みやぎ高度電子機械産業振興協議会/活動紹介/半導体・IoTセミナー
活動紹介/平成29年度半導体・IoTセミナー
平成30年1月31日(水曜日)に、ホテルレオパレス仙台にて、半導体・IoTセミナーを開催しました。
講演
講演1 『半導体製造装置の市場動向及びSEAJ需要予測とIoTについて』
【講師】一般社団法人日本半導体製造装置協会 専務理事 森岡 國男 氏
【要旨】
- 半導体市場は46兆円。その約2割程度が設備投資にまわるため、約6兆円が半導体製造装置市場。そのうち日本のシェアは30%程度だが、現在の好景気により製造装置市場が拡大し、日本製の売上げは史上初の1.9兆円を超える見込み。
- 設備投資を国別で見ると、アメリカ、台湾のボリュームは大きいが、特に韓国の伸び率が高い。中国は見込み値は高いが、現時点では影響は小さい。
- 半導体需要のひとつがIoTの進展。特に、ものづくり企業ではマシニングセンター等加工機からの運用管理・予兆管理等に需要がある。
講演2 『製造現場における無線通信への期待と課題』
【講師】国立研究開発法人情報通信研究機構 丸橋 建一 氏
【要旨】
- 工場内においては、有線通信にも優位点は大きいが断線のリスクとライン組み替え等の不便さから無線通信のニーズが高まっている。一方で、無線通信においては、無線が切れないことが前提になるため、工場内のノイズや周波数帯等にリスクがある。
- 市場のニーズは既存の加工機に後付けして運用管理等を行えること。しかし、低コスト、手軽な導入が課題。そこで複数無線システムの協調制御・安定化機能やインターフェイスの標準化が課題となるが、これに対応した標準化を目的とした組織を設立した(FFPA)。工場内でのIoT活用による生産効率化を目指し、今後もNICTでは研究開発を進める。
講演3 『IoT時代の情報セキュリティ技術』
【講師】東北大学電気通信研究所 教授 本間 尚文 氏
【要旨】
- IoTの進展によって新たな脆弱性が拡大、出現している。サイバーテロ等の攻撃はネットでつながれた全てのものが対象となるため、自宅も車も身体も危険な状態にさらされてしまう。これまで以上に、ハードウェアセキュリティの需要が高まっている。
- 多種多様な端末に高度なセキュリティが求められるが、全ての端末に十分な計算・メモリソース(容量)があるわけではないため、より軽量な暗号技術が必要となる。
- 軽量暗号は10年以上前から研究が進められ、現在も新しいさまざまな方式が提案されている。IoTの進展に伴い、軽量暗号の更なる利活用が期待される。