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2011年3月11日に発生した東日本大震災により、宮城県の太平洋沿岸地帯の耕作地には津波による海水および土砂が流入し、土壌塩分濃度が高くなった。宮城県では水稲の主要な転作作物は大豆であるが、土壌塩分が生育にどのように影響を及ぼすか不明である。本研究では、主に品種タンレイを供試品種とし、2012年から2013年にかけて海水を散布処理した古川農業試験場試験ほおよび現地津波被災ほ場において、土壌塩分と大豆の生育の関係について調査した。
大豆の出芽率と土壌EC(dS/m)との間には負の相関が見られ、y=-43。4x+110の回帰直線を当てはめることができた。出芽率95%を安全な水準であるとすると、出芽が塩分に影響を受けない土壌ECは0。345dS/mと算出された。また、土壌塩分が高まると、大豆の根粒数や乾物重が有意に減少し、地上部の窒素吸収量が減少した。このため、主茎長および分枝数が減少し、総節数および莢数も減少し、減収した。土壌ECは0。29dS/m以下の範囲では収量との間に有意な相関関係は見られなかった。この値を塩化物イオン濃度に換算すると568mg-Cl/kgDWとなった。すなわち、土壌ECが0。29dS/mおよび塩化物イオン濃度568mg-Cl/kgDW以下であれば、大豆は塩害を受けないと推察した。
大豆、海水塩分、土壌EC、主茎節数、収量
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