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宮城県では、保育所、学校、地域などで食育活動に積極的に取り組み、県民の健康増進、みやぎの食文化の伝承などの分野においてめざましい功績を挙げられた方々を表彰する「みやぎ食育表彰」を実施しています。
気仙沼市立本吉共同調理場栄養士の「気仙沼の魚を学校給食で味わってほしい」という話を受け,学校給食にサメ肉を活用した献立を考案し,令和3年度から4年度に,計12回わたり給食を提供しました。受配校8校に1200食が提供され,残食率は他の魚類を用いた主菜に比べ,平均3%ほど下がる内容となりました。また,学生が受配校を訪問し,児童に対し,サメについてプレゼンを行い,サメ肉の栄養価,気仙沼とサメの関係等を紙芝居方式で伝えた他,コロナ感染症が拡大してからは,紙芝居方式の動画を全受配校に配信しました。動画の内容は,話す内容やスライドを生徒が作成し,小学生にも伝わりやすい言葉選びや撮影の際の目線など細部にまで気を配り,生徒自らが主体的に作成に携わりました。
本取組みは,地域で生産される食材をより身近に感じ,地域の自然,食文化に関する理解を深めることができるよう,学生自らのアイディアで学校給食への供給を実現し,さらに,コロナ禍においては,新たに非接触型の食育に取組んでいることから,受賞となりました。
地域ボランティア団体と連携し,全校児童が農作物の栽培に携わる体験する活動を通して,児童が郷土愛を深める取組みを継続的に実施しています。また,学校給食センターや企業の外部講師を活用した計画的な食育指導を実施しているほか,保護者と連携した家庭における食育活動を実践しており,地域一体となった食育の推進体制が構築されています。さらに,児童会に健康委員会を設置し,児童自らが給食の栄養分類表示や給食メニューの全校放送など,自発的な食育活動を実践しています。
本取組みは,子ども達自身が,健全な食生活に関する知識,技術を身に付けるとともに,農業体験を通じて,食材や食文化,生産への関心を高め,児童自身や関係者がそれぞれ食育に関する役割を担い,連携・協同していく取組みとなっていることから,受賞となりました。
JAいしのまき青年部矢本地区,JAいしのまき女性部矢本地区,JAいしのまき笑菜会矢本地区は,東松島市内の小学校とその保護者を対象に,1年をかけて食材の栽培から収穫,調理をじっくり体験できる食農体験の機会を,平成10年度より継続的に提供してきました。東松島市の教育委員会や市役所と連携し参加者を広く公募しており,第1回の開催から通算220世帯,722人に体験学習の場を提供しています。子育て世代の参加者には,食農体験を通じ,作る楽しみや農業を身近なものに感じてもらえる機会となっており,野菜への関心,野菜摂取増につながっています。一連の食農体験には,食以外に地元の施設見学を組み込むなど開催内容を工夫することで,地域での認知度も高く多くの応募があります。
本取組みは,地域の産業や食文化への理解を深め,生産者と消費者の信頼関係を構築し,「見て」「触れて」「楽しんで」「調理して」「食べる」といった五感を使って食を実感できる取組みとなっていることから,受賞となりました。
丸森町立舘矢間小学校では,平成22年度から,児童の食に対する意識を高めるために,食事のもつ意味や意義を理解し,生きるための基盤として捉えさせる学習を,家庭科や総合的な学習の時間,生活科,自立活動と食育を関連づけ,縦割りグループや地域の方との食を通した交流を進めてきました。
縦割りグループで,サツマイモ栽培に取り組んだり,総合学習の時間に,地域の方々や食生活改善推進員等の協力を得て,舘矢間の特産物であるヤーコンについて調べ,栽培から調理まで行いました。
全学年を通して栽培活動に取り組んだことで,児童の「食」についての関心が高まり,家庭で料理の手伝いをする児童もいました。
また,地域の方と協力することで,児童は自分の地域に目を向けるようになるなど,地域との関わりを深める食育活動となっています。
登米市事業の「すこやかキッズ教室」や「こどもまつり」に協力し,子どもや親世代,祖父母世代に楽しみながら食を通した健康づくりについて考えてもらうきっかけづくりをしています。平成31年度のこどもまつりでは,減塩と野菜摂取の啓発をテーマにクイズや野菜をたくさん使った適塩スープの試食等を行いました。
また,平成28年度より,登米市の「元気とめ!健康づくり宣言」の1つである“適塩!プラス野菜あと一皿”を推進するため,季節の野菜を活用したレシピを年に3~4回作成し,市内店舗で健康づくりに関する資料と併せて配布しています。登米市の健康課題について周知する契機となり,市民一人一人の取り組みを支える健康なまちづくりの推進につながっています。
学校栄養士として,児童に対する栄養指導や食育プログラムの実践を通して「食」の重要性を発信し続けています。給食メニューを生かした継続的な食育指導や地元の野菜農家と連携し、野菜や地元でとれる食材の大切さを伝えることで,児童の食材や食文化に関する関心を高めています。
6年生の総合学習の時間には,ブルーベリー収穫体験を行い,翌日の給食ではそれを生かしたブルーベリーごはんを提供しました。児童が実際に収穫に関わった食材を直接的に活用することで,全校的に食材への関心が高まりました。
さらに,学校での活動のほか、PTA行事,学校評議員会等において,学校給食の概要について試食を交えた説明を行うなど,地域住民への情報発信にも力を入れ,精力的に活動しています。
丸森町立小斎小学校では,平成15年度から,家庭や地域と協働しながら栄養指導や料理教室等の体験を通して学ぶ食育活動を実施しています。
学年に応じて工夫を重ね,児童の学年に応じた教科(家庭科,総合的な学習の時間と関連付け,教育課程に組み込んだ授業となっています。
例えば,料理教室の献立案は5・6年児童が家族と考え,その案をもとに,代表者(栄養士,保健師,小斎婦人会,学校)が,栄養バランス等を加味しながら決定しています。
料理教室当日は,3・4・6年生が主食と主菜,5年生が副菜と汁物,1・2年生がデザートづくりを担当し,全校児童で分担します。小斎婦人会や栄養士,保健師,保護者が児童に調理方法やコツを教えながら一緒に調理します。今年度は約70名で共食しました。
家庭では児童が自発的に料理に関わるようになり,親子での食育への関心も高まっています。
児童は6年間にわたり,食に関する知識を深めることができ,人との関わりや郷土愛を深める総合的なふるさと教育となっています。
宮城県漁業協同組合石巻地区支所女性部では,食育を目的とした料理教室を地域の小学生,中学生,高校生を対象に実施しています。
平成13年,15年に東京都の小学生とその母親を対象とした魚介類の料理教室を開催しました。好評だった反面,地元の子ども達も魚離れが進んでいると感じ,地域の小・中学校・高校への料理教室を通じ食育活動を行うことにしました。
肉料理中心の食生活が目立つ中,自分の手で魚をさばき調理することにより魚介類への関心も深まっています。
宮城県水産高等学校との調理実習は平成19年より継続的に実施しており,今年度は第11回目を実施しました。
宮城大学の学生ボランティアグループである「@グリーン」は,震災直後から「食と農」をキーワードに被災者支援活動を続けてきました。
この活動では,被災者とともに野菜を育て,収穫すると同時に,様々な食材を用いて加工活動も行っています。土や緑とふれあいながら新たなコミュニティを立ち上げ,また,食べることを通して被災生活の栄養改善を図るととともに幸せな気持ちになってもらいたいと始めた活動です。
食産業学部の学生は,食について専門に学んでおり,その知識や技術も生かしての活動です。
一方,多忙や生活費の不足から自分自身の食事についてはおろそかになっている学生が多いことがわかり,朝ごはんを提供する活動を立ち上げるました。被災者支援活動に参加してきた人たちからも支援をいただき,学生の朝ごはんを年に6~7回,100~120食提供する活動に結びついています。
この活動に賛同してくださる学外の方からの支援や,学生が実習で収穫した野菜を使うこともあり,食産業学部ならではの活動となっています。
理研食品株式会社は,わかめ製品の製造メーカーとしてわかめの生態,生産者の努力,わかめの栄養素と働き,色の科学などを通じて,将来を担う子供たちの健康維持,向上を目的にさまざまな食育支援活動を実施しています。活動を通して野菜が摂り難い震災時の非常食としてもミネラルや食物繊維が豊富な乾燥わかめが役立つよう,水やお湯で簡単に戻る事を認識してもらっています。
さらに,減災技術見学会や食育授業,食育展など,多賀城市内の各種事業に積極的に参画し,継続して協力しています。
これらの活動を通して,わかめなどの海藻を用いた「食育」の活動は,市内の青少年を中心に広く浸透してきています。また,理研食品株式会社で製造している,わかめ製品(乾燥わかめ,スープなど)やドレッシングなどは,市民に限らず全国的に有名であり,その企業(工場)が,「自分たちのまちにある」ということに気付くことで,愛着を持っていただいています。
丸森町立耕野小学校は,児童が昔から耕野地区で大切にされてきた食材への理解を深めるとともに,耕野地区のために,今,自分たちに出来ることを考え,情報発信をする取組を昭和61年度から実施しています。
耕野の特産品である「干し柿」や「竹の子」,学校の畑で育てている野菜(ジャガイモ,里芋等)に関わる活動を通して,自分たちのふるさとである耕野の良さを感じ,誇りに思い,耕野への愛着を強く抱くことが出来るようにしています。
干し柿づくり活動においては,収穫や単純な干し柿づくりにとどまらず,児童がパッケージのデザインから袋詰めを行い,干し柿や耕野のよさをPRしながら販売までを行っています。さらに干し柿を使ったオリジナルスイーツを児童が考え,販売も行っています。
JAいしのまき女性部鳴瀬地区では,農業従事者やその家族及び地域住民の皆様が心豊かに生活していくために,地域の安全・安心な地場産野菜の推進やその活用方法などを勉強する場の提供を平成13年度から行っています。
地元の特産品である「そば」の栽培から収穫,調理,食事までを子どもたちが体験し,心身を育む取り組みを実施するなど農業体験と食の大切さを子どもたちに伝えています。また,地域住民に対しそば打ち体験やそばを使った料理教室を開催し,地元食材の普及を行っています。
また,東日本大震災の教訓として,非常時でも食事が摂れることをねらいとして,女性部の役員が講師となって,組合員及び地区住民を対象とした防災料理の普及を重点事業として実施しています。
平成29年度は,東松島市地域おこし協力隊でシェフ希望の若者とのコラボで市特産品のちぢみほうれん草のクーリシャスを考案し,来場者に提供するなど若い世代へ魅力ある食情報の発信に深く貢献しています。
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