ここから本文です。
先週、参政党の神谷代表が仙台にお越しになり、2箇所で街頭演説をされました。その際に、甚だ不適切な発言がございましたので、それに対して謝罪を申し入れましたが、昨日申し上げましたとおり、現時点において全く何も返答がないということです。その点について、マスコミの皆さんから取材要請がありましたのでお答えしたいと思います。
神谷代表は、『宮城県が水道事業を外国に売り渡した、外国の企業に売り渡した』というような間違った発言をされました。たくさんの聴衆がおられる前でそのような発言をされたということです。
ここにいらっしゃる皆さんに、はっきり申し上げますが、宮城県は水道事業を日本の企業であれ、海外の企業であれ、売り渡した事実は全くございません。所有は宮城県にございます。
そして、水道料金を上げたり下げたりする時には、県議会の議決が必要ということになっております。
この事業が始まる前も、宮城県は水道事業を『指定管理』という形で外部に委託しておりました。全て直営でやっていたわけではありません。それと同じような仕組みで、企業に管理をお願いしているということです。何が違うのかについては、この後お話しいたします。
それから、2点目、『海外の企業が議決権を持っている』ということですが、全くそれも誤りです。みずむすびマネジメントみやぎという会社が管理を受託しておりますが、この会社の議決権は51%がメタウォーターという日本の企業です。海外の企業では決してございません。
そして3点目、『そのみずむすびマネジメントみやぎの中にヴェオリア・ジェネッツという外資系の企業が入っている』という事実については、入っております。しかし、ヴェオリア・ジェネッツは、この宮城の水道事業だけでなく、他の水道事業も受託されている会社です。
例えば、千葉市の処理場はJVでヴェオリア・ジェネッツが一部受託されております。他にもあるかもしれません。したがって、しっかりと実績のある企業ということです。
ヴェオリア・ジャパン(ヴェオリア・ジェネッツの親会社)の会長の野田さんは、経団連の副会長もされており、経団連も『立派な企業だ』と高い評価を与えていることの何よりの証拠だと思います。
神谷代表は『ある番組が自分の意に沿わなかった、間違った報道をしている』ということで、BPOに諮るというようなことをおっしゃっているようですが、まずは自分の襟をしっかり正していただくことの方が優先すべきではないでしょうか。
今、選挙中だから何を言ってもいいというものではございません。あれを聞いた県民の皆さんは非常に不安に思ったのではないかと思いますので、私はそのような嘘を堂々とつくようなことを選挙の時にすべきではないと考えます。しっかりと真実を、また事実を勉強し、知った上で発言をなされなければならないと思います。
この選挙中、19日までに返答をとのことだが。
返答いただきたいということを申し入れましたが、昨日、東京事務所の職員が神谷代表の秘書の方に書面をお渡しいたしました。名前も把握しておりますが、その方にお渡しし、神谷代表と話しますと伝えられておりましたが、未だ何の返答もないということです。非常に憤慨しております。
選挙中だから何を言ってもいいということはありません。しかも、宮城県の大切な命の水を海外の企業に売り渡すなどということはありえませんよね。よくそのようなことを堂々と人前で言えたものだと、本当に失礼な人だと私は思っております。
その上で、今までの指定管理と今回のみやぎ型管理運営方式の『違いは何か』ということについて説明します。簡単に説明しますと、3点あります。
1つは、これまで浄水場、下水処理場、工業用水処理場が全部で9箇所ありました。それぞれを別々に指定管理でお願いをしておりました。そうすると、すみ分けができてしまい、競争原理が働かなくなってしまいます。そこで宮城県は、これら9箇所を1つにして、事業者に管理を任せることにいたしました。競争原理が働くようにした、ということです。
もう1つは、指定管理の期間が4年、5年と非常に短かったのですが、今回は20年間といたしました。競争原理が働くのと同時に、20年間であれば様々な投資をしたり、工夫をしたりすることができるようになるということで、20年間としたということです。
そして3つ目、これが非常に大きい点ですが、今までの指定管理では、『いつどのような薬品を投入してほしい』『いつ機械を交換してほしい』というように、仕様書を作成し、その仕様書通りに実行してくださいというものでした。つまり、企業の創意工夫が活かしきれないようになっていたということです。
しかし、今回はそれを『性能発注』に変更しました。水質基準は今までよりも厳しい基準にしましたし、我々も毎日チェックします。そして、企業の皆様にもチェックしていただき、経営のチェックもしていただき、その上で、あとは民間の自由な発想で様々な創意工夫をしてくださいということにしたということです。
仕様発注から性能発注に変わったということです。それによって、現在どのような変化が起こったかと言いますと、例えば浄水場で言えば、事業所ごとに決められた薬品を購入しなければなりませんでした。浄水場の薬品は、安全性を確保するために非常に高価です。
それを9箇所の事業所を1つにし、全国から様々な事業者が参入していますので、そのような事業者から安く薬品を仕入れ、同じ効果のある薬品を安く仕入れて、少しでも経営のプラスになるようにしています。
あるいは、これまで9箇所の事業所それぞれにモニターがあり、それぞれに職員を配置していましたが、それを中央で集中管理するようにし、少ない人数で管理するようにしました。
また、機械を定期的に交換するというのがこれまでのやり方でしたが、その機械の上にセンシング機器を置いて、インターネットを通じて機械の異常をいち早く調べることによって、機械の更新時期を悪くなりそうな手前で交換するといった工夫もされています。このように工夫をして利益を上げる努力をされているということです。
しかし、残念ながら、現在非常に経営状況が大変です。物価高の影響もあります。その中でも歯を食いしばって、宮城県との約束を少しでも果たしたいと思って頑張っておられます。他の県では水道料金がどんどん上がっている中で、宮城県は水道料金を今のところ上げないような努力と工夫をしてきました。
人口が減っているため、いずれ水道料金は上がることになりますが、上げ幅を抑えることができるということです。
今回の神谷代表の発言は、『選挙中だから』とか『表現の自由だ』ということを逸脱し、許しがたいことでしたので、はっきりと抗議をさせていただいたということです。
あわせて、河北新報も、インターネット記事で誤った記事を書いておりました。いつの間にか訂正しておりましたが、それに対しての説明がまだ何もありません。また今日の新聞記事も一部数字が間違っておりましたので、改めて河北新報の編集局長に抗議申し入れをさせていただくことになりました。
神谷代表の発言を、知事が知った経緯を教えていただけるか。
知人から、『宮城県の上下水、みやぎ型管理運営方式に対して、多くの聴衆の前で堂々と話されていた』という話があった。そこで、事実を確認したいと思い調べたところ、YouTubeにその内容が掲載されていたので、自身の耳目で確認させていただいた。
当日ご覧になったと。
翌日にネットで見ました。
抗議文を出すというのは、知事のご判断か、それとも担当課のご決断か、どのような経緯で出すに至ったのか教えていただけるか。
職員と『このような発言があったがどうするか』ということで皆で議論した結果、『これはしっかりと抗議しなければならない。このようなことが今後も起こることがあってはならないだろう。選挙中であれば、選挙中に謝罪し、訂正してもらうことが重要ではないか。このような嘘を平気で言うようなことがあってはならない』ということを皆で意思決定し、抗議文を出したということです。
神谷氏は、今知事が発言されたことを深く知っているか分からないが、遊説先で記者団から問われ、『某会社の議決権株式の議決権保有率が51%で外国資本だ』という説明をしているが、それについて改めて知事の方から反論などあればお願いしたい。
いや、もう先ほど申し上げた通り、全くの間違いです。
管理を委託している会社で、議決権の51%を保有している会社は、日本の、純粋な日本の会社です。外資系の企業ではございません。
もっとしっかり勉強なさった方が良いと思いますね。ネットでそのような記事が一部掲載されているのは事実ですが、そのようなものだけをざっと見て、それが真実だと考えるようなことはしてはいけないと思いますよ。しっかりと、本当にそうなのかどうかというのを調べてください。公党の代表なのですから、そのようないい加減な嘘をついてはいけませんよね。
間違ったことを言ったら、『申し訳ありません、間違えました』と言わなければなりません。今でもまだ間違っているのです。このように抗議文を出して、私どもから代表に伝わっているにもかかわらず、まだ間違ったことを言っている。もし私どもが事実を伝えており、彼がそれを知っているとするならば、知らないのではなく嘘をついているということです。
それは良くないことです。嘘をついたのですから。私どもは(神谷氏の)事務所に書面を届けましたから。誰に届けたかも記録がありますから。そして、その担当者から神谷代表にしっかり伝えますと、昨日そう言っていました。その上で今日の話です。そのような話になっているということは、嘘をついているということになります。私は許せません。
あえて選挙期間中に出されたということについて、もう一度ご説明いただけるか。
あの発言を聞いて、それで投票行動に移ろうと思った方もいらっしゃるかもしれません。それはやはり間違いですから、選挙中にしっかりと訂正をしていただく、あるいは間違っていることをお伝えする。これは、正しい選挙を行うという趣旨からも、私は必要なことだと考えました。
知事は今回の選挙で自民党候補を応援する立場だが、今若干勢いがあるとされている参政党への抗議なので、政治的なスタンスも問われかねない部分もあるかと思う。それについての知事からのご見解と説明をお願いしたい。
私は参政党が他に主張されている部分に対しては何も申し上げておりません。間違ったことに対してのみ伝えているのですから、これは当然の権利であり、私は知事としてやるべき義務だと考えております。
先日、記者会見でも、参政党とは申し上げなかったが、『間違ったことを根拠に主張しているのではないか』という質問をさせていただいた。改めてですが、今回このように勢いのある政党に対して事実ではないということが発信されたことについて、どのようにお感じになっているか改めてお伺いする。
やはり少なくとも、その場にいた方々ですね。その場にいた方々、そしてそれを聞いて、私にはYouTubeから拍手の声も聞こえました。つまり、『神谷代表のおっしゃる通りだ。宮城県は大切な命の水を海外資本に売り渡したのだ』と感じた方がいらっしゃるわけですから。そのような方たちに、今の私のこの考え方、声がしっかり届き、『そうではないのだな』ということを理解していただければ、このような意見を申し上げて良かったということになるだろうなと思います。
『県民の方が不安を感じる可能性がある』と、その神谷氏の発言を聞いて思ったとのことだが、実際に県に県民の方から何かそのような意見や問い合わせは寄せられているか。
既に私がこのようなことを申し上げたことに対しては、参政党の支持者の方から様々な意見が届いているようですが、間違ったことは何も言っておりませんので、そのような方たちに私の考え方が伝わって良かったと思っています。
19日までに謝罪と訂正を求めると伝えていると思うが、これがもしなかった場合の対応は考えていらっしゃるか。
まだ分かりません。まだ求めているだけです。
どのレベルの謝罪や訂正を求められるのか。神谷氏ご本人が直接謝罪するというところまで求められるのか、どのような形を期待されるのか。
いや、それはもう選挙中にそこまで求めるべきではないと思いますね。少なくとも、党としてホームページなどにきちんと掲載し、あるいは神谷氏自身の言葉で、『間違っておりました』とはっきり言った上で、『どこどこに掲載しておりますのでご覧ください』ということをご連絡いただきたいと思っています。
これ、非常に大きな問題なのです。そのような情報が伝わっていくと、選挙だから何を言ってもいいと思ってしまうのは決して違いますよね。神谷代表がお話しになったこと、他に発言されたことが正しいかどうかまでは私は検証しておりません。それは選挙ですので、別に抗議がなければ良いと思うのですが、この件に関しては、やはり私は許しがたい。絶対に間違ってはいけないことです。そのようなことをするはずがないのですから、『外国資本に売り渡した』などというありえないことを堂々とああいう場所でおっしゃるのは、理解できません。
2022年の導入時の議論の際にも、やはり一部の政党や民営化、あるいは外資が入ってくることへの反対意見があったが、その際にもそのような抗議はされたか。
議会できちんと答弁しました。
議事録を読んでいただくと分かると思いますが、議会で答弁しました。いろんな団体から話があった時も、できるだけ丁寧に説明をさせていただきました。
一県民や団体がおっしゃることと、政党の代表が発言することでは全く意味合いが違ってきますよね。
一人ひとりが様々な個人の意見をお持ちだと思いますので、色々なことをおっしゃるのは、自由に発言して誤解されてもやむを得ない部分があると思うのですが、一政党の、しかも非常に勢いのある政党の代表が、マイクを持って駅の前で、仙台市内で多くの宮城県民に向かって、あのようなでたらめな情報を流すということは、私はとても許すことができない、ということであります。
お問い合わせ先
より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください
重要なお知らせ
こちらのページも読まれています
同じカテゴリから探す