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宮城県では比較的夏季が涼しく,冬季に晴天が多いという気象条件を活かし,スプレーカーネーションが一年中栽培されています。冬季の栽培では,好適夜温(10~15℃)より低く管理すると,生育・開花が遅れ,草姿が乱れるなど切り花品質の低下を招きますが,近年の燃油価格高騰により,冬季の好適夜温維持は経営上困難になっています。
平成28年度の研究トピックスでは,その対策として,15℃のEOD-heating(end of day heating)処理(日没直後から数時間加温し,それ以降は慣行よりも低温で管理する処理)の効果を報告しましたが,今回はより省エネルギーを求め,12℃のEOD-heating処理を検討しました。
平成28年から平成29年の作型において,スプレーカーネーション品種「シプレ」,「アメリ」,「ライトピンクバーバラ」を供試し,最低気温を日没後4時間12℃,その後日の出まで5℃,その他の時間は10℃に管理するEOD-heating処理を行うと,最低気温を終日10℃で管理する対照(慣行)と比較して,供試した3品種とも到花日数,株当たりの収穫本数,側枝全体でみた切り花品質は同等であることが明らかとなりました(表1,表2,写真1)。さらに,燃油消費量は,対照(慣行)と比較して,15℃のEOD-heating処理の約23%よりも大幅に削減され,約42%の削減となることが明らかとなりました(図1)。
今後は,収量性が高い最低気温を終日13℃で管理する処理を対照として,新たなEOD-heating処理方法を検討します。
表1 加温方法の違いがスプレーカーネーションの開花および収量に及ぼす影響(平成28年~平成29年)
表2 加温方法の違いがスプレーカーネーションの切り花品質に及ぼす影響(平成28年~平成29年)
写真1 切り花品質の比較(一次側枝)
図1 燃油消費量の比較
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