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掲載日:2016年11月30日

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講演会/講座|平成24年度みやぎ県民大学

2012年度 みやぎ県民大学

宮城県美術館コレクション散歩4 「お色直しした作品たち」 ―保存・修復・再制作―

「宮城県美術館コレクション散歩」は、美術館の所蔵作品や収蔵作家を素材に、毎回角度と切口を変えたテーマを設定してお話しする講座です。今回は宮城県美術館の所蔵品を素材に、美術作品の劣化や損傷、さらには消失などへの対処としての保存と修復、および再制作をめぐる話題をとりあげます。この方面での美術館活動の一端を紹介するとともに、修復などの処置により「お色直し」してよみがえった所蔵品の、作品としての内容についても詳しく解説します。

10月6日(土曜日) 午後1時30分―

小松均《八瀬》京都大原の「仙人」とも称された小松均。《八瀬》は、大原に居を定めて間もない1928年(昭和3)の制作です。働く大原の少女3人を、真に迫って描き出すために、日本画の顔料を分厚く塗り重ねたこの作品には、時の経過とともに亀裂と剥落が多く生じたばかりでなく、屏風に仕立てるために画面が切断されました。現在は修復を経て、制作当初の姿をとりもどしています。この経過を紹介しながら、小松均の初期代表作であるこの作品について解説します。

[小松均《八瀬》]
―日本画の修復から―
講師:庄司 淳一(当館学芸員)

10月13日(土曜日) 午後1時30分―

高橋 由一《宮城県庁門前図》《宮城県庁門前図》は、日本洋画の創始者の一人である高橋由一が、1881年(明治14)に宮城県の委嘱で描いた3点のうちの一つです。永く知事室を飾っていたこの作品は、100年後の1981年(昭和56)、美術館への移管にともなう修復にあたって、X線撮影や顔料の分析など詳しい調査が行なわれました。調査結果は修復作業に生かされるとともに、明治時代初期の油彩画技法の解明に貢献しました。同作品について、この経過を踏まえてお話しします。

[高橋 由一《宮城県庁門前図》]
―洋画の修復から―
講師:加野 恵子(当館学芸員)

10月20日(土曜日) 午後1時30分―

堀尾貞治《作品》(再制作)作品のお色直しといえば、絵画などの「修復」が思いうかびます。ところで、今日の造形作品では、再び鑑賞しようとするとき「再制作」という方法を取らざるをえない場合が多く、これも作品のお色直しの一つと言えるでしょう。本講座では、北川民次《メキシコ戦後の図》など、当館の絵画の典型的な修復例とともに、前衛グループ「具体」や、その他の「再制作」の事例を紹介し、両者の比較を通じて美術作品の置かれた状況を概観します。

堀尾貞治《作品》(再制作)

[修復と再制作]
―宮城県美術館の作品から―
講師:和田 浩一(当―館学芸員)

10月27日(土曜日) 午後1時30分―

ダニ・カラヴァン《マアヤン》宮城県美術館前庭に、列をなして立つ8本の白い柱。当館をシンボルライズするこのモニュメントは、環境造形作家・カラヴァンの作品です。屋外環境と一体となってこそ価値ある作品なだけに、1995年(平成7)の設置以来、常に雨風にさらされています。ホワイトセメントで成形した表面には、亀裂や欠損、大気汚染が原因の黒ずんだ汚れなどが生じて来ています。この作品を、できる限り当初の状態に保つ取り組みについてお話しします。

[ダニ・カラヴァン《マアヤン》]
―野外彫刻保存の一環として―
講師:三上 満良(当館学芸員)

宮城県美術館コレクション散歩4「お色直しした作品たち」 ―保存・修復・再制作―

INFORMATION

期間:

2012年10月6日―27日の各土曜日 午後1時30分から

会場:

宮城県美術館アートホール
(佐藤忠良記念館地階)

所要時間:

約90分程度

申込:

電話または当館受付にて
Tel:022-221-2111

定員:

60名

料金:

無料

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