掲載日:2012年9月10日

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みやぎ景観懇話会/第3回議事録

第3回みやぎ景観懇話会の開催概要

第3回みやぎ景観懇話会の様子です。
日時:平成18年11月16日(木曜日) 10時00分から

場所:宮城県行政庁舎 4階 庁議室

会議資料

次第(PDF:41KB)

新・宮城県景観形成指針に対する意見

資料1(PDF:338KB)

宮城県景観形成指針改正概要

資料2(PDF:191KB)

新・宮城県景観形成指針概要版

資料3(PDF:7,475KB)

新・宮城県景観形成指針(案)

資料4(PDF:42,109KB)

他都道府県の景観施策概要

資料5(PDF:2,224KB)

みやぎ景観フォーラム2006(案)

資料6(PDF:146KB)

宮城県土木部技術検討委員会の概要

資料7(PDF:101KB)

今後の進め方(スケジュール)

資料8(PDF:93KB)

次第

1 開会

2 あいさつ

(梛野建設交通局長)
景観形成の必要性については,先日公表された「みやぎの将来ビジョン(中間案)」にも掲載され,県における重要な政策テーマにも位置づけられている。今回は,前回に引き続き,景観形成指針の改訂案,さらに,その具体的な推進方策について御意見をいただきたい。来月には,県民の方々からの意見も伺うパブリックコメントを求め,今年度内に成案にしていきたいので,御協力を御願いしたい。

(大村座長)
めっきり寒くなり,銀杏の葉も色づくなど,景観の話をするには非常に良い時期になってきた。今回は,県の方で各構成員の意見及び県庁内の意見等を個別に取りまとめていただき,新・景観形成指針(案)を提示していただいている。本日の会議においては,改めて指針改訂案を見ていただくとともに,今後の推進方策に対する忌憚のない意見を賜りたい。

3 議事

(1)新・宮城県景観形成指針(案)
遠藤課長から資料1~資料4をもとに概要を説明した後,意見交換。

(大村座長)
序章の背景と目的では,「松島,蔵王」といった名勝地のみが記載され,一般県民側からすれば,この指針は縁遠いものと思われてしまわないか。景観の問題は名勝地だけのものではなく,みんなが身近な景観を守っていく必要性を理解してもらうためにも,導入部分の書き出しを工夫して欲しい。

(遠藤課長)
事務局の方で整理していきたい。

(横山)
県が作る計画は「県民」といった表現になってしまうが,他の部分とのバランスも考慮すれば,「住民」と表現を統一してはどうか。
それから,著名な観光地の写真のみを使うのではなく,地元のありふれた風景をもっと取り入れて欲しい。目立たなくても本当はいいものを紹介するような写真をお願いしたい。
景観類型のイメージを描いたイラストのページだが,自分のまちがどの類型に入るのかがよく分からない。内容的にも要素を盛り込み過ぎているのではないかと思うので,ひとつの方向性を提示するような形で整理した方が良い。
16ページの「生活行動のルール」には,ゴミの問題だけではなく,自分の財産である家や事業所でも景観にプラスになるような,例えば緑化に努めるとか,身近な問題も盛り込んではどうか。

(遠藤課長)
「住民」といった語句は統一する。写真については,提言のあったようなものを印刷製本化に向けて,いろいろ収集していきたい。また,イラストについては,現在の指針にあったものをそのまま転載しているが,確かに一般化されすぎて,どこの「まち」をイメージしているのか分からない。県内の特徴のあるところを取り上げて,アクセントをつけていきたい。

(平野)
細かい部分になるが,「大崎平野」と「仙北平野」といった表現があり,統一してはどうか。
8ページの「社会的側面」において,「公共施設整備では景観に配慮した整備がなされて……」とあるが,どうだろうか。ムードとしては今までは十分に配慮されてなかった反省点を踏まえて,今後しっかりやりますといった表現の方が痛快かと思うので,検討いただきたい。
9ページの「歴史的側面」の「歴史的景観に配慮された整備……」も同様と思われるので,検討いただきたい。さらに「地域における伝承・民話などの主人公をモチーフ化……」とある部分は,指針案に対する意見にも書いたが,民話などのモチーフ化は景観的には最悪であるので,削除して欲しい。国道47号線のこけしの高欄は,全国の物笑いになっている。
14ページの「展開の枠組み」に3つの項目があるが,「1 良好な景観形成のための基本ルール」の記載内容が貧弱である。16ページの内容につながるようなものを方向性としてしっかり記載すべきである。ゴミや派手な屋外広告物が無いことだけで問題が解決するわけではないはずである。

(遠藤課長)
文言の整理については,御意見のあったように修正したい。

(中村)
15ページの「良好な景観形成についての役割分担」において「各地域における総合的な景観形成は,基礎的な自治体である市町村が中心的役割を担うことが望ましい。」とあるが,その他の選択肢があるわけではないので,「担うことになる」といったように言い切り型にした方が良い。
15ページの図については,例えば県全体としての大きな取組をイメージしているのであれば「景観形成に関する総合的な取組体系」といったタイトルを付けてはどうか。
43ページの図は,単なる例示とするよりは,次ページ以降の総括図とした方が良いと思うが,検討いただきたい。

(大村座長)
この図は,現在の指針が有効に機能していない一因にもなっていたような気がする。つまり,市町村が中心となっていろいろ動く必要がある。県は離れてはいけないのだが,側面的な支援を行うといったものにしてはどうか。県が真ん中にいると,市町村の当事者意識が薄れてしまう気がする。
県が全市町村を目配りしながら何かをやっていくことは,実質的に難しい。市町村が住民の気持ちや意見を聴きながらこうした仕事をしていくのが本来的な姿であろう。

(遠藤課長)
大村座長からの意見もあるので,15ページの表現については,「市町村が中心的役割を担うべきである」と言い切り型に修正したい。
43ページの図については,次ページ以降のものを総括したものを表現できるよう修正したい。

(西大立目)
景観類型のイラストに関する説明はもう少し内容を吟味して欲しい。例えば「アクセントとしての屋敷林」とあるが,屋敷林はアクセントではないし,その他にも違和感のある言葉が多い。「田園都市型景観」についても「デザインされた……」という記載があるが,サインや高欄などのデザインは平野さんからの意見にもあったように,余程気をつけないといけない。新しく作るというよりは,今ある資源をしっかり生かしていくような表現に修正して欲しい。

(平野)
「田園都市型景観」はハワードが言ったもので,ロンドンのレッチワースとかをイメージするが,宮城県内にそのイメージに合うところがあるだろうか。例えば「田園型都市景観」といった他の表現にできないだろうか。安易な使用は,他の専門家から誤解を招く恐れがある。

(大村座長)
「田園都市」はかなり広く使われており概念が曖昧になっているきらいはあるが,本来の意味を失っているわけではないので,できれば使用は避けた方が良いと思う。

(遠藤課長)
他の景観類型との表現的なバランスもあり,即答できないので,改めて提案させていただきたい。

(森山)
「地域性」といった言葉をもっと大切にして欲しい。例えば,田園風景といっても県南と県北では若干ながら趣が違っており,細かい言葉の説明をもう少しお願いしたい。この指針を読む側からすれば,細かい解説があって自分たちのまちが県の指針ではどういった位置づけにあるのかが分かりやすければ,取りかかりやすいと思う。さらに,専門用語には脚注をつける等の配慮もお願いする。

(磯田)
背景と目的の部分で,松島や蔵王といった具体的な名称は出さない方が良いかもしれない。やはり,生活の営みの中で作り上げられたありふれた景観を大事にしていく,住民参加型の景観づくりの大切さを,この懇話会への出席を通じて勉強させていただいた。

(大村座長)
あまり人が訪れない温泉地などは,旅館の玄関脇にビール瓶とかが積み上がっていて,人をもてなすといった雰囲気がない。小綺麗にしておくといった気持ちの持ちようというか,もてなす気持ちが景観づくりの基本的な要素である。
県の役割で大きなものは,みんなに景観づくりの気持ちを持たせる広報というか啓発活動なのではないか。宮城県には蔵王や松島だけではなく,あそこにもこんないい風景があるんだと写真とかで見せてあげる。この指針にもそういった写真とかが随所に盛り込まれると相当迫力が出ると思う。こうした点を県の役割として期待する。

(伊藤)
この指針案がそのまま製本されるとすれば,文字が多すぎて読む気が失せてしまうので,読みやすさに配慮したレイアウトにして欲しい。
3ページの3段落目に「‥‥田園景観」といった見出しがあるが,本文中には景観の記述がないので修正してはどうか。

(遠藤課長)
この指針にふさわしい写真等を収集中であり,製本までには工夫していきたい。3ページ3段落目の見出しについては「‥‥田園景観」を「平野部」といった感じに修正したいと思うが,正式には後日改めて提示する。

(大村座長)
お役所の審議会資料がそのまま世に出たのでは読みづらい。読んでもらうための配慮をお願いしたいという趣旨の意見と思うので,是非検討いただきたい。

(横山)
「子供達の心の原風景を形づくる」とあるが,現在の風景のみならず,今は大人になっている人達が子供であった昭和30~40年代の風景も対比できると,話にも広がりが出ていいのではないか。

(大村座長)
30年程度の時を経て様変わりした風景を見るのも興味ある話かもしれない。

(遠藤課長)
柴崎さんが集めた写真も借りたいとは思うが,他の皆さんが持っている貴重な写真なども提供いただけるとありがたい。

(中村)
48ページのイメージ図(景観法の活用イメージ)は唐突ではないのか

(遠藤課長)
事務局内部でも意見が分かれているので,入れ替えを検討したい。

(平野)
7ページの「仙台市は復興計画に際し,当時としては画期的な広幅員の街路整備を行い,‥‥」とあるが,当時,他県でも広幅員の街路整備は当たり前だったので褒めすぎではないか。むしろ,青葉通り,定禅寺通り,東二番丁などの美観道路を数多く配した点を評価すべきである。「無電柱街路」というより「美観道路」といった表現にしてはどうか。
急傾斜地に無理な緑化をしたが故に異様になった光景を目にすることが多い。景観形成上の配慮事項として「緑化を行う」といった断定的な言い方をしている箇所が多いが,緑化すれば景観に配慮したことになるという安直な姿勢につながってしまう悪影響の方が大きい。今や法面の緑化は当然の話であり,他の配慮事項と同じように「緑化も検討する」と,穏やかな表現にしてはどうか。

(森山)
これからの景観づくりにおいて,地域に根ざした景観を考える際,土地利用型農業のあり方が大きな比重を占めている。これまでの米一辺倒で良いのか,生態系や地域性,経済性なども考慮すれば,もっとふさわしい作物があるかもしれない。
指針の上では,今あるものを大切にしましょうといった点が強調されているが,エコロジカルな考え方を取り入れるならば,新しい違った景観が生まれるかもしれない。こうした考え方もどこかに盛り込んで欲しい。

(大村座長)
これは本質的な問題を含んでいる。きれいな浜辺のある漁村があって,漁業振興のためにコンクリートの防波堤を作ったが,景観上は台無しになってしまったという事例は結構ある。景観は地域の美しさのみならず,その人達の生活もかかっている。その際,どういった選択をするのかは景観の問題を考える際に非常に大きい問題になる。非常に哲学的要素も含んでいるが,大きなところに入れ込めないか。

(平野)
景観には「つくる」ものと「なる」ものがある。現在の柱は「まもる」「つくる」「育てる」となっているので,直接的に入れ込むのは難しいと思う。しかし,宮城県の景観においては「なる」景観がほとんどである。

(梛野局長)
西大立目さんや森山さんからの意見については,1ページの「より良い景観とは」の部分に「地域の特性とそこで営まれる人々の生活が調和した都市や農村の美しさ……」「歴史や文化が醸し出す個性を生かした……」といった部分にある程度のニュアンスを盛り込んだつもりでいた。これで不十分といわれれば,もう少し膨らますことは可能と思う。

(山崎)
自分たちNPOはプロジェクトの助成金を獲得するために結構苦労して企画書を作っている。この指針を企画書と見た場合,完全に落第点しかつけられない。
まず,この指針づくりは何のためにやるのかといった点が全くもって抜け落ちている。これが,一種のフォームに沿って作られているのであれば,そのフォームを壊して欲しい。
次に,このプロジェクトに携わった人達がどんな成果を得るのかが分からない。整理整頓だけが記載され,行き着く先に何があるのかが分からない。
いずれにしても,中学2年生くらいのレベルで読めるような内容でないと,誰にも伝わらないものになってしまう。

(大村座長)
「企画書」というのは,どういった意味合いなのか。

(山崎)
景観条例づくりに向けた企画書といったとらえ方をしていたが。

(遠藤課長)
山崎さんが誤解していたとすれば,自分たちの説明が不十分であった点をお詫びしたい。現時点で,この指針づくりは条例を制定することを前提に話を進めているわけではない。確かに「この指針は何のために」といったメッセージ性が欠けている点については御指摘を踏まえて修正していきたい。

(平野)
メッセージ性という点については,1ページの「背景と目的」に「今後の各主体が実施する施策,事業,行動等の拠り所となることを目的として……」といった記述はあるが,アウトプットとしてどんなものがあるのかが若干不明確な点はある。現状と課題といった章があるが,この部分にもう少し危機感を表現してはどうか。このまま見過ごしてしまっていいのか,早めに取り組む必要性とかを切々と訴えるとか。
また,ちょっと大変かもしれないが,1ページの背景と目的の部分には,県民に対するメッセージをもう少ししっかり書き込むべきと思う。今のままでは,行政の内部資料にしか見えない。景観づくりをすれば,みんながどんな風にハッピーになれるかといった具体的なものを書き足していただければいい。

(西大立目)
この指針を誰が読むのかを良く考えた方がいいと思った。これは市町村に下りていった場合に,おそらく企画担当者の机上に置かれて終わるだけのような気がする。文字が多くて読み込むにはちょっと面倒,ちょっとした照会には概要版を見て応対といった使われかたをするのかなと思う。
山崎さんのいうメッセージ性というのは,市町村レベルで登米市なら教育資料館を今後どうしていくのかといった個別具体的な現場を念頭においたものでないと難しい。指針にある「みやぎの個性を生かした景観づくり」を一般の市民が考えているとは思えない。生活している人達の目線で言えば,景観づくりのタネを探していく作業は,市町村がやるしかないのかなと思う。

(梛野局長)
平野さんや山崎さんからの意見については,やはりメッセージ性という点で若干弱い点はあるかと思うので,8ページあたりの現状分析を踏まえ,そのエッセンスを背景と目的にもう少し書き加えていきたいと思う。
西大立目さんからの意見については,指針はページ数もあるし,やはり行政担当者向けといった色合いが強い。指針概要版については,あくまで本編のダイジェストといった性質ものではありながら,一般県民に見てもらうということを前提に,見やすい構成に再編集して,みなさんに再提示したいと考えている。例えば,イラストの部分は特徴的な写真に入れ替えたりして興味を引くような工夫を加えていきたい。

(2)景観形成推進の方策と体制(案)
別紙資料5~7に基づき,遠藤課長から概要を説明した後,意見交換。

(横山)
景観100選については是非やって欲しい。自分は良いと思っていても周りの人達からも認めてもらわないと自信が持てない部分がある。かつて,NHKや民放でも21世紀に向けて残したい風景100選といったものを放送したが,非常に好評だった。

(平野)
名古屋でデザイン博をやった時には,大々的に予算をつけて地下鉄など公共交通機関のサインを作り直した。これが起爆剤となっていろいろな波及効果をもたらしたことがあった。今回,指針を見直すのを契機として,助成をするから公共サインを統一しましょうとか,そういった打ち出し方をするのもひとつである。
景観は結局は人に行き着くところがある。市町村職員の意識啓発に力を入れて欲しい。小国町では,かつてふるさと創生資金で1億円が交付された時,すべてを職員研修のために使った。海を渡ってまでも学んできたことが現在の小国町のまちづくりに生かされている。一般的に,市町村職員の場合は研修の機会というのはどうしても少ない。市町村担当者のモチベーションを上げることと,能力を上げることを是非考えて欲しい。

(森山)
景観行政団体をひとつでも多く作っていくというのは,ひとつの方向性として良いと思う。住民が自分たちの景観はどうなのか。それに満足しているのか。そうした話し合いを通じて,ひとつの動きが出てくれば,後は自然とうまく回っていく。市町村が景観形成団体になることが,その契機になると思う。

(遠藤課長)
県内市町村の意識レベルにはかなりのバラツキがあるのは事実である。その点で景観行政団体としての成功事例というか優良事例を県内にひとつでも作って,他の市町村職員に見せることが非常に効果的と考えている。口だけではなかなか伝わらないし,理解してもらえない。森山さんの意見のように,ひとつでも多く景観行政団体になってもらうことが,県全体の景観づくりのレベルアップにつながると思う。

(平野)
景観法では,基礎的な自治体である市町村が中心的な役割を果たすべきと謳っているし,自分もそう思う。とはいえ,県土全体の景観づくりはやはり県の仕事である。自分としては,是非,長野県スタイルを検討して欲しいと思っている。景観条例の下に,自然景観等県全体に共通する部分を広く,緩く,景観行政団体として規制していくべきと思う。そして,市町村の意識が高まり,景観行政団体が生まれれば,その地区を対象地区から外していけば良い。

(山崎)
プロジェクトなどにおいて,人のモチベーションが高くなるのは,金になる,おもしろい,無駄がないといった3つの要素が存在する時である。景観づくりに向けて,この話がすぐつながるかどうかは分からないが,仕掛け作りにおいてこうした要素を絡めると,うまくいく例が多いと思う。

(大村座長)
景観というのは元々あるものではなく,絵画として切り取ったりして誰かが見つけてくれて初めて気付くものである。目利きのある人がいなければ,いつまでも見過ごされてしまう。松島のようなところは既にレッテルが貼られて,誰が見ても異論のないところであるが,素朴な風景を景観として見いだしてくれる人をうまく育てて欲しいと思う。

4 その他

資料8に基づき,今後のスケジュールを遠藤課長から説明した。
12月中に県民に対するパブリックコメントを求め,その意見も踏まえながら来年3月には成案として懇話会に提示する。

5 閉会

お問い合わせ先

都市計画課行政班

宮城県仙台市青葉区本町3丁目8番1号

電話番号:022-211-3132

ファックス番号:022-211-3295

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