掲載日:2020年9月1日

ここから本文です。

放射線の人体への影響

外部被ばくと内部被ばく

私たちは,知らず知らずのうちに身の回りにあるさまざまな放射線を受けて生活していることは,「意外と身近な放射線」で紹介しましたが,放射線を受けたことにより,人体に影響を及ぼすかどうかは,「どこに」,「どれだけ」放射線を受けたかによって異なります。

外部被ばく

外部被ばくは,体外にある放射性物質から放射線を受け被ばくすることをいいます。
全身に放射線を受けることを「全身被ばく」,部分的に受けることを「局所被ばく」と呼びます。全身被ばくでは全ての臓器や体の組織に影響が現れる可能性がありますが,局所被ばくでは,原則として被ばくした臓器や組織のみに影響が現れます。
被ばくした部位に免疫系や内分泌系の器官が含まれた場合には,離れた臓器や組織に間接的に影響が現れることがありえますが,基本的には被ばくした臓器や組織の影響が問題となります。
また,臓器によって放射線への感受性が異なります。このため局所被ばくでは,被ばくした箇所に放射線感受性の高い臓器が含まれているかどうかで,影響の生じ方が大きく異なります。

部被ばく

内部被ばくは,放射性物質が体の中に入り,体の中の放射性物質から体内で被ばくすることをいいます。
内部被ばくの場合は,放射性物質が蓄積しやすい臓器や組織で被ばく線量が高くなります。この蓄積しやすい臓器や組織の放射線感受性が高いと,影響がでる可能性が高くなります。

外部と内部

詳しく知りたい!→「環境省:放射線による健康影響等に関する統一的な基礎資料(令和元年度版)第2章 放射線による被ばくへ(外部サイトへリンク)

放射線を受けると何が起こるの?

細胞は,生命の設計図ともいえるDNAをもっています。このDNAに放射線が当たると,DNAの一部が壊れることがあります。

DNAを傷つける原因は,放射線以外にもたくさんあり,食べ物中の発がん物質,たばこ,環境中の化学物質,活性酸素などがあり,一日1細胞あたり,1万から100万カ所の頻度でDNAは損傷を受けているともいわれています。

細胞には,DNA損傷を修復する機能があり,DNAが損傷すると,修復酵素によって修復されますが,完全に修復される場合と,一部が不完全に修復される場合があります。
損傷と修復
放射線の当たる箇所を細かく見てみると,放射線は細胞に当たり,細胞の中にある遺伝子の本体であるDNAに傷をつけることがあります。

このついた傷は,体の中に備わっているシステムで修復されます。少しの傷であれば修復が成功し,元に戻ります。傷が多ければ修復できずに細胞自体が死んでしまいます。少しの細胞が死んでも,他の細胞が代わりをすれば,その臓器や組織の機能障害は生じません。

また,遺伝子の修復が完全でない細胞が生きながらえた場合には,突然変異を起こし,がんや遺伝性の障害などの確率的影響が生じる可能性がありますが,必ずがんが起こるわけではありません。DNA修復

詳しく知りたい!→「環境省:放射線による健康影響等に関する統一的な基礎資料(令和元年度版)第2章 放射線による被ばくへ(外部サイトへリンク)

体内に取り込まれた放射性物質はどうなるの?

体内に取り込まれた放射性物質は,臓器や組織に取り込まれた後に排泄されます。排泄によって体内の放射性物質の量が半分になる時間を「生物学的半減期」といいます。
放射性セシウムは,カリウムと似た性質のため体内に取り込まれやすいですが,同時に排泄されやすい性質も持っています。

大人の場合,取り込まれた放射性セシウムの量が半分になるのにかかる日数は70~100日ほどと言われています。子供は代謝が早く,放射性セシウムを摂取したとしても,5~10歳くらいの子供では30日ほどで半分になります。

生物学的半減期

発がんリスクを比べてみよう
放射性物質汚染廃棄物対策室のTOPに戻る

お問い合わせ先

放射性物質汚染廃棄物対策室(対策班)

宮城県仙台市青葉区本町三丁目8番1号13階北側

電話番号:022-211-2647

ファックス番号:022-211-2390

より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください

このページの情報は役に立ちましたか?

このページの情報は見つけやすかったですか?

information retrieval

このページに知りたい情報がない場合は