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多賀城跡で出土した木簡403点。
本資料は、多賀城市にある特別史跡多賀城跡附寺跡から出土した、奈良時代から平安時代にかけての木簡であり、宮城県多賀城跡調査研究所の発掘調査によって発見されたものである。昭和45年に初めて木簡が発見されてから、平成25年までに403点の木簡が発見されており、地方でこれほどの数の木簡が発見されている例はほとんどない。
内容的にも荷札、進上文、帳簿、習書、呪符、など多様なものがあり、坂東諸国からの米の支援に付けられた荷札、白河軍団から弓の射手を多賀城に派遣したことを示すもの、戸籍や兵士に関係する帳簿に関するもの、役人たちが文字の手習いに使用したものなど、陸奥国府としての多賀城における政治・軍事活動の一端を示すものである。
形態的には、長方形をした薄い木片が木簡の基本的な形であるが、側面に貫通した穴があり、そこに紐を通して束ねて使用したものや、間違った文字を書きなおすために文字を削り取った削屑、壊れて廃棄された高杯に文字を練習したもの等もあり、多賀城では多様な木簡が使用されていたことがわかる。
時代的には、記載された文字の内容から、多賀城創建期を解明する資料となるものや、「天平神護」「大同四年」の年紀のある木簡もあり、多賀城の創建や変遷を考える上で重要な資料となっている。
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