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今まで本県の治山事業において木材は、柵工(JPG:47KB)や筋工など簡易的な構造物に多く、使用されてきました。
公共事業で木材使用の意識が高まる中、平成11年度には、林野公共事業等における木製構造物の一層の使用拡大・普及促進を図るため、「森林土木木製構造物設計等指針及び暫定施工歩掛」が制定され、工種・設置位置を問わず、木材使用について様々な取り組みがなされています。
指針制定以降の、本県の治山事業における木材使用量は、平成12年度から16年度までの5年間で約4,400立方メートルとなっております。用途も年々創意工夫され、他県に遅ればせながらも最近では、従来のコンクリート剥き出しだった構造物に木材を利用する取り組みを進めています。
写真(JPG:38KB)は、多くの県民が訪れる「県民の森」の遊歩道付近で景観に配慮し、丸太残存型枠工により治山ダムを設置したものです。当地区ではこのほかにも、木製の床固工や水路工などを設置し、木材の持つ温かみが周囲の緑や風景に溶け込み、違和感を与えていません。また、丸太残存型枠工は、脱枠の手間も省けるなど、工事における省力化にもつながっています。
写真2(JPG:74KB)は、仙台荒浜地区の、海岸防災林造成で、丸太を交差させて組み合わせた防風柵を設置し、飛砂からの埋没防止や、潮風による被害から植栽したクロマツ等を守る取り組みを行ったものです。
写真3(JPG:43KB)は、栗原市文字地区において、落石防護壁工の緩衝材に丸太を使用したものです。緩衝材によく使われる古タイヤより、衝撃に対する緩衝効果が持続する利点もあります。
このように、木材は様々な工種に使われ始めています。その効果は、景観への配慮だけでなく,部材が軽量で加工が容易であること、また、生産過程における二酸化炭素排出量も少ないことから人にも環境にも優しい素材であり、今後も木材の特性を生かした、適切な利用を心がけた治山事業を実施してまいります。
※この記事は平成17年10月1日発行の「みやぎの林業だより第176号)」に掲載された記事です。
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