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掲載日:2021年10月7日

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研究トピックス(R3)/宮城県養豚研究会 令和3年度第1回研究集会について

畜産試験場 種豚家きん部

令和3年8月6日,宮城県養豚研究会(事務局:宮城県畜産試験場)主催による令和3年度第1回研究集会を開催しました。前回に引き続き,Zoomミーティングによるリモートでの開催となりましたが,リモートでの対応が難しい養豚農家の方々のため,大崎市立図書館にスクリーン会場を設置しました。
今回の研究集会は,59名の参加があり,「夏場対策について考える」をテーマに,(株)沖縄県食肉センターの大城守先生とOASIS(オアシス)の大井宗孝先生からご講演いただきました。農家の実例や科学的データを示しながら,大変わかりやすくご講演いただき,東北においても年々気温が上昇している昨今の状況下で非常に参考になる内容でした。また,総合討論では,「豚熱」に関する話題にも触れ,参加者と活発な討議が行われました。
はじめに,大城先生に「沖縄県における暑熱対策」についてご講演いただきました。最近の研究では,暑熱ストレスは,食欲不振による発育遅延だけでなく,様々な病態に関与していると説明がありました。沖縄県は,本州に比べて湿度が高く,夜の気温が下がりにくい特徴があるが,対策の基本は変わらず,換気による湿度コントロールと水が重要で,特に分娩前後の母豚には水を積極的に飲ませることが重要と述べられていました。また,豚が何を望んでいるかを常に考えながら,各農場に合わせた取り組みが必要という話が印象的でした。
次に,大井先生から「豚への暑熱ストレスの影響と対策」と題してご講演いただきました。対策の基本は,

  1. 豚舎の環境温度を下げる(エコクーラー,クーリングパッド)
  2. 豚の体感温度を下げる(ドリップクーリング,送風,氷の利用)
  3. 飼料内容の検討(リキッド飼料の活用,添加剤)

であると説明がありました。
ここ数十年間は,暑熱の影響で出荷頭数が減少し,豚肉価格が上昇することを繰り返していることから,夏場にしっかり成績を残した農場が勝ち組になる,「夏を制するものは養豚を制す!」との言葉はとても心に響きました。
総合討論では,参加者から,沖縄県における豚熱の発生と対策に関する質問があり,大城先生から,沖縄県では,豚熱の発生が限定的で琉球イノシシの生息域外であったことと,ワクチンを早急に接種開始できたことがイノシシへの感染防御につながったとご回答がありました。また,子豚への豚熱ワクチンの適正時期について質問があり,大井先生から,ワクチンの接種時期を早めても,感染リスクはゼロにはできないので,農場周辺で感染イノシシが見つかっているような農場では,農家が負担してでも2回目の接種を考えるべきであり,さらには,農場に壁を作ったり,積極的にイノシシを捕獲するなど,豚舎内にウイルスを入れない対策をとるべきだとご回答がありました。
なお,令和3年度第2回研究集会は,令和4年3月の開催を予定しております。皆様のご参加をお待ちしております。

宮城県養豚研究会オンライン開催の様子の写真

写真 宮城県養豚研究会オンライン開催の様子

(種豚家きん部 養豚家きんチーム)

お問い合わせ先

農業・園芸総合研究所企画調整部

名取市高舘川上字東金剛寺1(代表)

電話番号:022-383-8118

ファックス番号:022-383-9907

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