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掲載日:2012年9月10日

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農業早期復興プロジェクト/海水流入農地の実態把握と早期改善/塩素濃度の簡易分析法の検討/RQフレックス,カーディーによる簡易分析

(農園研 園芸環境部)

塩害土壌の除塩の指標と各作物の塩害耐性の指標は塩分(塩化ナトリウム)濃度および塩素濃度で示されており,塩素濃度はECと相関が高いことが報告されています(熊本県,香川県)。
普及センター等から塩素およびナトリウムを実測したいとの要望がありますが,分析に時間を要し煩雑であるため,簡易に測定可能な手法を検討しています。
本年度は,簡易分析機器の実用性を確認しました。

試験・調査概要

  1. 供試機器および分析項目
    1. RQフレックスプラス本体,測定キット(Cl- 塩化物イオン)
    2. カーディー(Na+ ナトリウムイオン)
  2. 分析方法
    1. EC測定用の抽出液(土壌 対 水=1 対 5)を各簡易分析機器で測定し,イオンクロマトグラフによる精密分析値と比較しました。
    2. 分析サンプル:広域堆積泥土調査でサンプリングした作土0~10cmの土壌(砂土,壌土,埴土を含む)。

試験・調査状況(結果)

  1. RQフレックスプラスを用いた塩化物イオンの測定値は,イオンクロマトグラフによる精密分析値と高い相関がありました(図1)。
    測定レンジが0~50mg/Lと狭いため,高濃度のサンプルは希釈が必要でした。また,検液に濁りがあると実際より高い数値となるため,静置後の上澄液やろ過後のろ液が必要でした。
  2. カーディーを用いたナトリウムイオンの測定値は,イオンクロマトグラフによる精密分析値と高い相関がありました(図2)。
    無希釈で測定可能でした。また,交換性ナトリウムの測定を目的として1N酢安抽出液中のナトリウムイオンの測定を試みましたが,電極の反応が極度に低下し困難でした。
  3. 土壌中の含量に換算する式は下記のとおりです。
    塩素(Cl mg/100g)=測定値×希釈倍率×0.5
    水溶性ナトリウム(Na2O mg/100g)=測定値×0.5×1.35

(平成24年1月13日掲載)

塩素(Cl)

RQフレックスプラスの画像
RQフレックスプラス

RQフレックスプラスのグラフ
図1.RQフレックスプラスによるEC抽出液中の塩化物イオン測定値の比較

ナトリウム(Na:水溶性)

カーディーの画像
カーディー

カーディーのグラフ
図2.カーディーによるEC抽出液中の水溶性ナトリウムイオン測定値の比較

お問い合わせ先

農業・園芸総合研究所園芸環境部

名取市高舘川上字東金剛寺1(代表)

電話番号:022-383-8133

ファックス番号:022-383-9907

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