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掲載日:2018年6月1日

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普及に移す技術第93号/普及技術2

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普及技術2(平成29年度)

分類名〔水稲・草地飼料〕

飼料用稲奨励品種「たちあやか」(PDF:113KB)

宮城県古川農業試験場

1 取り上げた理由

近年西日本を中心に普及拡大している高糖分高消化性の稲発酵粗飼料品種は,高品質なホールクロップサイレージを生産でき,さらに嗜好性も高いことから,寒冷地である東北地方においても普及が期待されている。そこで,高糖分高消化性の稲発酵粗飼料品種「たちあやか」を本県で供試したところ,収量性が高く,サイレージ品質に優れているため普及技術とする。

2 普及技術

1)来歴
「たちあやか」は,「中国146号」(後の「ホシアオバ」)と「極短穂(00個選11)」との雑種第一代に「ホシアオバ」を二回戻し交配した後代に由来し,農研機構近畿中国四国農業研究センター(現農研機構西日本農業研究センター)で選抜育成された飼料用(稲発酵粗飼料)向け品種である。
2)特性の概要
a 極晩生品種で「リーフスター」より出穂期が15~29日程度早い(表1)。
b 収穫期の草丈は「リーフスター」よりも高く,収穫期の茎数は「リーフスター」よりも多い(表1)。
c 耐倒伏性は“極強”と「リーフスター」より強く,いもち病真性抵抗性遺伝子型は“不明”で,葉いもち,穂いもちほ場抵抗性はともに“不明”である(表1)。
d 地上部乾物収量は「リーフスター」より多収で,茎葉割合が極めて高い(表1)。
e 稲体糖分含有率は「リーフスター」より高い(表1)。
f サイレージ品質は,pH4.0程度と低く,発酵品質は「リーフスター」と同様に良好であった(表1)。
g 全乾物中に占めるTDN(可消化養分総量)の割合は,「リーフスター」より高い(表1)。
3)対象地域等
普及見込み地帯・普及見込み面積県下一円

3 利活用の留意点

1)本試験結果は古川農業試験場(北部平坦)において得られたデータである。
2)種子については,宮城県農林水産部畜産課を通じて,一般社団法人日本畜産草地種子協会から購入する。
3)農薬の使用については,最新の「稲発酵粗飼料生産・給与技術マニュアル」(一般社団法人日本草地畜産種子協会発行)に準ずる。
4)ほ場で葉いもち病斑が観察された場合は防除を行う必要がある。
5)気象条件によっては,出穂期の確定が困難であることがある。
(問い合わせ先:宮城県古川農業試験場水田利用部電話0229-26-5106)

4 背景となった主要な試験研究

1)研究課題名及び研究期間
栄養収量の高い国産飼料の低コスト生産・利用技術の開発(平成27~31年度)
2)参考データ
特性一覧
3)発表論文等
a 関連する普及に移す技術
a)飼料用稲奨励品種「たちあやか」のイネWCS栽培法(第93号参考資料予定)
b 学会発表
a) 阿部脩平,吉田修一,國嶋広達,遠藤潤,森田昌孝(2016) 高糖分高消化性の稲発酵粗飼料専用品種の寒冷地適応性について日本作物学会第243回講演要旨集

4)共同研究機関
宮城県畜産試験場

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お問い合わせ先

農業・園芸総合研究所企画調整部

名取市高舘川上字東金剛寺1(代表)

電話番号:022-383-8118

ファックス番号:022-383-9907

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