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掲載日:2023年7月4日

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意見書(令和5年6月定例会)

宮城県議会Top条例・意見書等

 森林環境譲与税の譲与基準の見直しを求める意見書

 地球温暖化防止や水源のかん養等森林の有する多面的機能の発揮に国民の関心が高まっており、特に「2050年カーボンニュートラル」の実現に向けた森林の役割に対する期待が一層高まっている。さらに、局地的な豪雨や大型台風等の発生による山地災害が多発するなど、国土保全の観点からも森林整備の必要性が増している。
 このような中、令和元年度からは、森林経営管理制度の開始とともに、森林環境譲与税が導入され、市町村が主体となり、手入れ不足の私有林人工林の整備やその所有者の経営管理に関する意向調査等が順次進められてきたところである。
 しかしながら、現在の森林環境譲与税の譲与基準では総額の10分の3が人口案分により算定・配分されていることから、人口の少ない山間部では十分な事業財源を確保できない一方で、人口の多い都市部では十分に活用されない事例も散見されるなど、森林環境譲与税が効果的に活用されていない現状となっている。
 よって、国においては、森林整備を一層推進するため、私有林人工林面積が大きく、森林整備が必要な自治体に対し、森林環境譲与税がより手厚く配分されるよう譲与基準の見直しを強く要望する。

 右、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 令和5年7月4日

宮城県議会議長 菊地 恵一

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
財務大臣
農林水産大臣 あて

 エネルギー価格・物価高騰対策の継続を求める意見書

 国際情勢の急激な変化や急速な円安の進行によるエネルギー価格の高騰が長期化していることに加え、原材料費や物流費の高騰に伴い食料品等を初めとする物価高騰も継続しており、市民生活、企業等の産業活動はもとより、価格転嫁による対応が困難な教育や医療・介護・保育等のサービスにも重大な影響を及ぼしている。
 国においては、令和4年度、低所得者に対する給付金、電気・ガス料金の激変緩和対策のほか、地方公共団体に対し3度にわたり地方創生臨時交付金を措置するなど物価高騰対策を講じており、本県においても、当該交付金を活用し幅広く生活者や事業者の支援に取り組み、生活者・事業者の負担軽減に確実な成果を上げている。
 しかしながら、春以降も食料品等の値上げが相次ぎ、実質賃金が前年度を下回る状況が続いており、さらに、6月からは電気料金が大幅に値上げされるなど、エネルギー価格及び物価の高騰が早期に改善する見込みはなく、地域の住民や産業を守る取組を継続・拡充していくことが求められている。
 よって、国においては、エネルギー価格・物価高騰の影響を受ける生活者や事業者を継続的に支援するため、次の措置を講ずるよう強く要望する。

1 地方公共団体が地域の実情を考慮した効果的な支援を実施できるよう「電力・ガス・食料品等価格高騰重点支援地方交付金」を増額すること。

2 令和5年9月使用分までとされている電気・ガス価格激変緩和対策について、冬季間の暖房費による負担増も考慮の上、10月使用分以降についても継続して実施すること。

 右、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 令和5年7月4日

宮城県議会議長 菊地 恵一

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
財務大臣
農林水産大臣
経済産業大臣 あて

 介護保険制度の見直しに関する意見書

  介護保険制度は、創設から23年が経過し、高齢化の進展とともに介護を必要とする高齢者の生活の支えとして、介護を担う家族にとっても欠くことができないものとして定着してきた。
 人口減少・少子高齢化がますます進む我が国にとって、高齢者の尊厳の保持と自立した日常生活を支援するため、保健医療福祉サービス等を提供する介護保険制度は、その根幹を支える重要な制度であり、給付と負担のバランスを図り、保険料、公費及び利用者負担の適切な組み合わせにより、持続可能な制度となることが求められている。
 現在、検討が進められている介護保険制度の見直しに当たっては、全世帯対応型の持続可能な社会制度の構築に向けて、今後の医療・介護ニーズや人口動態の変化等を踏まえながら、質の高い医療・介護を効率的に提供するための基盤整備を図ることが必要である。
 よって、国においては、高齢者の生活を支える介護保険制度であり続けるため、介護サービスの安定的な提供に向け、次の措置を講ずるよう強く要望する。

1 軽度者への生活援助サービス、ケアマネジメントに関する給付の在り方及び多床室の室料負担については、安心して介護を受けられる体制を維持・確保すること。
2 保険料や利用者負担の見直しについて、低所得者に配慮するとともに、負担能力に関し高齢者の生活実態や生活への影響等を把握した上で検討すること。
3 新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置付けが2類相当から5類への移行となったが、依然として重症化リスクが高い高齢者の命を守るための対応強化を図ること。
4 介護人材の確保は喫緊の課題であり、他産業との賃金差等を踏まえ、更なる処遇改善、人材育成への支援・職場環境の改善による離職防止等の総合的な介護人材確保対策を講ずること。
5 物価高騰による影響を踏まえ、介護サービス事業所・施設等の負担軽減を図るための支援を講ずること。

 右、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 令和5年7月4日

宮城県議会議長 菊地 恵一

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
財務大臣
厚生労働大臣 あて

 特別支援学校・学級等への教員等の適切な配置を求める意見書

 文部科学省が実施した「学校基本調査」によると、特別支援教育を受ける児童生徒は年々増加しており、10年間で、特別支援学校については学校数が約11%増加、児童生徒数は約14.3%増加、特別支援学級は約1.6倍に増え児童生徒数は約2.1倍に増加している。また通級による指導を受けている児童生徒数は約2.6倍に増え、教育現場では新たな特別支援教育体制の整備が必要になっている。
 このような状況に適切に対処するためには、特別支援学校・学級への専門的な知識や経験を持った教員等の増員が必要不可欠である。また今日、共生社会の形成に向けて、「障害者の権利に関する条約」に基づき、子どもたちの多様性を尊重するインクルーシブ教育システムの構築が求められており、そのためにも我が国の特別支援教育の更なる拡充が必要である。
 よって、国においては、医療的ケアを含めた特別支援教育が必要な子どもの増加や、様々な障害のある児童生徒に的確に対応した教育を実現するために、特別支援学校・学級等への教員等の適切な配置に向けて、財政措置及び次の措置を講ずるよう強く要望する。

1 特別支援教育支援員の適切な配置
  障害のある児童生徒に対し、食事、排泄、教室移動の補助等学校における日常生活動作の介助を行ったり、発達障害の児童生徒に対し、学習活動上のサポート等を行う特別支援教育支援員の適切な配置を支援すること。
2 特別支援教育コーディネーターの適切な配置
  保護者や関係機関に対する学校の窓口として、また、学校内の関係者や福祉・医療等の関係機関との連絡調整の役割を担い、子どもたちのニーズに合わせた支援をサポートする特別支援教育コーディネーターの適切な配置を支援すること。
3 看護師等の専門家の適切な配置
  医療的ケアが必要な子どもや、障害のある子どもへの支援を的確に実施するために、看護師、言語聴覚士、作業療法士、理学療法士等の専門家の必要に応じた適切な配置を支援すること。
4 特別支援学校のセンター的機能の強化
  各学校でインクルーシブ教育を一体的に進めるために、担当の教員だけでなく学校長等に対する指導や研修等を実施し、校内全体での取組を促進するために、特別支援学校が有するセンター的機能の強化を支援すること。
5 特別支援教育デジタル支援員(仮称)の配置
  GIGAスクール構想により整備された1人1台の端末を、特別支援学級や特別支援学校において、授業はもとより、個々の特性や教育的ニーズに応じた支援ツールとして有効に活用するための特別支援教育デジタル支援員(仮称)の配置を支援すること。
6 特別支援学校教諭免許状の取得支援
  特別支援学校教員の特別支援学校教諭免許状の取得率は87.2%となっており、特別支援学校における教育の質の向上の観点から、教職員への取得支援の強化や、大学等における特別支援教育に関する科目の修得促進等、教職員に対する特別支援学校教諭免許状の取得を支援すること。併せて、特別免許状の取得についても強力に推進すること。

 右、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 令和5年7月4日

宮城県議会議長 菊地 恵一

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
財務大臣
文部科学大臣 あて

 ALPS処理水について風評被害等を生じさせない対応の早期実施を求める意見書

 国は、多核種除去施設で処理された水(以下「ALPS処理水」という。)の具体的な海洋放出の時期を本年の夏頃と見込み、安全確保や風評対策などを実行していくとしている。また、ALPS処理水の取扱いについては、IAEA(国際原子力機関)等により、科学的知見に基づいた安全で透明性の高い処分が可能となるような取組が進んでいる。
 こうした中、本県の基幹産業である水産業は、東日本大震災において壊滅的な被害を受けた中でいまだ復興の道半ばであり、加えて販路の回復等の大きな課題を抱えている。これ以上、東京電力福島第一原子力発電所事故(以下「原発事故」という。)による風評被害等の拡大を招く事態は断じて容認できない。
 同様に農林業、観光交流等の各産業、さらに県民の生活においても、ALPS処理水の海洋放出による影響は、県内全体に及ぶものである。
 ALPS処理水の海洋放出について反対の立場は変わらないが、放出の有無にかかわらず国は、原発事故の収束に向け、前面に立って万全の対策を講じ責任を持って迅速に実施していく必要がある。
 よって、国においては、次の措置を講ずるよう強く要望する。

1 復興に向けたこれまでの努力と積み重ねてきた成果が水泡に帰することのないよう、ALPS処理水は、海洋放出以外の処分方法を継続して検討すること。
2 ALPS処理水の取扱いについては、漁業者を含めた地域の関係者の理解を得た上で、将来にわたり国が責任を持って対応すること。
3 水産業を初め、各産業や国内外の消費者等の不安や懸念をしっかりと受け止め、業種・業態に応じた実効性ある十分な対策を早期に実施すること。
4 風評を生じさせない仕組みづくりに向け、徹底した安全対策による科学的な根拠に基づく情報を分かりやすく発信すること。
5 理解醸成などの対策を講じても、なお生じうる風評被害や損害等については、セーフティネットの仕組みをつくり、国が責任を持って財政措置を講ずること。

 右、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 令和5年7月4日

宮城県議会議長 菊地 恵一

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
外務大臣
農林水産大臣
経済産業大臣
環境大臣
復興大臣
原子力規制委員会委員長 あて

 特定商取引に関する法律の改正を求める意見書

 特定商取引に関する法律(以下「特商法」という。)が平成28年に改正された際、同改正法の施行後5年を経過した場合において、法律の施行の状況を検討し、必要に応じて所要の措置を講ずることが定められ、令和4年12月には同改正法の施行から5年の経過を迎えた。
 こうした中、令和5年版消費者白書によると、令和4年中の消費生活相談は87万件とここ15年ほど高止まりが続いており、特商法の規制対象となる取引に関する相談は全体の約54%に上る。また、インターネット通販に関する相談が世代全体の29.1%と最多となり、トラブルが増加しているが、事業者や勧誘者を特定できない事例も多い。
 よって、国においては、これらの被害に対処するため、特商法の改正に関し、次の措置を講ずるよう強く要望する。

1 ソーシャルネットワーキングサービス(以下「SNS」という。)等を利用したインターネット通販の勧誘等について、行政規制、クーリングオフ等を認めること。
2 SNS事業者等に対し、SNS等を利用したインターネット通販の勧誘等に係る相手方事業者等の氏名・名称、所在地及び連絡先を分かりやすく明示するよう義務付けること。

 右、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 令和5年7月4日

宮城県議会議長 菊地 恵一

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
内閣府特命担当大臣(消費者及び食品安全担当) あて

 

 

お問い合わせ先

議会事務局 政務調査課政策法令班

仙台市青葉区本町三丁目8番1号

電話番号:022-211-3593

ファックス番号:022-211-3598

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