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掲載日:2016年11月30日

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第3章 推進のための具体的方策1/家庭

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第3章 推進のための具体的方策


第1節 家庭,地域における具体的方策

第1項 家庭における読書活動の推進方策

1.現状・課題

近年,インターネットや携帯電話などの普及によりライフスタイルが変化し,様々な情報が瞬時に入手できるようになったり,メールやブログによるコミュニケーションなど,情報のデジタル化が進んでいます。それに伴い,子どもの生活環境も変化し,テレビゲームや携帯電話への過度の依存が,新たな問題を引き起こし,読書離れ・活字離れにもつながっています。子どもが自主的に読書活動を行うことや読書習慣を身に付けるためには,家庭,地域,学校を通じた社会全体で子どもの読書活動の推進を図る取組をしていく必要があります。

読書活動は子どもの感性や表現力を豊かにするだけでなく,子どもが自ら考え、判断し,主体的に周囲の社会にかかわっていくために必要な知識や意欲をはぐくむ重要な活動の一つであると言えます。子どもが読書習慣を形成する上でもっともかかわりが深いのは家庭であり,親や周囲の大人からの継続的な働き掛けがとても重要です。

このような社会状況を踏まえ,県内における子どもの読書離れを止めるためにも,家庭において本に親しむ工夫がなお一層求められます。

2.推進の担い手とその役割

(1)家庭の役割
イ 乳幼児期の読み聞かせ

乳幼児への読み聞かせなどは,親子の大切なコミュニケーションの機会となります。親のぬくもりを感じながら優れた本に出会うことは,子どもの感性や心を豊かにする貴重な機会となります。特に乳幼児期においては,周囲の人や言葉に対する信頼感を育て,他者との関係を培っていく上でも,読み聞かせはきわめて重要な活動となります。

そのためにも,乳幼児から発達段階に応じて習慣的に読み聞かせを行い,本や物語の楽しさや喜びを共有していくことは大切な時間となります。

ロ 親や大人の読書活動

本を読む最初のきっかけは,親や大人が意識的に読み聞かせることにあります。子どもの読書活動を促進するためには,身近な大人が子どもと共に生涯学習としての読書活動の楽しさを分かち,日ごろから読書に親しむことが肝要です。子どもの読書習慣は日常生活の中から形成されるものであり,家庭で親が率先して読書時間を設けて本に親しむ姿を示したり,親子で身近な公立図書館を利用して本についての話題を共有したりすることは,生涯にわたる読書習慣の形成につながる有効な取組と言えます。

また,親や大人が読んでいた良書を子どもたちに伝えることも,読書に興味を持たせるきっかけとなります。

ハ 公立図書館,家庭文庫・地域文庫等の利用

公立図書館では図書の貸出以外にも,読み聞かせ会や優良図書・話題図書の紹介なども行っており,そのような魅力的な機会を積極的に活用していきたいものです。(⇒事例集26,32~39参照)

また,地域で活動している家庭文庫・地域文庫は,子どもが身近に本の世界に触れる貴重な場の一つです。親子で家庭文庫・地域文庫を積極的に利用することも,地域でのつながりの中で魅力的な読書体験を得るきっかけになります。(⇒事例集2,4,5参照)

このほか,県東北歴史博物館の図書情報室も,子どもが歴史の本に触れることができる場の一つですので,積極的に活用していきたいものです。

ニ 多様なメディアと読書

書籍以外の活字媒体やテレビ,ビデオ,映画,DVD等の様々なメディアに触発されて,書物と出会う例も数多く報告されています。また,インターネットの活用により,様々な図書情報を検索し,必要な情報を自由に取捨選択することが可能となりました。
ケータイ小説やブログ等を通じた読者の意見の交流など多様なメディアを通じて,子どもが自発的に読書活動に入っていくような新しい状況についても,認識しておく必要があります。

ホ 優良図書情報

各種団体等の推薦する図書や,子どもが読みたい本の傾向を知ることは,子どもの読書活動を充実させるためにも意義があります。公立図書館や身近な書店等を親子で訪れて,様々な本を手にしながら選書していくことも,良書や気に入った本との出会いのきっかけとなります。

(2)行政の取組
イ 宮城県の取組
  • (イ)乳幼児期の読み聞かせの推進について,現在文部科学省が作成している「家庭教育手帳(乳幼児編)」の配布に加えて,読み聞かせの技法やわらべうた・手遊びなどの技術の習得,選書の仕方やプログラムの作成に関する講座を開催するとともに,県図書館で所蔵している絵本をはじめとする児童書の情報提供にも取り組んでいきます。
  • (ロ)家庭での読み聞かせや読書習慣を形成する意義について,家庭教育や子育て支援のための講座・研修会等を通じて,親や大人の理解促進に努めます。また,市町村に対しても同様の取組を促していきます。
  • (ハ)PTAや子ども会育成会,青少年のための宮城県民会議など青少年育成団体と連携・協力し,親や大人に対して子どもの読書活動の推進を,引き続き呼び掛けます。
ロ 市町村に期待される取組
  • (イ)乳幼児期からの読書活動のきっかけ作りが望まれます。市町村においては,乳幼児健診時に行うブックスタート(乳幼児への絵本の贈呈)(※10)や新生児の誕生時に図書館利用者カードを発行することなどが挙げられます。(⇒事例集31,34,,37,39参照)
    また,公立図書館等においては,素ばなし(※11)や絵本の読み聞かせを行う「おはなし会」の開催や選定された適書の普及,読書案内や資料相談,レファレンスサービス(※12)など,積極的な読書支援が求められます。(⇒事例集26~39参照)
  • (ロ)「子ども読書の日」(4月23日)と「こどもの読書週間」(4月23日~5月12日)の周知に努めるとともに,学校,公立図書館や公民館をはじめとする社会教育施設などで「子ども読書の日」,「こどもの読書週間」や「読書週間」(10月27日~11月9日)(※13)を中心にその趣旨にふさわしい各種行事の実施が望まれます。

  • (※10)ブックスタートとは,市町村が赤ちゃんと親や大人にメッセージを伝えながら絵本を贈る事業です。地域のすべての赤ちゃんに,絵本を媒介とした楽しい時間を過ごしてもらうため,乳幼児健診の時等に行われます。
  • (※11)素ばなしとは,物語を覚えて子どもたちに対して語ることです。
  • (※12)レファレンスサービスとは,利用者の質問に対して,図書館職員が所蔵資料等を活用し,資料の検索や提供などのサービスを行うことを言います。
  • (※13)「子ども読書の日」(4月23日)は,国民の間に広く子どもの読書活動についての関心と理解を深めるとともに,子どもが積極的に読書活動を行う意欲を高めるため,子どもの読書活動の推進に関する法律により定められています(同法第10条)。また「読書週間」(昭和22年から実施)と「こども読書週間」(昭和34年から実施)は,社団法人読書推進運動協議会が取り組んできた事業で,全国の公立図書館や公民館などで,読書活動を推進するための様々な活動が行われています。

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生涯学習課社会教育推進班

仙台市青葉区本町3丁目8番1号 15階

電話番号:022-211-3654

ファックス番号:022-211-3697

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