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1 招集日時 令和7年7月10日(水曜日)午後1時30分
2 招集場所 教育委員会会議室
3 出 席 者 佐藤教育長、小川委員、佐浦委員、鳩原委員、福與委員
4 説明のため出席した者
後藤副教育長、千葉副教育長、遠藤副教育長、沼田総務課長、高橋教育企画室長、須藤福利課長、工藤教職員課長、佐々木教職員課副参事兼総括課長補佐、本田義務教育課長、菊田高校教育課長、伊藤高校財務・就学支援室長、永田高校教育創造室長、佐々木特別支援教育課長、安倍施設整備課長、佐藤保健体育安全課長、三浦生涯学習課長、高橋文化財課長 外
5 開会 午後1時30分
6 第996回宮城県教育委員会臨時会会議録署名委員の指名、議事日程について
佐藤教育長 |
小川委員及び佐浦委員を指名する。 本日の議事日程は、配布資料のとおり。 |
7 秘密会の決定
7 議事
第1号議案 職員の人事について
第4号議案 宮城県図書館協議会委員の人事について
佐藤教育長 |
「7 議事 第1号議案 及び 第4号議案」については、不開示情報等が含まれているため、その審議等については秘密会としてよろしいか。 (委員全員に諮って)この審議等については、秘密会とする。 秘密会とする案件については、「10 次回教育委員会の開催日程」 の決定後に審議を行うこととしてよろしいか。 (委員全員異議なし) |
※ 会議録は別紙のとおり(秘密会のため非公開)
8 教育長報告
(1)宮城県立高等学校におけるパワー・ハラスメント事案の再発防止に関する検証報告について
(説明者:後藤副教育長)
「宮城県立高等学校におけるパワー・ハラスメント事案の再発防止に関する検証報告について」御説明申し上げる。
資料の左側を御覧願いたい。今回の検証報告書作成の経緯であるが、令和2年10月、県立高等学校において発生した、同僚の教職員Bから受けたパワー・ハラスメントにより、精神的に不安定となった結果、教職員Aが自死するに至った痛ましい事件を受け、自死した教職員Aの御遺族から、「二度とこのようなことが起きないよう、検証をお願いしたい。学校で起きたことなので、学校関係者以外の方も加えて検証してほしい。」との御要望を受けたことから、県教育庁として調査検証を進め、今回報告書として取りまとめたことから、報告するものである。
次に、経過について御説明申し上げる。
令和2年10月29日に、御遺族から、教職員Aが勤務する高校の校長に対し、再発防止に向けた検証の依頼があった。
御遺族からの御依頼を受け、令和2年11月以降、事故当時教職員Aが勤務する高等学校に在職していた教職員62人から、延べ149回にわたり聞き取り調査を行い、この調査を踏まえ、検証報告書としての取りまとめに向け、検証を行ってきたところである。
なお、検証及び報告書の作成にあたっては、パワー・ハラスメントに対する高い見識を持つ弁護士の監修を受けながら進めてきたところである。
そして、7月7日、御遺族に「宮城県立高等学校におけるパワー・ハラスメント事案の再発防止に関する検証報告書」をお渡ししたところである。
検証報告書の概要については、資料の右側、「2 検証報告書の構成」に記載のとおりとなっている。
なお、令和4年10月26日には教職員Aの自死に対する公務災害が認定され、令和6年2月2日には、教職員Bに対し、停職3月の懲戒処分が行われた。
県教育委員会としては、今回の検証報告書の完成を待たずに、再発防止策を策定し、以後、再発防止に向け取り組んできたところであるが、本報告書を踏まえ、より一層強力に推進していく。
なお、詳細については、教職員課長から報告する。
(説明者:教職員課長)
詳細について御説明申し上げる。
御覧いただいている資料とともに、公表用に報告書として取りまとめた別冊資料をお配りしているが、今回はその内容をまとめたA3の資料に基づき御説明する。冊子は適宜御参照願う。
はじめに、事故の概要について御説明申し上げる。
資料左上「事故概要」のとおり、県立高校の若手教職員Aが、同校の教職員Bからパワー・ハラスメント行為を受け、精神的に不安定となった結果、教職員Aが令和2年10月に自死するといった痛ましい事故が発生した。
先ほど、御説明したとおり、御遺族から検証の要望があったことから、県教育委員会として、教職員Aが在籍していた県立高等学校に当時勤務していた教職員からの聞き取り調査等を行い、それを踏まえ、再発防止に向けた検証を行ってきたところである。
検証の結果について、資料左側「検証」の欄を御覧願いたい。
教職員Bの行為については、事故に至るまでの経緯、教職員Aと教職員Bの関係性等を踏まえた検証の結果、県教育委員会としては、パワー・ハラスメントの3要素を全て満たし、パワー・ハラスメントに該当するものであったと認定し、令和6年2月に懲戒処分を行った。
また、今回、パワー・ハラスメントの未然防止・深刻化の防止の観点から、学校運営上の課題についても検証した。資料左下にある12の観点から検証し、それぞれの項目について対応が十分ではない状況であったと考えられることから、結果として、管理職である校長及び教頭には「予見義務違反」及び「結果回避義務違反」が認められ、重大な「過失」があったものと評価している。
これらの検証に基づき、県教育委員会としては、資料中央「再発防止に向けて」に記載のとおり、今後の取組の方向性を取りまとめている。
具体的には、教職員個人、管理職、学校組織全体の視点から取組の強化が必要な観点をまとめた上で、教育委員会の取組の方向性を取りまとめた。
まず、教職員個人にあっては、第一にパワー・ハラスメントというものをしっかり理解し、自らの言動を省みること、また、目の前で起きている事実がパワー・ハラスメントに該当する行為かどうかを評価できる意識と知見を持つことが必要であると考える。
更には、自身が被害者となった際にSOSの声を上げられるために、また、同僚職員が被害者となっているときに相談できるようにするために、パワー・ハラスメントに直面した時や体調に不調をきたした際の相談窓口を知ることが必要と考える。
次に、管理職については、第一にパワー・ハラスメントは絶対に許されないといった職場風土を醸成するに当たり、校内で研修の実施や校内ハラスメント相談体制の周知等に取り組むことが必要である。
その上で、日常から管理職である校長、副校長、教頭、事務室長といった、いわゆる「三役」が情報を共有し、事故発生時に「三役」間で対応策を協議する必要がある。また、パワー・ハラスメントは、管理職自身が部下に対して行ってしまうリスクもあり、その場合の抑止措置として、管理職同士の相互チェックも必要だと考える。
また、事故発生時には、被害者の支援や行為者への指導を含め、速やかな対応が求められる。
次に、組織全体としては、管理職の取組としても言及したようにパワー・ハラスメントの防止や発生した後の相談がしやすいような職場環境の醸成、コンプライアンス・チェックによる相互チェック体制の確保が必要である。
以上3つの観点から整理した内容を具体的に進めるために、県教育委員会としては、中央下段「教育委員会の取組」にある4つの観点により取組を整理した。
以上が再発防止に向けての検証報告書の概要であるが、県教育委員会としては、この報告書の完成を待たずに、令和6年2月2日、加害教員に対して懲戒処分を行った直後から、再発防止策を取りまとめ、資料右側「具体的な防止策の実施」に示したような取組を実施してきたところである。
パワー・ハラスメントの認識・理解を高めるための取組として、例えば、昨年4月には、学校におけるハラスメントの防止のためには、管理職へのアプローチがまず必要であると考えたことから、弁護士の監修を受け、県立学校の全校長を対象とした研修を行った。また、個々の教職員においても、パワー・ハラスメントをした・受けた・見たことがあるかどうかのセルフチェックを半年に1回実施していただいた。
また、組織的な対応について、トラブル発生時の管理職の対応をフロー図にまとめた「管理監督者の務め」を作成したほか、校長のリーダーシップ向上アセスメント、いわゆる校長の多面観測を全県立学校で実施した。このアセスメントは、所属教員が無記名で校長の姿勢等について5段階評価で回答するものであり、校長が自身の強み・弱みを認識し、風通しの良い職場づくりに資するものであると考える。
相談体制については、昨年2月に教職員SOS窓口を県教育委員会内に開設し、先月6月末で24件の相談を受け付けている。窓口に寄せられた相談については、相談者の意向を丁寧に伺いながら、必要に応じて所属長や人事担当部署にも情報を共有し、対応をしてきたところである。
ただいま御説明したように、令和6年2月以降順次取組を進めてきたところであるが、今回の検証の結果、本件事案においては、管理職の対応についても課題が見られたところである。このため、初任の校長・教頭に対する研修において、ハラスメント対策に特化した講座を設けることとし、ケーススタディを中心に、パワー・ハラスメントが疑われる事案が発生した場合の管理職としての適切な関与等について取り扱うことを考えている。
また、校長等の管理職を中心とした研修を実施してきたが、管理職のみならず、全教職員が自分事として捉えていくことが必要であり、県立学校職員におけるパワー・ハラスメント研修を悉皆で実施することを考えている。自らの言動をパワー・ハラスメントの定義に照らして振り返るとともに、教職員同士が互いのわずかな変化にも気づき、積極的に関わりあえるような組織づくりに資するような研修内容としたいと考える。
このほか、これまで実施してきた対策を継続し、内容について不断に検討を加え、パワー・ハラスメントの防止に強力に取り組んでいく。
本件については、以上である。
(2)宮城県いじめ防止対策調査委員会調査報告書(答申)について
(説明者:遠藤副教育長)
宮城県いじめ防止対策調査委員会調査報告書(答申)について、御説明申し上げる。
はじめに、資料の左側を御覧願いたい。
当事案の概要について御説明申し上げる。
平成30年4月、県立高校に入学した当該生徒は、入学当初から、所属する部活動の外部指導者による暴言、体罰、部員によるいじめや学校の不適切な対応により、平成31年4月に適応障害の診断を受け、令和元年12月以降は学校に登校できなくなり、令和2年4月に他の高校へ転学した。
当該生徒及び保護者から令和元年5月に県教育委員会へ、第三者による公平・中立な立場から、「外部指導者による体罰等の行為に起因して、部員によるいじめを受けたことや学校の不適切な対応により、心身に重大な被害が生じたので調査をしてほしい」旨の依頼があった。また、令和元年9月には外部指導者の体罰等と学校等の不適切な対応を先に調べてほしいとの要望が出され、令和2年1月31日、県教育委員会から県いじめ防止対策調査委員会に諮問し、調査が行われてきた。令和7年7月9日に、22回の特別部会と会議を経て調査報告書として答申があったものである。
長期間にわたる審議を経てまとめられた本調査報告書の内容を真摯に受け止め、このような事案が二度と発生しないよう再発防止に取り組んでいきたいと思う。
別冊の調査報告書については、後ほど御覧願う。
なお、調査報告書の内容については、高校教育課長から御説明申し上げる。
(説明者:高校教育課長)
調査報告書の概要について、御説明申し上げる。
資料の右側を御覧願いたい。
「3 経緯」から御説明申し上げる。
令和2年1月31日に宮城県いじめ防止対策調査委員会に諮問され、特別部会(第三者委員会)が設置された。
令和2年度から令和4年度までの間に特別部会21回、ヒアリング調査6回、アンケート調査が2回実施された。
令和5年7月14日に、第22回特別部会(最終回)が開催され、12月21日の第二回いじめ防止対策調査委員会において調査報告書(答申案)を審議し、令和6年2月に調査報告書(答申案)が完成した。
令和6年3月3日には調査報告書(答申)公表版を当該生徒保護者が確認している。
令和6年4月28日、対象生徒及び保護者から特別部会長宛てに再調査を求める意見書が提出されたため、以降、県いじめ防止対策調査委員に対し意見書についての見解を確認した。
また令和6年6月から12月にかけて、県教育委員会では、いじめ重大事態の調査に関するガイドラインに基づき、対象生徒保護者に追加調査の具体的な内容を確認するため連絡を取った。しかし具体的な内容は提示されないままであった。
令和6年12月から令和7年1月に県いじめ防止対策調査委員に対して見解を確認し、答申が行われることとなった。令和7年7月9日県いじめ防止対策調査委員会より答申を受けたところである。
資料の左側を御覧願いたい。
「4 答申概要」についてである。
(1)認定した事実関係
①外部指導者による体罰について
外部指導者は、正顧問から2度注意を受けたにも関わらず、対象生徒を「サル」と呼ぶことを止めなかった。
対象生徒が、記録会にて虚偽申告をしたため、多数の部員の前で厳しく叱責した。
腹筋を鍛えるためとの理由から、対象生徒の腹部を拳で叩いた。
対象生徒から、点取り勝負をしてほしいと何度も申し出があり、断っても近づいてきたため、近寄らないように義足を振り回すように前に出したところ、対象生徒に当たった。
他の部員に対象生徒のことを「むかつく」、「生意気」などと述べ、部活動内での態度、行動を批判した。
②いじめ関連について
上級生部員は、対象生徒に対し練習場の鍵当番を任せなかったり、鍵当番運用について苦言を述べたりした。
鍵当番のトラブルは正顧問のいない時に発生しており、対象生徒は練習時間が奪われると感じるとともに、疎外感を持つ状況が継続した。
外部指導者が雑談した際、対象生徒から注意されたことに対し文句を述べたり、練習を妨げられた際に、強い口調で「なんで邪魔するんだ」と述べたりした。
生徒による自主的な競技会が開催されたが、対象生徒への連絡はなかった。
③重大事態関連について
対象生徒は平成31年4月28日に仙台市内の医療機関を受診し適応障害の診断を受けた。平成31年4月以降、対象生徒は部活動への参加が少なくなり、令和元年12月以降は学校に登校できなくなった。令和2年4月に他の高校へ転学した。
資料の右側を御覧願いたい。
(2)検討結果
①外部指導者による体罰について
認定した事実を全て指導として許される範囲を逸脱した体罰と認定。
②いじめ関連について
対象生徒が外部指導者、正顧問、上級生部員との関係で疎外感を持つようになり、強い心身の苦痛を感じていたとして、いじめに該当する状況にあったと認定。
③学校の対応について
正顧問は、多くの部員の前で名指しで注意したり、上級生部員と対峙している様子を現認した際や担任から鍵当番にかかる相談を受けた際にも、特段の介入をせず、対象生徒の孤立を助長させた。
正顧問と副顧問との意思疎通や正顧問による保護者対応が不十分であったため、正副顧問間の意見交換がないまま副顧問が保護者対応を担い、保護者からの要請内容を教頭とだけ共有し、正顧問、校長とは共有しなかったことが、事後の経過に影響を与えた。
正顧問は、対象生徒から外部指導者からの暴行について相談を受けた際や、記録会での虚偽申告について、外部指導者から厳しい指導がされた際、保護者に特段の説明をしなかった。
教頭は、担当者が一人で課題を抱え込まず、学校組織としての対応に切り替える責任があったが、その職責を果たさなかった。
校長は、トラブルについて迅速な情報共有がなされず、組織としての対応が後手に回った結果、対象生徒が転校せざるを得ない状況を作り出した。不適切指導について、学校として事実確認を行い、保護者に回答すべきであったが、対応に至らず管理者として職責を果たさなかった。
資料の左側を御覧願いたい。
④重大事態関連について
外部指導者による不適切な指導や、学校の不適切な対応などが要因となって、対象生徒が心身の不調に陥り、学校に登校できなくなり、転校をも余儀なくされた。このようにしてもたらされた結果は、まさに重大である。その結果に対する学校としての責任は重い。
⑤宮城県教育委員会による対応について
県教育委員会が行った関係者からの聴き取り調査に関する資料は、関係者の供述要旨は記載されていたが、具体的な供述内容は保全されていなかった。
⑥本事案の総括について
部活動に関して、外部指導者、正顧問、教頭及び校長との間で学校教育の一環としての位置づけと教育的意義について、共有されていなかった。
外部指導者が担当できる役割や範囲を、学校が明確に伝えるべきであったが怠ったことにより、不適切な指導に至り、結果としていじめが起きた。外部指導者に対する教育や研修などの環境整備を行うのは、管理職の責任である。
学校の管理職が、もっと速やかに事実確認や保護者対応に入るべきであった。
以上が答申概要となる。
資料の右側を御覧願いたい。
県教育委員会としての「5 再発防止に向けた取組」についてとなる。
(1)部活動における指導体制の構築
①今回の事案を踏まえたこれまでの取組について
本来、教育活動の一環として行われる部活動は、スポーツや文化的な活動に興味と関心を持つ同好の生徒が、教員等の指導下、自発的・自主的に行うものであり、個々の活動の楽しさや喜びを味わい、学校生活に豊かさをもたらす意義がある。全教職員がその意義を理解し、生徒の能力・適性、興味・関心に応じつつ、生徒の個性や特性に寄り添い、健康・安全に留意しながら指導できるよう、この事案を受けて県教育委員会では、部活動指導者の研修のための「部活動指導者研修テキスト」及び研修用動画を作成し、これを活用した研修を各校にて毎年行うよう周知徹底した。
外部指導者が生徒指導をするまでに及んだり、威圧的で行き過ぎた指導に発展したりするなど、本来の役割から逸脱するような行為が行われないよう、研修テキストの中で管理職、顧問、外部指導者それぞれの身分や役割等を明確にした。また、顧問・副顧問と外部指導者が、連携・協力を図りながら、指導の在り方や指導計画、指導目標等についての認識を共有し、生徒の個性に応じた適切な指導がなされるよう、外部指導者も対象として、県スポーツ指導者研修会、県・地域クラブ指導者研修会を実施している。
②今後の取組について
今回の答申を踏まえ、社会の変化に合わせて、「研修テキスト」の見直しを図るとともに、学校現場での研修を徹底する。
部活動の指導において、外部指導者を任用する場合には、その役割が教員の技術指導の補完を担うものであるとの認識を管理職及び顧問等が深め、外部指導者が技術指導に専念できるよう各校への指導を徹底する。
資料の左側を御覧願いたい。
(2)体罰・ハラスメントの根絶
あらゆる教育活動において、「体罰やハラスメントは絶対に許さない」といった共通認識のもと、体罰やハラスメント防止に向けた指導資料集を活用した各校での校内研修会の実施を徹底する。
学校内にて「場合によっては体罰もやむを得ない」などといった誤った考え方を容認する雰囲気がないか、「体罰等防止のためのセルフチェックシート」等を活用し、常に個々が省みるとともに、管理職が個々と面談を実施し未然防止に恒常的に取り組む。
体罰やハラスメントに関して、直接生徒が管理職へ相談できるよう相談用QRコードを記載したポスターを校内に掲示するなど、生徒が相談しやすい環境を整える。
不適切な指導や体罰・ハラスメント等、生徒・保護者からの訴えがあった場合は、管理職が速やかに実態把握できる体制を整備し、事実関係に対して、学校内で情報共有を行い組織での対応を徹底する。
体罰を把握した場合、管理職は直ちに体罰を行った教職員等を指導し、再発防止策を講じ、学校組織として対応を行うよう、管理職への指導を徹底する。
資料の右側を御覧願いたい。
(3)いじめ問題の防止徹底
各校が定める「学校いじめ防止基本方針」に基づくアンケート調査等を活用し、いじめのみならず、不適切な指導や体罰・ハラスメント等を含めた諸問題の早期発見・早期対応を徹底する。
管理職のリーダーシップの下、教職員や外部指導員等が問題を一人で抱え込まないように、組織的な対応を行うよう各校への指導を徹底する。
県教育委員会及び学校において調査、聴き取りや面談等を行った場合は、記録を適切に管理することを徹底する。
いじめ問題の解決にあたっては、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーといった外部専門家との連携が有効であるため、連携体制をより一層強化していく。
これらについて、学校へ周知するとともに、取組への遵守を徹底し、二度とこのような事案が発生しないよう予防を図ってまいる。
最後に資料左側を御覧願いたい。
今後の流れとなる。いじめ防止対策調査委員会から答申を受けた後、県教育委員会では、対象生徒、保護者に対して、調査報告書の内容と再発防止策について説明するとともに、調査報告書及び対象生徒、保護者からの意見書を添えて所定様式による知事報告を行うこととなる。
私からの説明については、以上である。
(休憩:午後2時37分から午後2時39分まで)
(教育長報告(1)質疑) 小川委員
教職員課長
小川委員
教職員課長
佐浦委員
教職員課長
佐浦委員
鳩原委員
教職員課長
福與委員
教職員課長
福與委員 教職員課長
福與委員
教職員課長
小川委員
教職員課長 |
資料には考えられうる再発防止の提案があり、その1つ1つはごもっともだと思う。ただ、再発防止のベースを作る際の再発防止策と、いざ動かなければならない時の再発防止策は少し異なると思っており、その時々の状況によってすぐ動かなければならない、優先すべきことがあるように思う。今回のケースでは、やはり動きが遅く、教職員同士を引き離す対応をまず取らなければならなかった点が、重要なポイントだったと思う。このため、すぐに取り組まなければならないことは何かということについて、再発防止策の中でいくつか挙げられているが、少し見えにくいところだと思う。その点についてどう考えているか。 実際に職場内でハラスメントが起こった場合の対応についてのご指摘だと思う。管理職については、被害を受けた教職員への援助や、加害教職員への指導、当事者の引き離し等が必要であるが、まさにこの点が今回の事案では十分には果たせていなかったのではないかと考えている。報告書の方では53ページ以降に、実際に職場内でパワー・ハラスメントが疑われる事案があった際の、管理職に求められる取り組みについて記載している。例えば53ページの①では、「パワー・ハラスメントの加害者・被害者を時期に遅れず、速やかに引き離す」とある。今回の事案では、例えば6月3日から12日までの時点で、被害を受けた教職員Aが教職員Bに対し、「飛び退いて避ける」、「駆け抜け」、「顔を上げない」といった拒絶反応を表出させていることから、この時点での引き離しが必要だったのではないかと総括している。また、②「適時に被害者の家族の協力を得る」、③「被害者への配慮」、④「加害者に対する指導の徹底」等、今回の事案での具体的な介入のタイミング、介入のあり様も含めて、報告書で記載している。こうした内容を、新任校長・教頭に対する研修や再発防止策の中に入れ込み、徹底を図っていきたい。 以前も申し上げたが、私たちは結果を知っているため、ここが問題ではないかということを言えると思うが、いざこういう局面になった際に動けるかどうかが、1番重要なだと思う。このため①の部分をすぐできるかどうか、その時に管理者が動かなかったらどうするのか等を、現実の場面に即して研修を受けるなどにより対策について理解を深める必要があると思う。今後、そういう場面に遭った際にどう対応すれば良いかをどのように研修で伝えたり周知したりするのか。 現在検討している新任校長・教頭に対する研修では、パワー・ハラスメントの定義等の基礎的な理解を深められる内容のほか、ケーススタディを取り入れる。例えば、職場内でAさんとBさんにこういうトラブルがあった際の、管理職としての対応のあり方について、実際の場面に即して考えさせるような研修を計画している。 報告書には多様な対策の具体例が盛り込まれていることと思う。初動対応のスピードが1番大切ではないかと思う。この初動での滞りが少しでも少なく進めば、今回のように大変な年数が経過せず解決をもう少し早く促せたのではないかと思う。資料には、教職員SOS相談窓口が令和6年2月13日に開設され、24件の相談が集まっているとある。この内容は、全てでタイムリーに対応できれば問題になることを未然に防げる事例だったのか、あるいは今回のようなケースに陥りがちな、時間が経ち相談者が苦しむことがあったのかどうかなど、そのような情報があれば教えていただきたい。この24件についてはどのような内容が含まれているのか。 教職員SOS相談窓口は県教育委員会の中に設置している。相談者本人の希望も踏まえながら、教職員課や所属の学校に情報提供し、解決に向けて動いて欲しいという希望や相談があった場合は、そこから対応を進めていく。教職員課に情報の共有があったものについては、まさに職場内のトラブルで困っているといったような相談もあり、教職員課と所属校の校長とで連携しながら解決に当たってきたところである。 ちょうど2,3日前に、大学を卒業して2年程度の、小学校の教諭になったばかりの女性3人と会う機会があり、現在5年生の担任をしていると聞いた。私自身の教育委員としての身分は明かさなかったが、多くの話を人生の先輩として聞いているうちに、これは大変だと思う場面が多々あった。ある意味犠牲者と言うか、トラブルに巻き込まれないように少しでも準備しておくことが大切だと思っての質問だった。 具体的な再発防止策として、昨年の2月から様々な研修等が進んでおり、さらにそれを拡充するということで2つの取り組みの新設等の話があった。1つは新任校長・教頭に対する、ハラスメント対策に特化した研修の新設ということである。ケーススタディを中心にした場合、そのケースについて詳しく考えるだけでなく、その様々なケースから想定されることや、研修を受けた後に校長・教頭がそれぞれの学校の状況に応じて考えうることを、常に様々に想像しながら対応に当たっていくことが求められる。当然、再発防止であるため、ケースについてのみ理解ができたというところにとどまらないような研修が必要であると思う。二度とあってはならないことであるため、良い取り組みとなっているこの研修をより充実してほしいと思う。もう1つの、県立学校教職員におけるパワー・ハラスメント研修の悉皆実施については、全教職員が研修を行うという大変大事な取り組みであると思う。是非丁寧に進めていただきたいと思うが、その時、それぞれの教職員の気持ちの受け止めが、同じ職場、同じ組織、同じ状況の中でも、経験や職だけによらず1人1人異なることがあるということを、全教職員に改めて考えていただきたい。自分としてはこう思うということだけではなく、他の教職員の場合、同じような受け止めになることもあれば異なる受け止めをすることもあるためそれを肯定すること、1つの学校という組織の中であっても様々な受け止めが存在することを、組織的な対応ができるように強く自覚できる研修になると良い。是非、しっかりと再発防止策の拡充に取り組んでいただきたいと思う。 後半のご意見について、鳩原委員が話されたように、伝える側の観点だけではなく、どのように受け止められるか、どのように伝わるかという伝えられる側の観点が、まさにこのハラスメント対応では重要なポイントの1つだと捉えている。そうした観点を含めた形での研修内容となるよう、これから検討を進めていきたい。 1人の大人がこれから変わることは非常に難しいのではないかと正直思う。資料を見ると、おそらく加害教諭も注意してあげよう、教えてあげようと思ったことが、まさに先ほど鳩原委員が話したように、受け止め側には非常に傷つき辛いものだったと思う。この次のいじめ案件と関係すると思うが、その指導する後輩や同僚に対し、その人格までを否定するような、そこまで踏み込んではいけないということが1番重要なポイントであると思う。ケーススタディでいろいろなケースを想定するのは良いが、結局は人と人との関わりであり、それぞれ性格も話す文脈も異なるため、全てのケースを網羅するのは難しい。1つの事象に対して指導するところまでは良いが、その人の人格を否定することは絶対に行っていけないということが根本にないと、おそらくケーススタディのパターンを知るということで終わってしまい、根本的な解決策にはならないのではないかと思う。教員になって何年も経ってからではなく、教職員になった段階で、お互いに注意したり気がついたことを言えたりできる風土は良い環境で、そうできることは大事であるが、そこで人格を否定してはいけないということを研修などの土台にすると良いと思う。 今ご指摘いただいた人格の否定は当然、パワー・ハラスメントの要件を満たし得るものだと思う。ケーススタディを中心に新しい研修をと申したのは、まさにこういう場面に直面した時にどう動けるかといったところからすると、ケーススタディも有効かと思っている。一方で、ケーススタディという具体的な内容と共に、人格否定は行ってはいけないといった抽象的な概念や、パワー・ハラスメントの概念についての理解も同時にしていかなければ、このケースには対応できるがこのケースには対応できないということになりかねないため、抽象と具体とを往還するような研修にしたいと考えている。 SOS相談窓口はとても良いと思うが、これは匿名なのか。どのように発信できるものなのか。 匿名か顕名かは要件にしていない。匿名での相談や、学校名も言たくないという相談もあると聞いている。ただ学校名を明かされないと、教職員課に情報が来てもなかなか対応が難しいところもあるため、そのような場合SOS相談窓口は、傾聴しながら本人に寄り添っていくという対応をしていると聞いている。氏名は明かせなくても学校名をいただければ、教職員課での対応がある程度できると思う。 所属する大学で、医学生からの教職員に対するSOS窓口があるが、評価される側という意味で弱い立場だと、名前を明かしにくいようである。名前を明かし相談することは非常に勇気がいることだと思う。窓口が、最悪な事態にならないように引き止める1番の場所だと思うため、匿名でなく勇気を持って名前を明かして意見を言ってもらえるような工夫などがあれば教えていただきたい。 今仰っていただいたところが、SOS相談窓口の肝かと思う。教職員課の中にSOS相談窓口を置くとなると、人事権や任命権を持つ立場であるため、相談をしにくいだろうと思う。SOS相談窓口は、教職員課の下ではなく、教育委員会の中に置く窓口になっているため、相談された内容が自動的に送られてくるわけではない。相談者の希望で、教職員課も通じて対応して欲しいという場合は、教職員課に情報が来て、対応するというような形となっているため、相談の心理的ハードルは緩和できるかと考える。 感情的になり踏み込んでいくことを自分で認識できるかが難しい方は一定数いると思う。専門用語ではメタ認知能力と言うと思う。少し言いすぎているのではないか、この言葉は少し相手にきつかったかもしれないのではないかなどを意識し、自分の行動をモニタリングしながら制御していくと思うが、それが難しく強く言ってしまう人もいる。このため、メタ認知に関する研修や能力開発はあって良いと思う。また、教員採用試験の際に、熱意や使命感を訴える受験者がいると思う。子どもを育てる熱意や使命感は確かに大事なことであるが、それは表裏の関係があり、強い思いや使命感、責任感は良い場面では良い方向に働くが、悪い場面では悪い方向に働き、パワー・ハラスメントに結びつきやすくなると思う。熱意や使命感だけでなく、もう1つ冷静になれる自分を持つという観点で、教員の採用や研修をしなければならない。今の教員採用試験の資質・能力の面では、熱意や使命感が全面に出ており、冷静に客観的に状況を見ることができる能力も求められているということを示し、教員を採用していかなければならないと思う。 本県の教員採用でも7つの資質・能力を見ているが、その中に熱意や使命感も入っている。熱意や使命感はベースとして必要なものかと思うが、そこが表出した時に行き過ぎたものにならないかという観点は非常に大事なものだと考える。それは、同僚間のパワー・ハラスメントだけではなく、子供に対しても同様だと思う。そういう意味では、熱意や使命感だけでなく、子供を理解できているかという能力も見ているため、子供がどう受け止めてくれるかといった、自分の行為を振り返えるようなメタ認知のようなことも、重要になってくるかと思う。熱意や使命感と合わせ、冷静になりながら受け手のことも考え、自分の行為を客観的に見ることができるかということも大事にしながら、採用や研修等に取り組んでいきたいと考える。 |
(教育長報告(2)質疑) 佐浦委員
保健体育安全課長
佐浦委員
保健体育安全課長 小川委員
高校教育課長
福與委員
高校教育課長
福與委員 高校教育課長 福與委員 高校教育課長
小川委員
高校教育課長
福與委員
高校教育課長
福與委員 高校教育課長 鳩原委員
高校教育課長
福與委員
高校教育課長 |
令和2年の案件で、ある部活動の外部指導者とのトラブルが原因になったという流れだと思うが、令和2年における外部指導者はどういう位置づけだったのか、またいわゆる部活の外部委託の動きとタイミングがどうずれているのか。 外部指導者は、顧問教諭の専門的技術を補完する位置づけで、以前からいたものである。ところが、部活動指導員という新たな職ができ、県立中学校で平成30年から導入している。それに伴い、外部指導者については国から予算がなくなったため、令和2年度を最後に県で予算を使う制度はなくなった。制度的にはそうなっている。 令和2年度に事案が発生したというが、外部指導者に予算が降りる最後の年だったのか。 事案が発生したのは平成30年4月である。
佐浦委員の質問と関連するが、外部指導者と学校との関係性が気になる。学校としては人手が足りないところもあったため、外部指導者に強く言えず、また外部指導者に来ていただき部活の指導していただきたいという心理が働いてしまうのではないかと思うが、これについて調査委員会ではどう分析しているのか。 外部指導者についてはいわゆる技術指導を中心に担っていただくものであったが、この件の外部指導者については比較的地域の中で、高校生だけではなくて小学校中学校の生徒たちにも指導しており、地域の指導者のような位置づけもあったと聞いている。そのような状況下で、高校でも技術指導を担っていただいたという経緯はあったと思う。そういう点で、顧問からも信頼されていたと感じる。ただ、決して外部指導者に対してものが言えないという状況ではない。今回も、暴力行為があった際には、顧問から外部指導者に対して注意をしている。しかし、そのような中でも暴力暴言が止まなかったという背景があった。 外部指導者が正顧問から2度注意を受けたにも関わらず、対象生徒をサルと呼ぶことを止めなかったことについて、この時点で外部指導者を辞めさせるべきだったと思うが、この時点で辞めさせられなかったのはなぜか。 まさに委員の話すとおりだと思う。顧問が暴言を認識していながら、それを部で解決しようといったところもなく、そのまま放置するケースであり、顧問と副顧問との情報共有が不十分であることや、生徒の声を聞きながら見守るという体制で何もしていないという状況が伺われる。また教頭や校長にも情報が伝わっておらず、学校としての対応がなされていなかったことが、この事態を大きくしたのではないかと感じる。 このようなことについては、現在はもちろん情報を共有しているという認識で良いか。 そうであると認識している。 例えば、今後同じような事案があれば、外部指導者には辞めてもらうという認識で良いか。 様々なケースがあろうかと思う。指導者として良かれと思っている指導が実はその方向性が間違っているというケースもあろうかと思う。それを指摘や注意をして、正しい方向に修正できるのであれば、その方に続けていただいても問題ないのではないかと感じるが、改善されないのであれば、管理職も含め学校として対応し、辞めさせるという措置も当然あるかと思う。 対象生徒に暴言を言っているが、この外部指導者がこのようなことをするのは初めてではないのではないかと思う。これまでも生徒たちへの指導の中で暴言を言っている可能性があるが、この外部指導者に指導を依頼するに当たり、事前にこのような情報はなかったのか。この外部指導者に依頼して大丈夫なのかというのは、分かる人なら分かっていたかもしれない。このような情報は調査委員会の中で出ているか。 この外部指導者を任用する経緯は承知していない。ただ、先ほど申したように、その地域で生徒の指導をしているため、そうした意味では、そこが任用する時の1つの判断基準になったのではないかと思う。この対象生徒も、実は中学校の頃からこの外部指導者と関係があり、その頃から指導されていたと聞いている。 上級生部員が対象生徒に対し練習場の鍵当番を任せなかったり、鍵当番運用について苦言を述べたりしたことについて、これは対象生徒が何か失態を犯したからなのか、それともいわゆるいじめとしてやったのか。捉え方によっては、鍵当番は最後まで残らなければならず大変であるため、やらなくて幸運と思う生徒もいると思う中で、おそらくこの書き方だと、対象生徒は鍵当番をやりたかったが任せてもらえなかったということだと思う。その任せないことについて理由は述べられたのか。 阻害感という言葉が書かれている。当該生徒は当然、部活動を一生懸命やりたいという気持ちがある中で、持ち回りで担当する鍵当番を自分だけ任されない状況が一時期あったとされている。また任されても、例えば鍵明けが遅いことを上級生から苦言として言われ、またそうしたことが継続して行われたため、阻害感を強く持つようになったということを、調査の段階で聞いた。ただ、鍵当番を任せないことをわざとやっているかどうかということに関しては裏付けが取れておらず、不明確な状況である。 これはいじめに該当するのか。 様々な聞き取り調査により、鍵当番以外の要因も含め、いじめのガイドラインに則り、特別部会の委員がいじめに該当すると判断した。 答申を受け、教育委員会として今後、対象の生徒や保護者に関し、報告書や再発防止策等を説明するという段階に入ると思う。各委員から指摘があったように、外部指導者という制度的な変更はあるが、教員以外の方から指導を受ける場面というは現状でもある。それに対しての対応と、きっかけは外部顧問にあったとしてもいじめという認定になり、学校の活動内でもいじめを防止していくことを、対象生徒や保護者を初め、丁寧に説明していくことが必要ではないかと思う。また、今度は学校現場で再発防止に取り組むことになると思うが、説明・取組みの両方を、丁寧に検討し対応策を具体に進めていくことに力を入れてほしいと思う。 以前から部活動指導者に対する研修はあったが、外部指導者に対する研修はなかった。この案件の後、改めて見直しをし、外部指導者にも同様にその研修を受講させるように動いている。また、当然部活動になると、生徒は顧問に対して意見しにくいような状況もあると認識している。そのような中でも、生徒の声を拾えるような仕組みとして、相談用のQRコードを記載したポスター等を掲示している。顧問に意見が言えない状況の生徒がいれば、そのQRコードから顧問以外、例えば教頭のような管理職に直接繋がるような仕組みを作っている。また、SOSダイヤルやSNS相談も開設しているが、校内においても声を上げられるような環境作りに力を入れていきたいと考える。また、生徒が声を上げた時に、それを担任や顧問が1人で対応するのではなく、情報を周囲と共有し学校として対応できるような体制づくりも構築していきたいと考えている。今後校長や教頭が集まる会議や生徒指導主事が集まる会議で、事例として上げ、学校内の体制整備にも力を入れていきたいと考えている。 先ほど私が話したことに関して、いじめと認知されるのであれば、この外部指導者は通常の指導の中で、対象生徒が鍵当番のことだけではなく、ほかにも阻害感を覚えることや、いじめにあっていたことは分かっていたはずだと思う。再発防止に向けた取り組みの中で、「外部指導者が生徒指導をするまでに及んだり、威圧的で行き過ぎた指導に発展したりするなど、本来の役割から逸脱するような行為が行われないよう」とあり、外部指導者がそこまで踏み込まなくて良いのではないかという一文が書かれている。ただ一方で、生徒のことを1番よく分かっているのは外部指導者でもあるため、いじめがあり阻害感を感じる生徒がいると感じた時には、外部指導者による加害生徒への適切な指導が必要だと思う。そこについてどう考えるか。 外部指導者による指導は、部活動をする上では生徒の技術力向上につながる上、生徒もそれを望んでいる部分もあると承知しているため、指導が一律に悪いということではないと思う。生徒を1番よく分かっている外部指導者が生徒の変化に気づき、それを顧問と共有することが1番必要だと思う。また顧問も、外部指導者や生徒の声を聞いた時、そこに対応していくことが必要だと思う。そこに関して、顧問や外部指導者の役割を明確にするということを研修テキストの中で明記しているが、決して役割分担により情報を共有してはいけないということではない。情報共有しながら、個人で対応するのではなく組織として対応することについて、研修等も含め、指導していく必要があると考える。 |
9 専決処分報告
(1)第396回宮城県議会議案(追加提出分)に対する意見について
(説明者:後藤副教育長)
「第396回宮城県議会議案(追加提出分)に対する意見について」御説明申し上げる。
資料の右側を御覧願いたい。
地方教育行政の組織及び運営に関する法律第29条の規定により、6月13日付けで知事から、追加提出された予算議案について意見を求められ、専決処分したので、その内容について御説明申し上げる。
「1 補正予算の概要」を御覧願いたい。教育庁関係分として、表「令和7年度」【C】に記載のとおり、一般会計歳出予算2,520万円を増額計上したものである。
その内容であるが、「2 予算議案(教育庁関係分)」の表「概要」に記載しているとおり、各県立学校の給食費に係る食材価格高騰分を補助するものである。
このことについて、教育長に対する事務の委任等に関する規則第3条第1項の規定により、6月17日付けで専決処分し、異議のない旨回答したので、同条第2項の規定により報告する。
なお、専決処分をした本予算議案については、6月30日の県議会本会議において原案のとおり可決されている。
本件については、以上である。
(質疑) |
(質疑無し) |
(2)宮城県教育委員会に属する職員等の育児休業等に関する規則の一部改正について
(説明者:後藤副教育長)
「宮城県教育委員会に属する職員等の育児休業等に関する規則の一部改正について」御説明申し上げる。
資料の右側を御覧願いたい。
「1 改正の理由」であるが、地方公務員の育児休業等に関する法律及び職員の育児休業等に関する条例の一部改正に伴い、所要の改正を行ったものである。
本規則は法律及び条例の運用にあたっての手続き等を規定するものであることから、はじめに、法律等の改正の概要を御説明申し上げる。
「2 法改正等の概要」であるが、部分休業について、現行は勤務時間の始めか終わりに、1日につき2時間を超えない範囲内で勤務しないこととするものであるが、改正後は、1年度につき10日相当の範囲内で勤務しないことという形態が加えられ、職員はこのいずれかを選択し、いずれの形態も勤務時間中の任意の時間に請求が可能とされたものである。
法律及び条例の施行日は令和7年10月1日となっているが、経過措置として法律の施行日前においても、令和7年7月1日から施行日以降の請求等をあらかじめできるものとされている。
「3 規則改正の内容」であるが、部分休業の制度改正に伴い、第1号部分休業及び第2号部分休業の請求手続き等を規定するものである。
「4 施行期日」は、法律及び条例の施行日と併せ、令和7年10月1日としているが、「5 経過措置」として、施行日前においても、請求等を公布の日からあらかじめできるものとしている
このことについては、職員の育児休業等に関する条例が令和7年6月30日に県議会にて可決され、同年7月7日に公布されているが、本規則においても同日に公布をし、法律の経過措置に対応するため、教育長に対する事務の委任等に関する規則第3条第1項の規定により令和7年7月3日付けで専決処分したので、同条第2項の規定により報告するものである。
本件については、以上である。
(質疑) |
(質疑無し) |
10 議事
第2号議案 宮城県教育委員会に属する職員等の旅費及び費用弁償の支給規則の一部を改正する規則及び県費負担教職員の免職及び宮城県教育委員会の任命に係る職への採用の手続に関する規則の一部を改正する規則の一部改正について
(説明者:後藤副教育長)
第2号議案について、御説明申し上げる。
資料の右側を御覧願いたい。
はじめに、「1 改正の理由」及び「2 改正内容」であるが、地方公務員法の一部を改正する法律が改正されたことによる条項の移動に伴い、引用している条項の項番を変更するものである。
次に「3 施行日」であるが、公布の日としている。
なお、具体的な内容については、新旧対照表に記載のとおりである。
以上、よろしく御審議のほどをお願い申し上げる。
(質疑) 佐藤教育長 |
(質疑無し) (委員全員に諮って)事務局案のとおり可決する。 |
第3号議案 県立高等学校の授業料の減免等に関する規則の一部改正について
(説明者:遠藤副教育長)
第3号議案について、御説明申し上げる。
補足資料を御覧願いたい。
はじめに、授業料無償化の仕組みについて御説明申し上げる。
資料の左側の上の図のとおり、昨年度までは、保護者等の収入が概ね910万円未満の生徒に高等学校等就学支援金が支給され、授業料負担はなかったが、910万円以上の生徒は高等学校等就学支援金の支給対象外となり、授業料の支払いが生じていた。
今年度は、下の図のとおり、高等学校等就学支援金は従来どおりであり、従来の支援金が支給されていなかった生徒に対し、新たに高校生等臨時支援金が支給され、所得制限なく、授業料の実質無償化が実現されることになった。
次に、資料右側の一番右端「高校生等臨時支援金」の部分を御覧願いたい。高校生等臨時支援金の申請は7月に行うが、まずは従来の支援金の認定作業として、保護者等の所得確認を行い、その後、従来の支援金が不支給判定となった生徒を対象に、高校生等臨時支援金の審査を行うため、認定時期は10月頃となるものである。現在、本規則において、4月の従来の支援金の申請により、第1期分の授業料等の徴収期限は、3月を経過した日である8月15日まで変更することが可能となっているが、この時点では高校生等臨時支援金の認定を終えていないため、第1期分の授業料等の徴収期限を、第3期の徴収期限である11月15日まで延長するため、改正を行うものである。
最後に、「3 施行日」であるが、公布日での施行としている。
なお、具体的な改正内容については、新旧対照表に記載のとおりである。
以上、よろしく御審議のほどをお願い申し上げる。
(質疑) 佐藤教育長 |
(質疑無し) (委員全員に諮って)事務局案のとおり可決する。 |
11 課長報告
令和7年度公立高等学校入学者選抜学力検査の分析結果について
(説明者:高校教育課長)
「令和7年度公立高等学校入学者選抜学力検査の分析結果について」御説明申し上げる。
それでは、資料左側を御覧願いたい。
はじめに、「1 目的」であるが、本分析は、入学者選抜における学力検査問題について妥当性を検証し、今後の問題作成の改善に役立てること、また、検査結果から受験者の学習成果の実態を把握し、中学校における学習指導の参考とするものである。
次に、「3 分析結果」の「(1)平均点」についてである。こちらについては、4月の教育委員会定例会で速報値を御報告したが、確定値として改めて御報告するものである。
次に、資料右側を御覧願いたい。
「(2)総点及び各教科の得点分布 」については、御覧のとおりとなっている。特に、英語については、昨年度は下位の割合が大きいことから得点の二極化が起きていたが、今年度については、昨年度よりは改善されたものの、同様の得点分布となっている。
次に、資料左側を御覧願いたい。
「(3)各教科の概況」については、全日制課程の受験者のうち、学科のバランスを見ながら50校から400人の答案を抽出し、教科ごと、小問ごとにその状況を分析考察し、各教科の概況をまとめたものとなる。各教科の概要については御覧のとおりとなる。
一番下の「まとめ」に記載のとおり、各教科に共通して、基本的な知識や事象の理解は定着しており、与えられた情報から必要なものを読み取る基礎的な能力は身に付いているが、複数の資料から情報を読み解き、関係性や規則性を見いだす力や、論理的に考察し、自分の考えを明確に表現することに課題が見られた。
次に、資料右側を御覧願いたい。
「(4)今後の対応」についてである。中学校・高校ともに、基礎的・基本的な知識・技能の確実な習得を図りながら、それらの知識・技能を活用して課題を解決するために必要な思考力、判断力、表現力等を育成する必要がある。
そのため、各教科においては、生徒が主体的に学習活動に取り組む場面の設定や、探究的な学びの中で課題解決への見通しをもって学習に取り組む活動の実践、協働的な学びの中で事象を多面的、総合的に考察し表現し合う経験の充実など、授業の構成や指導のあり方を一層工夫し、改善していくことが必要であると考える。
各教科の授業づくりのポイントについては、御覧のとおりとなる。
詳細については、「令和7年度 公立高等学校入学者選抜 学力検査の分析結果」の冊子にまとめ、中学校、高等学校および関係各所に配布する。
なお、これまでは抽出した答案による集計結果を基に分析してきたが、今年度の入試からはデジタル採点を導入することから、より正確な分析が可能になるものと考えている。今後、分析方法についても検討し、その結果を中学校・高校双方の指導に活かしていきたいと考える。
本件については、以上である。
(質疑) 福與委員 高校教育課長
福與委員 高校教育課長
福與委員 高校教育課長
福與委員 高校教育課長
小川委員
高校教育課長
福與委員
高校教育課長
福與委員
高校教育課長
小川委員
高校教育課長
小川委員
高校教育課長 |
得点が0点の生徒がいるが、これはどの教科においても0点なのか、それともある教科だけ0点なのか。 全ての教科で0点である。1時間目の国語の試験開始後に具合が悪くなり、本人の希望で別室受験となったが、結果として点数が取れなかったと聞いている。 数学で特に0点の生徒が多いような印象を受けるが、このことについてどう考えるか。 数学については、昨年度より若干平均点が下がっている状況が見られた。今年度の受験生について分析したところ、苦手な分野、苦手な出題形式になっていたことが、点数が伸び悩んだ要因ではないかと分析した。全国学力状況調査においても、全国の正答率に対する分析の中で、図形や関数、データの分析の正答率は上昇傾向にあるが、計算の基本となる数と式については、正答率が下降している現状もある。その生徒たちが今回の入試を受けているという状況も踏まえた時に、入試の分析結果を見ると、正負の数の計算技能を問う問題などを見ると、比較的上位層の生徒たちも計算を間違うものが多かったということが、分析から分かっている。また、問題文を読み解き基本的な知識をどのように活用したら良いかという、思考や判断を要する問題も出題しているが、成績上位層の生徒たちでも得点を取れていないといったような状況があり、今回は苦手な出題だったのではないかと思う。得点を取れてない0点の生徒が多いことに関して、それが直接の要因になるかどうかは、より分析をしてみないと分からないと考える。 得点分布について、英語以外の教科は正規分布になっているが、英語の得点の2極化については、どう考えるか。 今年度の入試を受けた生徒は小学校3年生から英語教育が登場した最初の生徒である。小学校の英語でも比較的語彙が増えてきている。全国学力状況調査の結果において、「国語の勉強は好きですか」のような質問については、国語は63.8%、数学は56.1%であるが、英語は49.1%であり、好きと答える割合が下がっている状況がある。また、「国語の授業の内容はよく分かりますか」のような質問については、国語は81%、数学は71%であるが、英語は61%であり、よく分かると答える割合が低くなる傾向があり、英語に苦手意識を持った生徒が多くいることが結果から伺える。実際に、義務教育段階での英語の学習内容は大きく増えている現状もある中で、英語が得意だという生徒がいる一方、やはり苦手意識を持つ生徒も一定数いることが、今回の分析結果に反映していると考える。 今後の小中学校での英語教育における今後の展望はあるか。 現在、中学生は英検IBAを受験し、生徒の英語力を把握し、授業改善に活かしていく取り組みを行っている。今年度は、高校2年生でも英検IBAを受験し、生徒の英語力を把握し授業改善につなげていく。中学校と高校での英語教育の接続といったことも考えながら、取り組みを進めている。先日、国で実施した英語教育の実施状況調査が発表された。昨年度は宮城県の成績が悪かったが、今年度は成績が若干上がっており、英語の取り組みに力を入れていることが徐々に成果として出てきているのではないかと考えている。全国平均からするとまだまだ成績が低いため、系統立てて英語教育に取り組んでいきたいと考える。 ICTを導入して久しくなるが、ICTの活用が学力向上にどう影響しているか知りたい。県内全ての学校が等しくあるレベルでICTを活用しているかどうかは少し疑問ではあるが、ICTを有効活用している学校とそうでない学校で比較したらどうなるか、ICTの活用が1番適している教科が何なのかを知りたい。そういったICTの分析や評価が結果に入っても良いと思うが、一目見ただけでは分からない。このような分析が可能かどうか知りたいと思うが、どうか。 おっしゃる通り、ICTの活用がどう学力に結びつくかという分析は必要だと考える。ただ、この入試の分析結果に関しては、ICTの活用の結果が見えにくいところもあり、現状ではそこに特化した分析をまだしていない状況にある。先ほどお話しさせていただいたが、今後デジタル採点になるため、全数把握が可能になる。これまでは抽出した学校の、特定の生徒400人の分析をしてきたが、抽出した生徒の分だけ紙で採点結果を書きデータに移す作業があり、煩雑な作業を要した。バランス考慮した抽出を行っているが、今後は全数調査になるため、小川委員が話すようなICTの効果のようなところも意識しながら、次回の分析につなげたいと考える。 各教科の今後の授業づくりのポイントは、平均点層の生徒の学力を良くするためのポイントなのか、それともいわゆる0点を取る下位層のボトムアップのためのポイントなのか。 いわゆる平均点レベルの生徒だけを抽出しているということではなく、学科のバランスや成績のバランスを考慮して無作為に出した400人の数字を使っている。50校の学科から抽出をしているため、大まかな全体の傾向は出すことができるが、これが全数調査になった時、どのような傾向が出てくるかは実際に実施してみないと分からないと感じる。今後は全数把握ができるため、分析の状況も踏まえ、次回以降の教科改善、学習改善に関するまとめを作れるのではないかと考える。 それでは成績上位層はおそらく物足りなく感じるのではないかと思う。成績上位層には上位層にあった学習のポイントが、平均点を取る生徒はさらに良い点を取るための学習ポイントが、そしていわゆる成績下位層は何らかのつまずきや特性に応じた個別の学習ポイントがあると思う。そういう意味では、全数調査での分析が、どこまで効果にむすびつくのか気になる。おおよその人数の把握には良いが、成績上位層・中間層・下位層で学習ポイントを分けた方が宮城県の教育のアピールになると思うが、どうか。 授業づくりのポイントについては、分析の目的が中学校における学習指導の参考とするというものであるため、中学校での授業づくりの視点としてポイントを示している。別冊資料ではかなり詳細に分析をしている。例えば、別冊資料の20ページでは数学の正当率、無答率、調査書の総点別得点率のそれぞれで分析をしている。資料左側の正当率、無答率については、左側から伸びている棒が正当率になり、右側から伸びている棒が無答率となる。例えば第2問の大問1(1)正負の四則計算では、正答率が64%に対し、無答率が1.3%と非常に低くなっている。総点別得点率では、調査書の得点が111点以上の生徒をA層、88点から110点の生徒をB層、87点以下の生徒をC層に分け、それぞれの層の得点率を分析している。例えば第2問の大問1(1)正負の四則計算では、A層の生徒の正当率は84.4%となっているがC層の生徒の正答率は47.1%となっている。ところが、第4問の大問4では三角形の面積を求める問題であるが、無答率は53%であり、A層の得点率は9.6%、C層に至っては0%となっている。このように、この冊子の中ではそれぞれの問題ごとに具体に分析をしており、これを中学校に配布し、授業づくりに役立ててもらっている。また、この冊子を使った研修も行われている。 このデータは非常に興味深い。非常に正答率が低く無答率が高い問題は、そういう問題に時間をかけていないのか、学期の最後の方で学習する内容の問題なのか、それとも生徒の理解力の問題なのか。 生徒の心理的なところまでは読み取れないが、例年、数学の最後の問題第4問は比較的難しい問題という印象がおそらくあるのではないかと思う。成績上位層の生徒はチャレンジしていると思われるが、下位層の生徒は手前の問題で時間を使い、最後の問題まで届かなかったのではないかと思う。 全体の平均がこのような分布になり、また詳細に見るとどうなるか分かった。まず成績上位層、下位層、中間層の生徒の達成目標があり、それをどれだけ達成しているかという評価の仕方でこの学力検査を見た方が良いかもしれない。手が回らない問題も含めた平均を比較してもあまり意味はないのではないか。 手が回らないかどうかは定かではなく、実際は取り組んだが点数が取れないこともあると考える。そこは実際の答案用紙を見ながら分析をしなければならないと思う。成績下位層の生徒が点数取り、上位層が伸び悩むような問題もあるため、そこも含めて1問1問丁寧に分析する必要があると考える。先ほど説明した全数での比較になった時にどういう結果になるのかは、まだ実施していない状況もあるため、改めて来年、詳しく分析したいと思う。 |
12 資料(配布のみ)
(1)教育庁関連情報一覧
(2)算数チャレンジ大会2025
(3)東北歴史博物館夏季特別展「世界遺産 縄文」
13 次回教育委員会の開催日程について
佐藤教育長 |
次回の定例会は、令和7年8月5日(火曜日)午後1時30分から開会する。 |
13 閉会 午後3時26分
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