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近年,西日本を中心にブドウやリンゴの着色不良が発生しています。これは,成熟期の高温により着色が阻害されることが要因です。これまで問題とされてこなかった宮城県等の寒冷地でも着色不良の事例が散見されています。果実の着色が優れないと商品としての価値が著しく低下することから,生産者の経営に甚大な影響を与えるものです。
そこで本課題では,ブドウやリンゴの着色不良対策として最近開発された技術であるLEDライト照射による着色促進効果を検証することにより,生産現場への普及を目指しています。
【ブドウ果房に対するLEDテープライトを用いた着色促進効果の検討】
この試験では,市販のLEDテープライトを活用し,収穫前のブドウ果房に青色光または赤色光を照射します。LEDテープライトは,直線的に果房が並ぶ短梢せん定(H型または一文字整枝)が好適で,果房の中位となる位置に合わせて固定しました(写真1)。
令和3年度は,「クイーンニーナ」のH型整枝・短梢せん定樹を供試しました。その結果,青色光,赤色光ともに着色が促進するとともに,糖度上昇や酸度低減の効果が確認できました(表)。
今後は,黒色系ブドウも供試するとともに,安価なLEDテープライトでも着色促進効果を得られるか検証する予定です。
写真1LEDテープライトの配置
写真2LED処理の効果(無処理(左)とLED照射(右))
表LEDテープライトの樹上照射がブドウの果実品質に与える影響
z:異なる英子文字間に有意差あり(Tukey法,**1%,*5%)
y:山梨県総合理工学研究機構平成25年度版ゴルビー専用収穫適期判断カラーチャートの値
x:リンゴ酸換算値
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