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近年,インターネットや携帯電話などの普及によりライフスタイルが変化し,様々な情報が瞬時に入手できるようになったり,メールやブログによるコミュニケーションなど,情報のデジタル化が進んでいます。それに伴い,子どもの生活環境も変化し,テレビゲームや携帯電話への過度の依存が,新たな問題を引き起こし,読書離れ・活字離れにもつながっています。子どもが自主的に読書活動を行うことや読書習慣を身に付けるためには,家庭,地域,学校を通じた社会全体で子どもの読書活動の推進を図る取組をしていく必要があります。
読書活動は子どもの感性や表現力を豊かにするだけでなく,子どもが自ら考え、判断し,主体的に周囲の社会にかかわっていくために必要な知識や意欲をはぐくむ重要な活動の一つであると言えます。子どもが読書習慣を形成する上でもっともかかわりが深いのは家庭であり,親や周囲の大人からの継続的な働き掛けがとても重要です。
このような社会状況を踏まえ,県内における子どもの読書離れを止めるためにも,家庭において本に親しむ工夫がなお一層求められます。
乳幼児への読み聞かせなどは,親子の大切なコミュニケーションの機会となります。親のぬくもりを感じながら優れた本に出会うことは,子どもの感性や心を豊かにする貴重な機会となります。特に乳幼児期においては,周囲の人や言葉に対する信頼感を育て,他者との関係を培っていく上でも,読み聞かせはきわめて重要な活動となります。
そのためにも,乳幼児から発達段階に応じて習慣的に読み聞かせを行い,本や物語の楽しさや喜びを共有していくことは大切な時間となります。
本を読む最初のきっかけは,親や大人が意識的に読み聞かせることにあります。子どもの読書活動を促進するためには,身近な大人が子どもと共に生涯学習としての読書活動の楽しさを分かち,日ごろから読書に親しむことが肝要です。子どもの読書習慣は日常生活の中から形成されるものであり,家庭で親が率先して読書時間を設けて本に親しむ姿を示したり,親子で身近な公立図書館を利用して本についての話題を共有したりすることは,生涯にわたる読書習慣の形成につながる有効な取組と言えます。
また,親や大人が読んでいた良書を子どもたちに伝えることも,読書に興味を持たせるきっかけとなります。
公立図書館では図書の貸出以外にも,読み聞かせ会や優良図書・話題図書の紹介なども行っており,そのような魅力的な機会を積極的に活用していきたいものです。(⇒事例集26,32~39参照)
また,地域で活動している家庭文庫・地域文庫は,子どもが身近に本の世界に触れる貴重な場の一つです。親子で家庭文庫・地域文庫を積極的に利用することも,地域でのつながりの中で魅力的な読書体験を得るきっかけになります。(⇒事例集2,4,5参照)
このほか,県東北歴史博物館の図書情報室も,子どもが歴史の本に触れることができる場の一つですので,積極的に活用していきたいものです。
書籍以外の活字媒体やテレビ,ビデオ,映画,DVD等の様々なメディアに触発されて,書物と出会う例も数多く報告されています。また,インターネットの活用により,様々な図書情報を検索し,必要な情報を自由に取捨選択することが可能となりました。
ケータイ小説やブログ等を通じた読者の意見の交流など多様なメディアを通じて,子どもが自発的に読書活動に入っていくような新しい状況についても,認識しておく必要があります。
各種団体等の推薦する図書や,子どもが読みたい本の傾向を知ることは,子どもの読書活動を充実させるためにも意義があります。公立図書館や身近な書店等を親子で訪れて,様々な本を手にしながら選書していくことも,良書や気に入った本との出会いのきっかけとなります。
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