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公立図書館は地域の読書活動の推進拠点として,すべての住民が読みたい本や必要な情報を豊富な資料の中から入手することによって,新しい知識を獲得したり,読書の楽しみを享受することができる情報施設です。また,住民が自らのニーズに応じた資料や情報を自由に収集し,それを基に課題解決や情報活用を図るなど自己教育に資する生涯学習施設でもあり,公立図書館はもっとも身近で重要な役割を果たしています。
特に,地域の子どもの読書活動を支援する拠点として,県内の公立図書館では,「児童室」や「児童コーナー」を設け児童サービスを行い,児童書の充実や情報提供を行っているほか,中高生を対象としたサービスなどを実施しています。
さらに,「子ども読書の日」(4月23日)や「こどもの読書週間」(4月23日~5月12日)と関連させ,子どもの本の展示会やおはなし会といった各種イベントを開催するなど,地域のボランティアの協力を得ながら,子どもの読書活動を推進するための様々な活動に取り組んでいます。
県民の図書館サービス享受を実現するための拠点として,県図書館では「宮城県図書館情報ネットワークシステム」を構築し,市町立図書館・公民館図書室への資料提供(県図書館所蔵資料の協力貸出)における基盤整備を行うなど,県民の読書環境の向上のため,市町村支援に努めています。生涯学習社会の進展の中で,県図書館は県民の学習を支援する身近な情報源として,さらには地域文化の保護・育成・活用を目的とした「22世紀を牽引する叡智の杜づくり」事業の展開など,生涯学習社会を支える大きな柱として,その機能の充実に努めています。
また,市町立図書館の中には,学校図書館への団体貸出や職員による出前おはなし会の実施など,学校と連携したり,保健センター等と連携して検診時のおはなし会やブックスタートなどを行っている図書館もあります。公立図書館においては,地域や学校との連携を強化しながらサービスの向上を目指すなど,県民の読書環境を一層充実して,子どもの読書活動を推進します。(⇒事例集27,30,31,33,37参照)
宮城県内の市町村における公立図書館の設置率は,市町村合併の結果58.3%と高くなりましたが,全国平均の72.2%と比べて依然低率です。公立図書館が未設置の町村においては,公民館図書室が読書施設としての役割を果たしていますが,提供できるサービスが限られているため,図書館の設置が望まれます。
公立図書館は,地域の人々の営みや歴史を収集・記録し保管すると同時に,その知識や情報を維持・継承し,人々の生活や地域社会の発展のため発信・提供する情報拠点としての役割を担っています。また,人々が「心の豊かさ」や「生きがい」を得ようと生涯にわたる自発的な学びを支援する生涯学習施設でもあります。
このような役割を持つ図書館は,子どもの自主的な読書活動を推進する上でも,きわめて重要な役割を担っています。
子どもが読書に興味や関心を寄せるような様々な企画を実施することが期待されます。例えば,おはなし会やブックトーク,興味あるテーマによる図書リストの作成,季節や時事問題などを採り上げた掲示や本の紹介記事を載せたおたよりの発行,親子を対象とした読書会などが挙げられます。(⇒事例集26,32~39参照)
図書資料の紹介やイベント,研修会の案内,民間団体やボランティアの活動など子どもの読書に関連する様々な情報を収集し,図書館広報紙やホームページで提供することが期待されます。併せて,子どもや保護者などの相談に応じてアドバイスすることも大切な役割です。(⇒事例集27,38参照)
子どもたちが気軽に公立図書館を訪れ,図書を通して楽しく学び,過ごせるよう,児童室や児童コーナー,青少年コーナー(※24)などの魅力ある空間づくりに取り組むことが期待されます。例えば,親しみやすいインテリアや書架の配置,展示の工夫などが挙げられます。
県民がインターネットを活用して,図書の貸出予約ができたり,公立図書館から学校図書館への図書の貸出が円滑に行われるよう,図書館のサービス機能を拡充することが期待されます。そのためには,公立図書館におけるインターネットを活用した情報サービスシステムの一層の拡充が期待されます。(⇒事例集27,38参照)
子どもの読書活動を推進するには,それを担う専門的な職員が必要です。公立図書館における児童担当の司書の育成や配置が望まれます。
(※24)青少年コーナーとは,主に13歳から18歳を対象にした図書資料を配置したコーナーを言います。子どもから大人への転換期にある時期の好みや心理に配慮して,展示法を工夫したり,青少年向けの広報物を併せて置いたりする例が多く,ヤングアダルトコーナーとも言われます。
(※25)登録有形文化財とは,文化財保護法に基づき,国・地方公共団体指定以外の有形文化財,有形民俗文化財及び記念物のうち,保存・活用のための措置が特に必要なものを文部科学大臣が文化財登録原簿に登録して保存を図るもの。
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