東日本大震災宮城の震災対応記録

(職員インタビューによる震災の記憶・経験の伝承)

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仙台空港の民営化

 沿岸部に位置する仙台空港は、津波により機能が一時完全に停止する等大きな被害を受けたが、半年後には旅客ターミナルビルの完全復旧と国際定期便の運航再開を果たした。一方で、震災により東北地方の定住人口が大幅に減少することが予想され、仙台空港の機能強化による交流人口の拡大を図る必要があった。県は仙台空港の民営化を創造的復興の一環と位置付け、仙台空港の活性化を図り、復興の起爆剤とすることとした。
 県は平成24年2月より、国、空港関連民間企業、有識者、臨空地域自治体からなる「仙台空港・臨空地域等活性化検討会」を開催。同年10月には、仙台空港の民間運営に関し、県の基本的な考え方をまとめた「仙台空港の経営改革に関する宮城県基本方針」を策定した。同基本方針では、仙台空港の在るべき姿として、「多くの旅客や貨物でにぎわう空港」「東北地方の復興と発展をけん引する空港」「民間の力を活用した地域とともに発展する空港」が示され、将来的には震災発生前のピーク時の2倍に当たる、旅客数年600万人、貨物量年5万tを目指すこととした。
 平成25年4月、「民活空港運営法」が閣議決定されたことを受け、県は仙台空港民営化に関し、国土交通省との協議・交渉に入ったが、民間への譲渡価格をめぐり交渉が難航。最終的には県が約57億円で株式を買い取ることができる応募者を選定し、その後、国の選定手続きに進むというスキームが組まれることとなった。
 平成25年7月、県は、第1回「仙台空港600万人・5万トン実現サポーター会議」を開催した。サポーターには、予想を大きく上回る約150企業が登録し、仙台空港民営化への期待の高さを示す結果となった。
 平成28年7月1日、国管理空港で日本初となる仙台空港の民間運営が開始された。その後、新規LCC(格安航空会社)の参入や、高速バスによる二次交通網の整備等の効果的な取組が実施された結果、令和元年度の旅客数は、371万人を超え、過去最高を記録した。

後輩たちへのメッセージ

関連項目

東日本大震災5年間の復旧・復興の記録(平成23年度~平成27年度)

(宮城県土木部土木総務課・平成29年3月)

東日本大震災10年間の復旧・復興の記録(平成23年度~令和2年度)

(宮城県土木部土木総務課・令和4年3月)

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