掲載日:2019年10月4日

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意見書(令和元年9月定例会)

宮城県議会Top条例・意見書等

私学助成の充実強化に関する意見書

 本県の私立高等学校、中等教育学校、中学校、小学校、幼稚園及び特別支援学校(以下「私立学校等」という。)は、建学の精神に基づき、特色ある教育を積極的に展開し、我が国の公教育の発展に大きな役割を果たしている。
 令和12年(2030年)ごろには、人工知能等を初めとする技術革新やグローバル化の一層の進展、人口構造の変化や女性・高齢者等の活躍の進展、雇用環境の変化等が予想されており、このような状況の中にあって、私立学校等が、我が国の将来を担う人材を育成するためには、迅速かつ確実に国の進める教育改革を実行していくことが重要である。また、教育改革の実行とともに、国が掲げる「人づくり革命」を推進していくためには、これまでより多くの費用が必要となるが、依然として残る公私間の教育負担格差や少子化等の影響もあり、公立の高等学校を初めとする公立学校に比べてはるかに財政的基盤の脆弱な私立学校等の経営は、一層厳しさを増している。
 我が国の公教育の将来を考えた場合、公立の学校だけでなく私立学校等が併存する教育体制が維持されてこそ、公教育が健全に発展することが可能となり、その結果、自己肯定感を高め、みずからの手で未来を切り拓く子供を育む教育の実現という時代の要請にも応え得るものとなる。
 そのためには、私立学校振興助成法第1条に規定するとおり、教育条件の維持向上と生徒等の経済的負担の軽減を図るとともに、私立学校等の経営の健全性を高めていくことが不可欠である。
 よって、国においては、私立学校等の教育の重要性を認識し、教育基本法第8条の「私立学校教育の振興」を名実ともに確立するため、現行の私学助成に係る国庫補助制度を堅持し、一層の充実を図るよう強く要望する。

 右、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 令和元年10月4日

宮城県議会議長 相沢 光哉

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
財務大臣
文部科学大臣 あて

新たな過疎対策法の制定に関する意見書

 過疎対策については、昭和45年の「過疎地域対策緊急措置法」の制定以来、4次にわたり制定された過疎対策立法のもと、総合的な過疎対策事業が実施され、過疎地域における生活環境の整備や産業の振興など一定の成果を上げたところである。
 しかしながら、過疎地域においては、人口の減少と高齢化の進行が厳しさを増しており、将来にわたり地域住民が暮らしを維持していくための政策が非常に重要である。
 過疎地域は、我が国の国土の過半を占め、豊かな自然や歴史・文化を有する地域であり、都市に対する食料・水・エネルギーの供給、国土・自然環境の保全のほか、癒やしの場の提供、災害の防止、森林による地球温暖化の防止などに多大な貢献をしている。
 こうした過疎地域が果たしている多面的・公益的機能は国民共有の財産であるが、それは過疎地域の住民によって支えられてきたものである。
 現行の「過疎地域自立促進特別措置法」は令和3年3月末をもって失効することとなるが、これまで過疎地域が果たしてきた多面的・公益的機能を今後も維持していくためには、引き続き、過疎地域に対して総合的かつ積極的な支援を充実・強化し、住民の暮らしを支えていく政策を確立し、推進させていくことが重要である。
 過疎地域に住み続ける住民にとって安心・安全に暮らせる地域として健全に維持されることは、同時に、都市をも含めた国民全体の安心・安全な生活に寄与するものであり、引き続き総合的な過疎対策を充実・強化させることが必要である。
 よって、国においては、次の措置を講ずるよう強く要望する。

1 現行の過疎地域自立促進特別措置法の失効後も過疎地域の総合的な振興を図るため、新たな過疎対策法を制定すること。

2 新たな過疎対策法の制定に当たっては、合併前の過疎市町村であった区域が不利にならないよう、過疎地域の指定要件等について配慮すること。

 右、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 令和元年10月4日

宮城県議会議長 相沢 光哉

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
財務大臣
農林水産大臣
国土交通大臣 あて

高齢者の安全運転支援と移動手段の確保を求める意見書

 平成31年4月19日に東京都豊島区東池袋で当時87歳の高齢者が運転する車が暴走し、母子2人が亡くなる事故が発生した。この事故が発生した後も、高齢運転者による事故が相次いで発生している。
 近年、交通事故の発生件数は減少傾向にあるが、75歳以上の高齢運転者の死亡事故の割合は高まっている。その死亡事故の要因として、ブレーキとアクセルの踏み間違いなどの操作不適によるものも目立つ。
 警察庁は、昨年末時点で約563万人いる75歳以上の運転免許保有者が、令和4年には100万人ふえて約663万人に膨らむと推計している。
 こうした状況を踏まえ、国は平成29年3月12日に施行された改正道路交通法で、75歳以上の運転免許保有者は、違反行為時や免許更新時に認知機能検査を受けることを義務付けたが、今や高齢運転者の安全対策及び安全運転支援の取り組みは待ったなしの課題である。
 また、過疎地域を中心に、生活の足として車が欠かせない高齢者も多い中、自主的に運転免許を返納した場合など、地域における高齢者の移動手段の確保も重要な取り組みである。
 よって、国においては、地方自治体や民間事業者とも連携しながら、総合的な事故防止策としての、高齢運転者の安全運転支援と地域における移動手段の確保を進めるため、早急に次の措置を講ずるよう強く要望する。

1 自動ブレーキ機能やペダル踏み間違い時の急加速を防ぐ機能など、運転手の安全運転を支援する装置を搭載した「安全運転サポート車」(サポカーS)や「ペダル踏み間違い時加速抑制装置」の普及を一層加速させるとともに、高齢者を対象とした購入支援策を検討すること。

2 高齢運転者による交通事故を減らすため、「安全運転サポート車」(サポカーS)に限定した運転免許の導入を検討すること。

3 運転免許を自主返納した高齢者が日々の買い物や通院などの移動手段に困らないよう、コミュニティーバスやデマンド(予約)型乗合タクシーの導入など、「地域公共交通ネットワーク」のさらなる充実に向けた財政支援を拡充するとともに、公共交通が撤退した過疎地域等に対し、自動運転導入に向けた環境整備を早急に進めること。また、地方自治体などが行う、運転免許を自主返納した高齢者が利用するタクシーや公共交通機関の利用料金の割引制度などを支援すること。

 右、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 令和元年10月4日

宮城県議会議長 相沢 光哉

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
経済産業大臣
国土交通大臣
国家公安委員長 あて

森林環境譲与税の譲与基準の見直しに関する意見書

 平成28年11月に発効した「パリ協定」の枠組みのもとにおける我が国の温室効果ガス削減目標の達成や、災害防止等を図るため、森林整備等に必要な地方財源を安定的に確保する観点から、森林環境税及び森林環境譲与税が創設されることとなり、森林環境税及び森林環境譲与税に関する法律が本年3月29日に公布された。
 森林環境税は令和6年度から課税されるが、森林環境譲与税の市町村及び都道府県への譲与は本年度から開始されることとなっており、その使途について、市町村においては、間伐などの森林整備、人材の育成や担い手の確保、木材利用の促進や普及啓発等に関する費用に、都道府県においては、森林整備を実施する市町村の支援等に関する費用に充てなければならないとされている。
 しかし、森林環境譲与税の譲与の基準は、森林環境譲与税総額の10分の5を私有林人工林面積、10分の2を林業就業者数、10分の3を人口で案分することとされているため、大都市と地方との間で配分額に著しく差が生じる結果となっている。森林環境譲与税については、地方が、間伐等の森林吸収源対策に係る安定財源の確保及び森林整備の円滑な推進を図るために強く要望した経緯があり、私有林人工林面積が大きく森林整備が必要な自治体に、より多く森林環境譲与税が譲与されるべきである。
 よって、国においては、森林環境譲与税の譲与基準について、新たに温室効果ガスの削減効果を基準項目に追加するとともに、私有林人工林面積・林業就業者・温室効果ガスの削減効果により配慮した案分割合に見直しするよう強く要望する。

 右、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 令和元年10月4日

宮城県議会議長 相沢 光哉

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
財務大臣
農林水産大臣 あて

お問い合わせ先

議会事務局 政務調査課政策法令班

仙台市青葉区本町三丁目8番1号

電話番号:022-211-3593

ファックス番号:022-211-3598

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