

慣行栽培との比較

  1. 平方メートル当たりの茎数の増加は遅く,最高分げつ期の茎数及び穂数も少なめになります。
  2. 葉色は濃くなるのが遅く,追肥を実施すると,幼穂形成期頃から穂揃期頃までは濃いめに推移します。しかし,追肥をしないと平方メートル当たり籾数が不足し,穂揃期の葉色は追肥をした場合より2~5ポイント程度低下し,減収します。
  3. 有機入り化学肥料を用いた追肥量が窒素成分で2kg/10a以内なら,稈長及び倒伏程度は,ほぼ同程度です。
  4. 出穂前20日頃に追肥をすると,玄米の整粒比及び未熟粒比は同程度で,玄米タンパク含有率が大きく高まることもありません。
  5. 収量構成要素は,平方メートル当たり籾数が追肥によって確保でき,登熟歩合及び千粒重はおおむね同程度で,収量は92~98%程度です。
  6. 牛ふんたい肥と有機入り化成肥料を用いた節減栽培における「ひとめぼれ」の生育及び収量構成要素の目安は,下記の図表のとおりです。

(土壌肥料部)
(平成22年12月28日掲載)

表1 節減栽培におけるひとめぼれの生育の目安 項目 7月1日頃 幼穂形成期

  • 7月15日頃 減数分裂期
  • 7月25日頃 穂揃期
  • 8月15日頃 茎数・穂数(本/平方メートル) 470~520 550~600 480~530 430~480 葉色(SPAD値) N44~N46 N39~N41 N37~N39 N35~N37 窒素吸収量(g/平方メートル) - 5.5~6.5 - 7.5~8.5 ※窒素吸収量は,慣行栽培の目安(第75号普及技術)とおおむね同程度とした。
表2 収量・収量構成要素の目安
項目 節減 慣行
収量(kg/10a) 500~540 550
収量比(慣行比%) 92~98 100
穂数(本/平方メートル) 430~460 480~500
籾数(千粒/平方メートル) 28~30 28~30
登熟歩合(%) 77~87 85~90
玄米千粒重(g) 22.3~23.5 22.3

※1 慣行は稲作指導指針のひとめぼれ栽培ごよみより引用
※2 収量は粒厚1.9mm以上の玄米

節減栽培におけるひとめぼれの生育 茎数と葉色節減栽培における葉色の推移

試験表
試験区名 窒素量(kg/10a)
基肥 追肥
節減(N500) 5 無し
節減(N520) 5 出穂前30日2
節減(N502) 5 出穂前20日2
慣行(N511) 5 幼穂形成期1,減数分裂期1

お問い合わせ先

農業・園芸総合研究所企画調整部

名取市高舘川上字東金剛寺1(代表)

電話番号:022-383-8118

ファックス番号:022-383-9907

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