掲載日:2012年9月10日

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トピックス(H24)/麦後大豆晩播狹畦栽培法について

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(古川農業試験場)

本県は水稲-麦類-大豆の2年3作体系の限界地帯と言われており,慣行大豆栽培の播種晩限は7月5日頃となっています。そのため小麦収穫後ではほとんど大豆が栽培できず,大麦後でも大豆の播種適期の期間は短く,梅雨時期とも重なることからかなり厳しい作業日程となっています。

平成23年度まで古川農業試験場では農林水産省プロジェクト研究「寒冷地太平洋側における輪作リスク低減と大規模省力水田輪作の体系化と実証」において,それを打開するための試験研究に取り組んで参りました。その研究の成果のひとつが宮城県で開発された広畝成形播種方式を利用した麦後晩播狭畦栽培です。この技術を導入することで,大豆播種時期を従来より遅くしても収量や粒大を低下させない栽培法として成果が得られたので,ご紹介いたします。

麦後大豆晩播狭畦栽培での雑草発生が少なく,収量や粒大の低下を招かない最適播種時期は,7月上旬から7月中旬までです。その場合,播種様式は条間は27~33cm程度,株間は20~25cm程度が適切です。適応品種は耐倒伏性,晩播適応性に優れたタンレイとします。

狭畦栽培は中耕培土をしないため従来の栽培法よりも倒伏はしやすいですが,本栽培法での倒伏程度は3未満(0~4の5段階評価で4は完全倒伏)であり,培土による畝がないため,汎用コンバインによる刈り取りロスや土の混入が少ない特徴があります。また,本栽培は土壌処理剤効果の高い草種が優占するほ場では,中耕培土を行った慣行晩播栽培以下の雑草発生量に抑えられました。雑草草種が多く,ブームスプレヤーによる茎葉処理型除草剤を必要とするほ場では広めの条間(33cm程度)が適します。

(水田利用部)

(平成24年9月4日掲載)

播種時期別子実重と百粒重
図1 播種時期別子実重及び百粒重(平成20年,21年)
※1 晩播狭畦区の条間は27~28cm,株間21cm。
※2 子実重を年次ごと慣行と比較し,Dunnett法で検定を行った。
**:1%水準で有意差有り。n.s:有意差無し。

晩播狹畦栽培の写真
図2 7月3日播種 晩播狭畦栽培
栽植密度 畦間33cm 株間25cm

お問い合わせ先

農業・園芸総合研究所企画調整部

名取市高舘川上字東金剛寺1(代表)

電話番号:022-383-8118

ファックス番号:022-383-9907

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