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掲載日:2026年2月17日

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第399回宮城県議会知事説明要旨

令和8年2月17日

第399回宮城県議会知事説明要旨


 本日ここに第399回宮城県議会が開会され、令和8年度一般会計当初予算案をはじめとする提出議案を御審議いただくに当たり、令和8年度の県政運営の考え方と議案の概要を御説明申し上げます。

 我が国の人口減少は極めて深刻な局面を迎えております。我が県におきましても、国立社会保障・人口問題研究所の推計では2050年に約183万人まで減少することが見込まれており、このまま推移すれば、地域経済の縮小のみならず、社会インフラや行政サービスの維持が危ぶまれる、極めて深刻な状況であります。私は、先の知事選挙を通じて県内各地を巡る中で、地域が直面する厳しい現実を肌で感じ、この難局を打破し、次代に希望を繋ぐことこそが、今期県政に課せられた最大の使命であると決意を新たにしたところであります。
 これまで我が県では、ものづくり産業の集積などの取組を通じ、富県宮城の実現に全力を注いでまいりました。そこで生み出された雇用は、県内への定住を支える確かな基盤となり、これまでの少子化対策と相まって、深刻な人口減少下にあっても、我が県の活力を維持する大きな支えとなってきたものと考えております。しかしながら、こうした懸命の取組を継続してもなお、若年層の大都市圏への人口流出には依然として歯止めがかかっておらず、この構造的な課題を克服するためには、新たな切り口から対策を強化しなければならないと考えております。
 こうしたことから、令和8年度は、これまでの取組に加え、若者や女性の県内定着に向けて、魅力ある産業の誘致や働きやすい職場環境の整備など、その声を施策に反映させながら、選ばれる宮城の実現をはじめとする人口減少対策を県政の最重点施策に据え、先の選挙で掲げた公約の一つひとつを確実に形にすべく、不退転の決意で邁進してまいります。

 それでは、人口減少に立ち向かう五つの施策について、その目指す方向性と主な戦略的な取組を御説明します。

 第1に、若者・女性に選ばれる宮城の実現についてであります。
 若者の定着には、将来の夢を描き、心から就業を望むことができる魅力ある雇用と郷土への愛着の醸成が不可欠であります。県内定着をより確かなものとするため、学生が複数の県内企業を一度に体験するパッケージ型インターンシップや産官学が一体となったものづくり人材の確保に向けた取組に加え、先進的な農業法人での就業体験の実施など、多様な職種での県内就職を後押ししてまいります。
 また、県内企業の経営基盤強化や職場環境改善への支援はもちろんのこと、女性の関心の高い化粧品や健康関連産業の集積に向けたネットワーク作りを戦略的に進めることで、県内就職の選択肢をこれまで以上に広げてまいります。
 加えて、我が県の発展を牽引してきたものづくり産業についても、雇用の核になるものとして、富県戦略の下、引き続き積極的に誘致や振興に努めてまいります。とりわけ、経済安全保障の観点からも重要性が増し、飛躍的な市場成長が見込まれる半導体産業については、これまでの誘致活動で培ってきたスピード感のある対応に加え、世界トップレベルの学術機関との強固な連携という独自の強みを最大限に発揮することで、その集積を確かなものとし、産業の持続的な発展のみならず、人材の県内定着に向けた力強い流れを創り出してまいります。

 このほか、新たな視点として、情報発信手法の見直しや若者と我が県とを繋ぐコミュニティの形成を図るほか、県内の大学生に宮城の魅力の再発見を促すことで、宮城への愛着を育み、就職・定着へと繋げてまいります。また、女性から選ばれる宮城の実現に向けては、キャリア形成支援やえるぼし認定など活躍推進に取り組む企業への支援に注力するほか、「アンコンシャス・バイアス」の解消を社会全体で推し進めてまいります。

 第2に、結婚・出産・子育て支援については、引き続き、ライフステージに応じた切れ目ない対策を確実に講じることとし、出会いや出産の支援に関しては、AIマッチングを活用した婚活支援のほか、不妊検査や不妊治療への助成を市町村と連携して実施します。また、妊産婦のメンタルヘルス対策を強化するとともに、予約・管理システムを構築し、産後ケアの利便性の向上を図ります。
 子育て支援については、パパママ応援ポイントの付与に加え、「こども誰でも通園制度」の実施や入院中の子どもへの付き添い環境の整備、更には男性の育児休業取得の奨励など、社会全体で育児を支える取組を加速させます。加えて、少子化対策支援市町村交付金を拡充し、地域の実情に応じた実効性のある取組を後押ししてまいります。更に、給食費や授業料の支援により経済的負担の軽減を図るなど、手厚い支援を重層的に展開することで、結婚や出産を望む方々が抱える様々な障壁を取り除き、子どもを産み育てたいという想いに総力を挙げて応えてまいります。

 第3に、人手不足への対応についてであります。
 高度IT人材の確保・育成や農林水産業のスマート化、介護現場へのICT導入などに加え、新たに中小企業や保育現場でのAIの普及を促進するとともに、インドネシアに加え、カンボジア人材や専門的な知識を有する人材の受入れ拡大に取り組むほか、医療分野での活用に向けて理解を促進します。同時に、地域との繋がりづくりや住まいの確保支援など受入環境の整備を加速させることで、外国の方々に地域文化や風習の理解を促し、地域住民と外国人が互いを尊重し合う共生社会を築いてまいります。

 第4に、デジタル技術を活用した県民生活の利便性向上についてであります。
 周知のとおり、デジタル化の進展は、県内どこにお住まいでも、いつでも情報やサービスを享受できる環境を広げ、生活の質を高めるものであり、引き続き強力に推進してまいります。
 これまで普及を進めてきたデジタル身分証アプリについては、昨年から実施してきたキャンペーンと仙台市をはじめとする市町の経済対策との連動により、5年間での達成を目標としてきた100万人の登録を3年前倒しとなる2年間で達成することができました。来年度は、更なる普及に向け、平常時にも有事にも確実に機能する社会基盤として、ミニアプリの普及や市町村等との連携を深めてまいります。また、安全・安心な地域づくりに向けて、犯罪予防のためのアプリを導入するほか、医療分野においては、オンライン診療の実証や救急搬送時間の短縮等に向けたシステムの開発に着手します。加えて、路線バスの運行情報のオープンデータ化や多言語化に取り組むほか、(仮称)オンライン教育センターから県立高校への授業配信等により、小規模校等での学びの質の向上や多様な学習ニーズに応えてまいります。
 行政運営面においては、生成AIを全職員が安全に利用できる体制を整備し、業務の効率化・高度化を推進するほか、専門人材の派遣を通じて市町村のDXを支援します。更に、迅速かつ的確な県政情報の発信に向けて、生成AIを活用した情報発信に取り組むとともに、選挙期間中のSNS上の偽情報や誤情報に対するファクトチェックや誹謗・中傷への対応について具体的な検討を進め、信頼されるデジタル社会を築いてまいります。

 第5に、関係人口・交流人口の拡大についてであります。
 地域活力を維持・確保するためには、交流人口の拡大が肝要であることから、住まう人、来る人、関わる人、思いを寄せる人、全てが広い意味での宮城県民と捉え、増加に向けた様々な取組を進めてまいります。とりわけ、宿泊や飲食など多様な分野が関係し裾野が広い観光産業は、地域に消費と雇用を生み出し、持続的な発展に繋げるための鍵を握るものであり、先月13日から徴収を開始いたしました宿泊税は、我が県の観光を次なるステージへと引き上げるための極めて重要な戦略的財源であります。その活用に当たりましては、これまで関係事業者の皆様と度重なる意見交換を行い、その声を真摯に反映した四つの柱に基づき、施策を推進します。具体的には、戦略的な観光地域づくりや周遊性向上のための二次交通対策、快適な旅行環境のための受入環境整備や効果的なプロモーションの展開を重点的に行い、令和9年までに宿泊観光客数1,104万人泊、外国人観光客宿泊者数120万人泊という目標の達成に向けて邁進してまいります。

(当初予算の編成方針)
 次に、当初予算編成に当たっての基本的な考え方を御説明申し上げます。
 国の令和8年度予算案は、令和7年度補正予算と一体で成長型経済への転換を目指すものとなり、総額は約122兆円と過去最大規模となりました。先端技術への成長投資などに重点を置く一方、新規国債の発行抑制など財政健全化にも配慮しており、国民生活の安定に向けて重要な役割を果たすものと受け止めております。
 地方一般財源については、約67.5兆円が確保され、前年度から約3.7兆円の大幅な増加となりました。自動車税環境性能割などの廃止に伴う地方税減収に対して手当てがなされたほか、交付税算定上、有利な事業債の新設や期間延長、更には地域未来基金費の創設など、我が県の重点施策を推進する上で、大きな意義を持つものと考えております。
 令和8年度当初予算案は、こうした地方財政対策も踏まえながら、昨年10月に策定した「政策財政運営の基本方針」に基づき、女性や若者の定住促進をはじめとする人口減少対策を最重点施策とし、県内産業の持続的成長や誰もが安心して暮らせる地域社会の形成など、政策推進の基本方向に沿って取りまとめたものであります。
 以下、先ほど人口減少に立ち向かう五つの施策として御説明いたしましたもののほか、主な施策について、政策推進の基本方向に沿って御説明申し上げます。

(被災地の復興完了に向けたきめ細かなサポート)
 初めに、東日本大震災からの復興完了に向けたきめ細かなサポートについてであります。
 震災から間もなく15年を迎え、被災地の風景は大きく変貌を遂げましたが、真の復興とは、そこに暮らすお一人おひとりの生活再建と将来への安心が確保されてこそ成し遂げられるものであります。国の復興事業は一般施策へ移行しますが、それだけでは不足する部分やきめ細かな対応が必要な事業については、引き続き県が責任を持って対応し、時間の経過とともに多様化・複雑化するニーズに真摯に寄り添ってまいります。
 まず、生活再建の状況に応じた切れ目のない支援に関しては、NPO団体等の活動支援を継続するほか、地域コミュニティの再生に向けて、自治会等の活動に対する支援を行ってまいります。
 被災された方々の心のケアについては、今年度末をもって終了する「みやぎ心のケアセンター」の知見と教訓をしっかりと継承し、市町村と連携した地域支援を行うとともに、学校生活に不安を抱える児童生徒に対しては、スクールカウンセラーの派遣や「みやぎ子どもの心のケアハウス」における支援を継続します。また、災害公営住宅入居者等への見守り・相談については、必要な取組が継続できるよう市町の自立した体制構築に向けて独自に支援してまいります。
 回復途上にある産業・なりわいの下支えとしては、支援機関の巡回訪問による事業継続や雇用維持に引き続き取り組むほか、気仙沼市の防潮堤の早期完工に総力を挙げて取り組んでまいります。
 東京電力福島第一原子力発電所事故被害への対応については、風評払拭に向けて、県産品等の安全・安心に関する情報を国内外へ正確かつ継続的に発信してまいります。処理水の海洋放出に関しては、一部の国・地域による輸入規制の撤廃への働きかけや適切な賠償を国及び東京電力に強く求めるとともに、放射性物質汚染廃棄物等の処理については、市町村や国との連携を密にし、安全かつ着実な処理促進に全力で取り組んでまいります。
 震災の記憶・教訓の伝承と復興事業のフォローアップとしては、これまでの復興の歩みを国内外へ広く発信するとともに、みやぎ東日本大震災津波伝承館を核とした多様な主体との連携により、震災の記憶と教訓を確実に伝え継いでまいります。併せて、震災後に行った第5次地震被害想定調査の結果を踏まえ、県民の防災意識の更なる醸成と実効性のある災害対策を講じてまいります。

(富県宮城を支える県内産業の持続的な成長促進)
 次に、富県宮城を支える県内産業の持続的な成長促進についてであります。
 昨日公表した令和5年度の県内総生産は、名目で10兆509億円となり、過去最高を更新いたしました。今後は、物価上昇を上回る力強い成長に向けて、本県産業をより高付加価値な構造へと転換させるべく、引き続き総力を挙げて取り組んでまいります。

 ものづくり産業等の発展と新技術・新産業の創出については、成長分野の企業誘致を一層強化するとともに、特に半導体産業に関しては、みやぎ半導体産業振興ビジョンに基づき、その誘致に全力を挙げるほか、東北大学と連携した半導体人材の育成や台湾の半導体関連企業と県内企業とのビジネスマッチングを進めます。また、次世代放射光施設ナノテラスについては、引き続き研究開発拠点や関連企業の集積を図るとともに、新たに利用企業のフォローアップや複数企業で取り組む技術開発への支援を行うことで、イノベーションの創出を後押ししてまいります。
 中小企業におけるDXの推進に関しては、デジタル化や生成AIの活用を現場でリードする人材の育成やシステム構築等への支援の拡充に加え、DXセミナーの開催やIT企業と県内ユーザー企業の連携強化を進め、生産性向上を後押しします。また、県経済を牽引する新たな企業価値の創造に向けては、テック系スタートアップの成長を支援するほか、ものづくり企業との連携によりイノベーションの加速化を図ってまいります。
 観光産業の振興については、宿泊税を最大限に活用し、東北各県や新潟県とも連携しながら、欧米や豪州、東アジアからの誘客促進を強力に進めます。また、二次交通や観光地内での移動の利便性向上に加え、市町村等が行う観光振興の取組を支援するほか、観光人材の確保・育成を進めてまいります。併せて、宮城オルレの新規コースの開設や、台湾からの訪日教育旅行の誘致を通じて、更なる誘客拡大に取り組むとともに、ナイトタイムコンテンツも拡充するなど、魅力ある観光地づくりを一段と強化してまいります。
 地域を支える農林水産業の国内外への展開では、アンテナサイトを通じた戦略的な情報発信と、実店舗・ECサイトのどちらでも購入可能なハイブリッド型の企画・イベントを展開し、変化し続ける消費行動に即した販路拡大を進めます。また、「みやぎ農産の日」の制定を契機とし、行政、産地・流通・販売店等が一体となって消費者に本県農産物を選んでいただける機運を高め、地産地消と消費拡大を更に推し進めてまいります。
 農業分野に関しては、構造転換に向けて農地の大区画化や共同利用施設の再編集約等を支援するほか、園芸DX技術の導入などスマート農業の普及、収益性の高い園芸品目への転換促進に加え、いちごの新品種「ころろんベリー」等の普及促進を図ります。深刻化する高温への対応については、水稲新品種の開発を急ぐほか、バニラビーンズ等の新たな品目導入に向けた栽培技術の確立に取り組みます。また、担い手の確保に向けては、市町村等への支援を一層強化するほか、農業法人等での雇用就農体験や畜産分野での取組にも本格的に着手します。
 水産業については、喫緊の課題である海洋環境の変化への対応として、高水温対応の養殖技術導入や操業体制の転換支援を積極的に推し進めるとともに、陸上養殖の研究成果の速やかな普及と導入補助を一体的に進めます。これら生産現場の強化に加え、漁師カレッジによる人材育成や外国人も想定した従業員宿舎整備の助成拡充により人手不足の解消を図り、水産業の持続的な発展を確かなものとしてまいります。
 林業については、みやぎ森林・林業未来創造カレッジによる人材確保を進めつつ、広葉樹を活用したビジネスモデルの構築や非住宅分野への木材利用を支援します。また、国内需要の変化に対応するため、県産木材の海外販路開拓を新たに支援し、林業の一層の産業力強化を目指してまいります。
 多様な産業人材の育成・確保については、若年層に加え、高齢者など潜在的労働力の活用や副業・兼業といった柔軟な働き方の促進など、人手不足の解消に向けた取組を着実に進めてまいります。
 外国人材の確保・定着に向けては、更なる受入れの促進や受入環境の包括的な整備に加え、令和9年度の育成就労制度の施行を見据え、企業・外国人双方へのニーズ調査を行い、実態に即したより効果的な支援策を検討してまいります。
 宮城・東北の価値を高める産業基盤の整備・活用については、主要地方道仙台三本木線の4車線化や(仮称)栗原インターチェンジの整備を着実に進め、周辺工業団地等とのアクセスを向上させるとともに、物流面においては、海上・鉄道輸送へのモーダルシフトを支援し、脱炭素化の推進と持続可能な物流体系の構築を図ってまいります。また、仙台空港については、グランドハンドリング事業者への助成制度を創設することで新規就航や増便を後押しし、更なる利用の拡大を目指してまいります。

(社会全体で支える宮城の子ども・子育て)
 次に、社会全体で支える宮城の子ども・子育てについてであります。
 家庭・地域・学校の連携・協働による子どもを支える体制の構築については、子ども食堂の運営支援やひとり親家庭への支援など、引き続き子どもの貧困対策に注力するほか、デジタル技術も取り入れながら児童虐待防止対策の強化を進めます。また、子ども・若者総合相談センターの対象圏域を拡大し、困難な環境にある子ども・若者への支援体制を充実させてまいります。
 多様で変化する社会に適応し、活躍できる力の育成に関しては、学校現場への伴走支援やウェブサイトでの積極的な情報発信により、授業改善に取り組んでまいります。
 高校教育の創造的再構築に向けては、次期県立高校将来構想実施計画の策定を進め、少子化や多様化する学習ニーズへの対応を加速させるとともに、専門高校における最先端技術に関する学びの充実を図ります。更に、進学系拠点校設置に向けて学力向上の取組を強化することで、地域の垣根を越えた高い進路目標の達成を支援します。また、中学校部活動については地域展開を本格的に進めるほか、モデル事業による実施検証を進めます。
 安心して学び続けることができる教育体制の整備については、スクールサポートスタッフの配置支援やICTの利活用など働き方改革を進め、教員が子ども一人ひとりと向き合う時間を確保します。また、学校に登校していない児童生徒に対しては、専門家を派遣し手厚く支援するほか、総合教育センターに教育相談窓口を一元化するなど、相談対応の充実・強化を図ります。併せて、外国人児童生徒への支援体制やインクルーシブ教育の更なる充実など、誰一人取り残さない教育の実現に向けて着実に取り組んでまいります。
 また、これら子ども関連施策の展開に当たっては、子どもの意見を反映する機会を新たに設け、当事者の
視点に立った実効性の高い施策を企画・立案してまいります。

(誰もが安心していきいきと暮らせる地域社会づくり)
 次に、誰もが安心していきいきと暮らせる地域社会づくりについてであります。
 就労や地域活動を通じた多様な主体の社会参画の促進については、障害のある方が地域の中で安心して働き、社会を支える一員として輝けるよう、障害者雇用に関する知識の共有や企業間交流などをしっかりと進めてまいります。
 文化芸術と生涯学習の振興に向けては、6月20日にリニューアルオープンを迎える県美術館の受入態勢を万全に整えるとともに、多賀城政庁の復元に向けた検討や県図書館への電子書籍サービスの導入を進めます。また、昨年7月に着工した宮城県立劇場については、県民会館と民間非営利活動プラザの複合施設として、文化芸術と社会公益活動が融合する拠点となるよう、令和10年度の開館に向けて着実に準備を進めてまいります。
 スポーツの振興においては、引き続き県内就職を希望する競技経験者と企業とのマッチングを支援し、地域の指導者としても活躍できる人材の確保を図ります。併せて、障害者等のスポーツ環境整備に向けた好事例や施設情報をまとめたマニュアルを作成し、誰もが身近にスポーツに親しめる環境を整備してまいります。
 生涯を通じた健康づくりと持続可能な医療・介護サービスの提供については、まず、人口減少社会を見据えた持続可能な医療提供体制を構築するため、新たな地域医療構想の策定に向けて、適切な病床機能の分析を進めてまいります。また、仙台医療圏における病院再編では、仙台赤十字病院と県立がんセンターを統合する新病院の基本設計を支援するほか、県立精神医療センターについては、老朽化対策を講じつつ、県全体で求められる精神医療機能等に関して関係者に御意見を伺いながら、建替えに向けた基本計画の策定に着手いたします。加えて、富谷市において東北医科薬科大学が整備を進める新病院に対しては、円滑な開院に向けて支援策の具体化を進めます。
 また、医療・健康面でのDXの推進については、健康増進アプリの活用に加え、県の医療人材無料紹介事業を活用した看護人材の就職マッチングシステムのモデル実証を行います。
 障害の有無に関わらず安心して暮らせる社会の実現に向けては、福祉サービスの質を支える基盤として、福祉・介護職員等の人材の確保・育成やICTの活用による就労支援、工賃向上に引き続き取り組んでまいります。
 地域での生活支援においては、精神障害の方々が安心して地域移行できるよう、受入施設の整備補助を新たに創設するなど、精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの更なる充実を図ります。併せて、医療的ケア児や発達障害児、難病患者の方々への支援体制を強化し、官民連携の下、誰もが望む地域で自分らしく暮らせる環境を整えてまいります。
 暮らし続けられる安全安心な地域の形成については、離島航路やバス路線の維持、ローカル線の利用促進を支援することで、生活交通の持続可能性を確保するとともに、特殊詐欺やサイバー犯罪など巧妙化する犯罪から県民を守るため、対策装置の導入支援や専門人材の育成を進めます。

(強靱で自然と調和した県土づくり)

 次に、強靱で自然と調和した県土づくりについてであります。
 環境負荷の少ない地域経済システム・生活スタイルの確立に関しては、事業所や住宅への太陽光発電設備、蓄電池等の導入を促進するほか、太陽光発電を活用した先進的なビジネスモデルの構築を後押しします。また、次世代エネルギーの利活用を加速させるため、FCバスの導入事業者への助成などのほか、県有施設においては、ZEB化の推進に加え、オフサイトPPA方式による再生可能エネルギーの調達に着手するなど、脱炭素化に向けた取組を加速してまいります。資源循環の面では、新たに環境に配慮した製品の試作経費等への支援や、食品製造工程で生じる規格外品などをフードバンク団体に提供する仕組みを構築してまいります。
 豊かな自然と共生・調和する社会の構築については、鳥獣被害対策としてガバメントハンターを増員するほか、ツキノワグマへの対応として個体数調整や捕獲強化のための狩猟者支援、更には誘引木の伐採や多様な樹種で構成される森林への誘導など、対策を一段と強化するとともに、増加傾向にあるイノシシへの対応と併せ、生活圏に出没する野生鳥獣の抑制に全力を尽くしてまいります。農山漁村地域の活性化に向けては、六次産業化等の推進に加え、農泊への訪日外国人の取り込みを進めてまいります。
 大規模化・多様化する災害への対策の強化においては、今年度補正予算に計上した防災・減災、国土強靱化の施策と併せて、流域治水対策や土砂災害対策等の強化、広域防災拠点の整備を着実に進めます。また、水災・地震保険の加入促進や防災アプリの普及促進、木造住宅等の耐震補助の拡大、災害ケースマネジメントの体制構築に加え、UPZ5つの市町の原子力防災体制等を強化するため、核燃料税交付金の交付率を引き上げます。加えて、災害時を念頭に、可搬式仮設調剤室の整備支援やドローンの活用検討を進めることで、防災力の一層の向上を実現してまいります。
 更に、防災庁の地方機関の設置については、先月、県、仙台市及び両議会合同での要望活動を行い、国に対し我が県の優位性を訴えてまいりました。引き続き、国の動向を注視しつつ、我が県への設置に向けて、積極的に取り組んでまいります。
 生活を支える社会資本の整備、維持・管理体制の充実については、道路、河川などの予防保全型の長寿命化対策や、みやぎ型管理運営方式を着実に実施するとともに、市町村等による上下水道事業の経営基盤強化に向けた取組を支援します。このほか、昨年の埼玉県八潮市での道路陥没事故を踏まえ、緊急度の高い下水道管渠の対策工事を早急に進め、安全確保に万全を期してまいります。

 以上、施策の主な内容について御説明申し上げましたが、令和8年度の当初予算規模は、一般会計で1兆959億2,390余万円、総計で1兆5,678億1,980余万円となります。財源の主なものとして、県税3,446億円、地方交付税1,743億円、国庫支出金1,639億5,070余万円、繰入金2,304億3,450余万円を計上し、また、借換債を含め県債1,359億2,960万円を発行することにしております。

 次に、予算外議案については、条例議案28件、条例外議案15件を提案しておりますが、そのうち主なものについて概要を御説明申し上げます。
 まず、条例議案でありますが、議第16号議案は、地方創生に関する施策を推進するための基金を設置しようとするもの、議第17号議案は、宮城県立劇場の設置及び管理に関し必要な事項を定めようとするものであります。また、議第19号議案は、会計年度任用職員の在宅勤務等手当を新設しようとするもの、議第22号議案及び議第40号議案は、子育て部分休暇を新設しようとするもの、議第23号議案は、教員特殊業務手当の支給額を引き上げようとするもの、議第29号議案、議第30号議案、議第32号議案ないし議第34号議案、議第38号議案、議第42号議案及び議第43号議案は、各種使用料を改定等しようとするもの、議第27号議案は、行政文書の開示請求における権利の濫用を禁止しようとするもの、議第37号議案は、子ども・子育て支援金制度の創設に伴い所要の改正を行おうとするもの、議第41号議案は、宮城県広瀬ideal高等学校及び宮城県大崎創成高等学校を設置しようとするものであります。
 次に、条例外議案でありますが、議第44号議案ないし議第53号議案は、宮城県国土利用計画など各種計画の策定及び変更について、議第54号議案は、包括外部監査契約の締結について、議第55号議案は、県立こども病院の中期計画の認可について、議第56号議案は、市町村受益負担金について、それぞれ議会の議決を受けようとするものであります。また、議第57号議案は、選挙長等の報酬及び費用弁償条例の一部改正について、議第58号議案は、衆議院議員総選挙及び最高裁判所裁判官国民審査の経費に係る令和7年度宮城県一般会計予算の補正について、それぞれ専決処分を行いましたので、その承認をお願いしようとするものであります。

 以上をもちまして、提出議案に係る概要の説明を終わりますが、何とぞ慎重に御審議を賜りまして可決されますようお願い申し上げます。

お問い合わせ先

広報課企画報道班

宮城県仙台市青葉区本町3丁目8番1号

電話番号:022-211-2281

ファックス番号:022-263-3780

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