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平成25年仕事納め知事あいさつ

平成25年12月27日
県庁2階講堂

1 はじめに

平成25年も仕事納めを迎えました。

今年も「被災者の生活再建」「被災地の産業の再生」「東京電力福島第一原子力発電所事故に関連する課題への対応」の3つを県政の大きな柱に据え、鋭意取組を進めてきました。一日も早い復興に向けた全ての職場、そして、職員一人ひとりの懸命な努力に感謝しています。

震災から千日余りが経過しました。日々、復旧・復興に懸命に取り組む職員の皆さんにとっては、あっという間に過ぎたことでしょう。私も振り返ると、本当に瞬(またた)く間のような一千日であったとも思います。

この間、平時の2倍を超える予算規模の事業を着実に推進するため、様々な工夫と最大限の努力をしてもらってきました。「オール宮城」で一丸となった取組により、あの絶望的なまでに壊滅的な被害から、漸(ようや)くここまで復旧・復興を進めてきたとの思いもしています。

こうした中で、今年は知事選があり、私は被災地の復興を必ずや成し遂げ、創造的な復興を実現することを訴えて、県民の多くの方々から支持をいただきました。このことは、私だけでなく、皆さんとともに進めてきた復興の取組に対して、多くの県民の方々が評価してくれた結果であり、また、復興を願う県民の大きな期待を託された結果であると思っています。

2 この1年を振り返って

平成25年度は「復旧期」の最終年度であり、復旧事業を加速させるとともに、今後の復興の道筋を考え、将来像を描く上で極めて重要な時期でもあり、また、本県の「創造的な復興」の実現を念頭に種をまき、仕掛けをしていかなければならない時期でもありました。

復旧・復興の進捗について見てみると、全国の自治体の御支援もいただきながら進めてきた震災がれきの処理について年度内に完了する目途が立ったほか、市町とともに取り組んできた被災地のまちづくりや住まいの確保においては、防災集団移転促進事業では6割、土地区画整理事業では5割を超える地区で事業に着手するとともに、災害公営住宅の整備も加速してきています。また、沿岸部の基幹産業である水産業については、約9割の漁港で復旧工事に着手し、主要魚市場の水揚金額についても震災以前の約7割まで回復してきました。

今後とも、被災者の方々の恒久的な住まいの確保と被災市町のまちづくりの更なるスピードアップを図るとともに、水産業をはじめとする被災地の産業の再生がしっかりと進むよう、一層努力していかなければなりません。

また、私たちの復興計画の基本理念には、「『復旧』にとどまらない抜本的な『再構築』」を掲げており、全国のモデルとなるような「創造的な復興」に向けて様々な取組を進めてきたところであり、仙台空港民営化、東北地方への医学部新設、広域防災拠点の構想などについて国に働きかけるとともに、関係者の方々と調整・検討を進め具体化を図ってきました。

このほか、県内の動きといたしましては、春に行われた仙台・宮城デスティネーションキャンペーンでは多くの方が沿岸部被災地をはじめ、県内各地を訪れ成功を収めました。また、秋には慶長遣欧使節出帆400年事業が始まり、当時の人々の広い視野と卓越した行動力で取り組んだ偉業に励まされる思いがしています。さらに、明るい話題もありました。楽天イーグルスが球団設立9年目にして悲願の初優勝を達成し、震災からの復興に力を合わせて取り組む東北の人々に大きな勇気と感動を与えてくれました。今度は、私たちが宮城の底力を見せる番です。

3 一日も早い復興に向けて

さて、10月に行われた知事選では沿岸被災地はもとより内陸部まで県内の各地を回り、復興の現場を見て、そして、多くの方々の声を聞き、直接触れ合う機会を持つことができました。

そうした中で、あの3月11日に、心の支えであった御家族を失い、住み慣れた家を失い、営々と築き上げてきた大切な自分のまちを、そして御自身の歴史を奪われた方々にとっては、何かと不自由な仮設住宅等での生活の中で、明日に向かって懸命に頑張らなければならない本当に御苦労の多い毎日であり、一日一日の重みは筆舌に尽くしがたいものであると改めて痛感しました。そして、日々懸命に頑張りながら、少しでも将来に明るい「未来」を描きたいという切実な願いに必ずや応え、日々の生活に「安全」と「安心」を取り戻し、将来に「希望」をもってもらえるようにしなければならないと心に誓いました。

私たちは復興の取組を通じて、「活力とやすらぎのある」県土を実現できるよう、市町や国と十分に連携を図りながら、県民の方々とともに歩みを進めていかなければなりません。

震災から、3年が経過しようとする今、復興計画の「復旧期」も残すところ3カ月となりました。私たちは、復興を更に加速させていかなければなりません。それぞれの現場や各事業が抱える課題に的確な対応を図りながら、230万人県民の思いに応えられるよう、職員一人ひとり、そして、各職場において自分たちの使命をしっかりと果たせるよう頑張っていきましょう。

そのような中、県職員による不祥事が起こるという極めて憂慮すべき事態となっています。私たちは職務については当然のこと、日頃から県民の方々の信頼を損なうことのないように十分に自分を律していかなければならないことを改めて肝に銘じていただきたいと思います。

4 結び

来年は復興を進めていく上で、復旧・復興の加速化と「創造的な復興」の着実な推進のための正念場の時期を迎え、質・量ともに大変ハードな1年になると思います。

新年から、また、力いっぱい復興を推進できるよう、この年末年始の休暇にじっくり英気を養ってください。そして、この休みは、自身の職務の中で、何が課題で、何をしていかなければならないかをじっくりと考える時間にもなると思います。被災地を時間をかけて訪れてみるのもいいでしょう。その中で見えてくるものがあるはずです。

最後になりますが、今年も他の都道府県から大変多くの職員の応援をいただきました。御家族を郷里に残し、風土や気候の違う宮城の地において、復興に向けた最前線の仕事を担っていただいております。職員、そして、県民を代表して心から厚く御礼申しあげます。引き続き、私ども宮城の復興に皆さんのお力を貸してください。

今年の年末年始は9日間の長い休暇となります。どうぞ、事故などのないようにくれぐれも気をつけていただき、楽しいお正月をお過ごしください。

それと同時に、この間の危機管理についてもしっかりとお願いします。年末年始であっても気を抜かずに、万一の事態に備えた体制をもう一度確認してください。

それでは、1月6日に、また、リフレッシュした皆さんと元気にお会いできることを楽しみにしております。

それでは、皆さん良いお年をお迎えください。

お問い合わせ先

広報課企画報道班

宮城県仙台市青葉区本町3丁目8番1号

電話番号:022-211-2281

ファックス番号:022-263-3780

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