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掲載日:2020年11月25日

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第三百七十六回宮城県議会知事説明要旨

令和2年11月25日

第三百七十六回宮城県議会知事説明要旨

本日ここに第三百七十六回宮城県議会が開会され、令和二年度一般会計補正予算案をはじめとする提出議案を御審議いただくに当たり、最近の県政の動きと議案の概要を御説明申し上げます。

説明に先立ちまして、今月八日、天皇陛下におかれましては、立皇嗣宣明の儀において、文仁親王殿下が皇嗣であることを広く内外に宣明されました。県民一同心からお祝い申し上げますとともに、皇室の一層の御繁栄をお祈り申し上げます。

それでは御説明いたします。

初めに新型コロナウイルス感染症対策についてであります。新規感染者の確認については、全国的には八月上旬をピークに減少が続いた後、ほぼ横ばいでしたが、先月から増加傾向となり、今月にはその傾向が強まっております。本県においても、九月以降、感染者の確認が相次ぎ、大規模なものを含む多様なクラスターが発生するなど、依然として予断を許さない状況が続いております。県では、引き続き感染状況の推移等を踏まえ、必要な病床や宿泊療養施設の確保に努めているところであります。また、感染拡大の大きな要因であるクラスター発生を抑制することが大変重要であることから、感染リスクが高い場面における感染防止対策の徹底に重点的に取り組んでおり、県民一人ひとりに対して注意喚起を呼びかけております。

今後の季節性インフルエンザ流行期に向けては、新型コロナウイルス感染症との同時流行が懸念されることから、県医師会等の協力を仰ぎながら開業医等のかかりつけ医を診療・検査医療機関として指定し、地域において適切に相談、診療、検査が可能な体制の整備を進めております。さらに、先の定例会でお認めいただきました予算を活用し、これまでに栗原地域や大崎地域で開設されている地域外来・検査センターについて、他の地域においても開設に向け市町村や地域の医師会などと鋭意協議を行っているところであります。今後とも地域において適切な対応が図られるよう全力を挙げて取り組んでまいりますので、関係者及び議員各位の御理解、御協力をお願い申し上げます。

最近の地域経済については、先月末の東北財務局による経済情勢報告では、感染症の影響により厳しい状況にあるものの、緩やかに持ち直しつつあるとされ、今後も同様の傾向が続くものと見込まれております。しかしながら、欧州では感染症の再拡大に伴い新たな規制を導入する動きがあるなど、世界中で感染再拡大に伴う経済活動への影響が懸念されており、この先の動向に十分な注意を払っていかなければならないと考えております。

次に、震災復興計画の推進と宮城の将来ビジョンの実現に向けた取組状況についてであります。

震災からの復興については、先の定例会で御説明したとおり、来年度以降の国からの支援の在り方や必要な財源確保が示されたところであり、九月末には宮城復興局を来年四月に石巻市内へ移転する旨が公表されました。現場主義を徹底し、被災地に寄り添いながら復興に全力で取り組むという国の姿勢の現れとして歓迎するものであります。

我が県においても、来年度以降も復興の完遂に向けた体制を維持しながら、震災復興の伝承等に継続的に取り組む必要があります。また、近年は全国的に大規模自然災害が頻発し、さらには、新型コロナウイルス感染症等の様々な危機事案が発生しております。こうした状況を踏まえ、これらの大規模かつ複合的な危機に全庁を挙げて取り組み、事前防災から初動、そして伝承まで一貫して対応しうる体制を構築するため、来年四月に「復興・危機管理部」を新設するとともに、「震災復興・企画部」を「企画部」に改め、スポーツ振興に関する部局横断的な取組の強化を図るなどの組織改編を行うこととし、今議会に条例案を提案しております。

安倍政権の取組を継承した菅内閣が発足してから二か月が経過しました。先月の菅総理の所信表明演説では、「東北の復興なくして日本の再生なし」、被災者の心に寄り添いながら、一層のスピード感を持って復興・再生に取り組むとされ、復興への決意が表明されました。また、各省庁や自治体の縦割りを打破し、行政のデジタル化を進め、自治体のシステムの統一・標準化を図ることとし、司令塔となるデジタル庁の設立に言及されました。今回の新型コロナウイルスへの対応では、国や自治体のデジタル化の遅れや不十分なシステム連携等に起因する行政手続の非効率など、デジタル化に関する様々な課題も明らかになりました。

本県では、国の動きに先んじて、行政運営を含めた県民生活全般のデジタル化を積極的に推進する姿勢を打ち出すため、九月十四日に「みやぎデジタルファースト宣言」を行い、行政のデジタル化による県民サービスの向上のほか、県内産業の活性化や働き方改革の推進に取り組み、地域経済の発展と社会課題の解決の両立を目指すこととしました。具体的には、行政手続のオンライン化の推進や各産業におけるICT等を活用したイノベーションの促進、先端技術を利活用できる人材の育成などの検討を進めてまいります。

東北電力女川原子力発電所二号機の再稼働については、先の定例会でお示しいただきました県議会としての御意思や、今月九日に開催しました市町村長会議における御意見等のほか、安全性検討会の結果や住民説明会の様子、現地視察による安全性の確認結果、地域に果たす役割等を総合的に勘案した結果、再稼働に理解を示すことが民意と判断し、去る十八日に経済産業大臣に対して、その旨を文書で伝えました。また、東北電力との安全協定に基づく事前協議については、同日付けで了解する旨の回答を行いました。

私としましては、将来的には再生可能エネルギーの導入や技術革新等により、原子力発電への依存度を低減すべきものの、現時点においては安定的に電力を供給する観点から、ベースロード電源として原子力発電に頼らざるを得ないものと考えております。

今後とも、関係市町と連携した避難計画の更なる実効性の向上など原子力防災対策に万全を期すとともに、安全協定に基づく立入調査を行うなど、安全性確保の確実な履行を求めてまいります。

美術館については、昨年度策定した「県有施設等の再編に関する基本方針」に基づき、仙台医療センター跡地において、県民会館及び民間非営利活動プラザと集約・複合化する方向で更に検討を進めてまいりました。これまで業務委託も活用しながら現地改修と移転新築の比較分析を行ってきたところですが、美術館等の機能充実を通じた文化芸術の振興をはじめ様々な観点から総合的に判断した結果、県としては、美術館は増築せずに現地改修を行い、県民会館と民間非営利活動プラザを移転集約する方針案といたしました。

今後、この案について県民の皆様の御意見をお聞きした上で方針を決定し、年度末までに「仙台医療センター跡地における県有施設の再編に関する基本構想」を策定する予定としております。

今年は例年になく台風の発生が少なく、これまで日本への上陸件数がゼロとなっておりますが、平成二十七年の関東・東北豪雨や令和元年東日本台風により甚大な被害を受けた我が県としては、気候変動等により頻発化・激甚化する水災害から県民の生命・財産を守るため、河川の流域全体であらゆる主体が連携を図りながらハード・ソフト一体となって総合的な治水を行う「流域治水」の考え方に基づく防災・減災に新たに取り組むこととし、現在策定中の「新・見える川づくり計画」や「新・災害に強い川づくり緊急対策事業アクションプラン」に、その取組を位置付けてまいります。

豚熱対策については、九月に福島県内において野生イノシシの豚熱陽性が確認されたことから、本県もワクチン接種推奨地域に指定され、先月中旬から県内の全飼養豚等に対し順次ワクチン接種を行っているところであります。なお、ワクチン接種に当たり、早期接種及び農家負担軽減の観点から初回の接種に係る手数料の免除について、今議会に関係議案を提案しております。

次に、今後の県政運営の基本的な考え方についてでありますが、来年度の予算編成に先立ち、先月下旬に「令和三年度政策財政運営の基本方針」を策定いたしました。東日本大震災以降、県の総力を挙げて復旧・復興に取り組んでおりますが、本格的な人口減少や大規模化・頻発化する自然災害や新型コロナウイルス感染症などへの対応も求められております。このような状況を踏まえ、新たな県政運営の指針となる「新・宮城の将来ビジョン」の初年度となる令和三年度においては、これらの課題に的確に対応するとともに、新ビジョンに掲げる「宮城の将来像」の実現に向けた施策等を着実に実行する必要があります。このため、「被災地の復興完了に向けたきめ細かなサポート」や「社会全体で支える宮城の子ども・子育て」などの五つの政策推進の基本方向の下、引き続き復興の完遂に向けた施策とともに、富県宮城の更なる発展や子育て支援・教育の充実などの取組に加え、各分野における人材の育成・確保や魅力あふれる地域づくり、デジタルファースト宣言に基づくICT等を活用したイノベーションや行政のデジタルシフトなどに取り組みます。また、SDGsの理念である「誰一人取り残さない」社会の実現に向けて、人口減少・少子高齢化対策、持続可能な地域社会づくりに取り組むとともに、新型コロナウイルスの感染拡大防止と経済活動の両立を図りながら、時代の変化を捉えた新たな地方創生の実現を目指してまいります。

財政の見通しについては、来年度の「地方財政収支の仮試算」において、歳入面では感染症拡大に伴う景気悪化の影響で地方交付税や地方税等が大きく減少し、財源不足を補う臨時財政対策債の発行額の大幅な増加が見込まれ、歳出面では社会保障経費をはじめとする一般行政経費の増加が見込まれております。

なお、国の概算要求では感染症対策が事項要求となっていることから、この仮試算は流動的な部分が多く、予算編成過程をしっかりと注視する必要があります。また、地方交付税や地方税の減少で生じる財源不足を国と地方が半分ずつ負担する折半ルールが三年ぶりに適用される見通しであるなど、地方財政を取り巻く環境は一層厳しいものになると見込まれます。

これらを踏まえ、来年度予算については、年末の地方財政対策や県税収入の動向などに留意するほか、将来にわたる財政の健全化にも意を用いながら、引き続き復興の完遂に向けた施策を最優先に予算化するとともに、新・宮城の将来ビジョンに掲げる施策に重点的かつ適切に予算配分いたします。また、新型コロナウイルス感染症への対応については、感染の広がりや地域経済の状況等を踏まえ、適時適切に対応してまいります。さらに、国では追加経済対策を策定中であり、その裏付けとなる今年度第三次補正予算編成の動きがあることから、情報収集に努め、必要な予算措置を講じてまいります。

今回御審議をお願いいたします補正予算案の主な内容ですが、新型コロナウイルス感染症対策関連では、重点医療機関等における病床確保に要する経費を大幅に追加したほか、多くの方々から寄せられている寄附金等を活用し、検体採取や直接診療に携わる医療従事者の方々への県独自の支援金を拡充しました。また、先日策定した「みやぎ観光回復戦略」に基づき、県内宿泊事業者が新しい観光ニーズを取り入れたビジネスモデルへの転換等を進めるための支援や地域の実情に応じた官民連携の観光振興策の実施、デジタルマーケティング手法を活用した国内外向け観光プロモーションの実施などの観光再生に向けた施策のほか、県業務のペーパーレス化の推進に要する経費を計上しております。

東日本大震災関連では、国の交付金を活用し、津波被災地のほ場整備を進めてまいります。また、令和元年東日本台風関連では、被災した市町の災害廃棄物処理に対する支援経費を追加しております。

その他の事業としては、地方財政法に基づき令和元年度一般会計決算剰余金を財政調整基金に積み立てるほか、豚熱対策に係るワクチン接種等に要する経費や水道用水供給事業会計において仙塩地区送水管と仙南地区送水管との連絡管の設置に要する経費を計上しております。そのほか、河川管理及び道路の除融雪など今年度末から来年度初めにかけて行う必要のある公共事業費や指定管理者制度による公共施設管理運営業務委託費について債務負担行為を設定しております。

以上、補正予算案の主な内容について御説明申し上げましたが、今回の補正規模は、一般会計で二百四十九億六百余万円、総計で二百五十五億八千八百余万円となります。財源としては、繰越金百四十五億八千九百余万円、国庫支出金七十六億四千三百余万円、繰入金二十四億二千百余万円などを追加しております。

この結果、今年度の予算規模は、一般会計で一兆三千三十九億八千七百余万円、総計で一兆七千六百六億七百余万円となります。

次に、予算外議案については、条例議案十二件、条例外議案七十二件を提案しておりますが、そのうち主なものについて概要を御説明申し上げます。

まず、条例議案でありますが、議第百六十八号議案は、先ほど御説明いたしました部の再編整備を行おうとするもの、議第百六十九号議案は、児童相談所に勤務する職員の特殊勤務手当の額を改正しようとするもの、議第百七十二号議案は、「みやぎ環境税」の適用期間を延長しようとするもの、議第百七十九号議案は、豚熱のワクチン注射に係る手数料の免除規定を新設しようとするものであります。

次に、条例外議案でありますが、議第百八十号議案は、令和三年度における自治宝くじの発売限度額について、議第百八十一号議案ないし議第百九十六号議案は、公の施設の指定管理者を指定することについて、議第百九十七号議案は、新・宮城の将来ビジョンの策定について、議第百九十八号議案ないし議第二百四十号議案は、退職手当の決定手続における瑕疵により発生した損害に係る和解及び損害賠償の額の決定について、議第二百四十一号議案は、公立大学法人宮城大学が達成すべき業務運営に関する目標を定めることについて、議第二百四十二号議案ないし議第二百四十四号議案は、工事請負契約の締結について、議第二百四十五号議案ないし議第二百五十一号議案は、工事請負変更契約の締結について、それぞれ議会の議決を受けようとするものであります。

以上をもちまして、提出議案に係る概要の説明を終わりますが、何とぞ慎重に御審議を賜りまして可決されますようお願い申し上げます。

お問い合わせ先

広報課企画報道班

宮城県仙台市青葉区本町3丁目8番1号

電話番号:022-211-2281

ファックス番号:022-263-3780

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