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掲載日:2012年9月10日

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農業早期復興プロジェクト/海水流入農地の実態把握と早期改善/園芸土壌調査/電気伝導度からの塩素濃度の推定法の検討

(農園研 園芸環境部)

津波被災地域全体の農地には海水によって過剰量の塩素(Cl)が農地に侵入しました。
塩素の測定には煩雑な手順が必要となり,簡易に推定できる手法が求められています。すでに熊本,香川両県からECからのCl濃度の推定式が発表されていますが同一ではなく,本県の事例に沿った推定式の作成が望ましいと考えられ,除塩対策事業において,水田での検討は成されていますが,畑作地での検討は不十分です。
よって今回は特に畑作地での推定式の作成を目指しました。
【試験・調査概要】
亘理,仙台,石巻,本吉各普及センターの協力を得て,県内の園芸農地から土壌を5月から12月にかけて地表から30cmを,10cmごとに分けて採取しました。 採取した土壌試料は風乾細土した後,EC,塩素(Cl-)濃度について定法通り分析を行い,5~6月の試料を除塩・作付け前,7~12月の試料を除塩・作付け後と想定し,ECとCl-濃度との回帰分析より近似直線を作成し,これを推定式としました。

試験・調査状況(結果)

作成した除塩・作付け前と,除塩・作付け後の推定式は以下のようになりました。

  • 除塩・作付け前:Cl-(mg/100g)=174xEC(mS/cm)-41(R2=0.940,n=225)
  • 除塩・作付け後:Cl-(mg/100g)=107xEC(mS/cm)-11(R2=0.808,n=171)

上記の推定式は相関性が高く,実用に値すると考えられます。
かん水などの除塩作業が人為的に行われた他に,長期間降雨にさらすなどした場合は除塩後と見なし,除塩後・作付け後の推定式を用いるのが望ましいと考えられます。また,相関性は高いとはいえ,推定式から算出した値はあくまで参考値として扱うべきであり,簡易分析キットなどを用いた実測を適宜行う必要があると考えられます。

(平成24年3月29日更新)

乾土ECとCl-濃度の関係

海水流入直後またはかん水,降雨がない場合
海水流入直後またはかん水,降雨がない場合のグラフ
5,6月における調査の試料を用いて作成 降雨やかん水等で概ねECが低下した場合
降雨やかん水等で概ねECが低下した場合のグラフ
7月以降における調査の試料を用いて作成
※EC,塩素濃度の低下とともに相関性も低下するため注意

お問い合わせ先

農業・園芸総合研究所園芸環境部

名取市高舘川上字東金剛寺1(代表)

電話番号:022-383-8133

ファックス番号:022-383-9907

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