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マイホームの新築など建設工事においては,建物に手抜きや不具合(欠陥)がある,契約したはずの仕様と異なるといった原因で紛争が生じることがあります。ちょっとした行き違いにより,感情的反発が高まってしまうこともままあります。このようなときは,まず,落ち着いて相手方と話し合うことが必要です。お互いの理解不足が紛争を招いていることもあるからです。どのような形で解決を進めるのが適当かよくわからない場合には,自治体の法律相談所などに相談して見るのも1つの方法です。
では,直接の話し合いで解決の見込みの立たない場合にはどうするか。まず,思い浮かぶのが裁判所での解決(裁判)ですが,弁護士会のあっせんによる解決など裁判以外の紛争処理(ADR)も活発化してきています。このような紛争処理の態様は,取り扱う紛争の範囲や処理方法など様々ですが,建設工事の請負契約に関する紛争の解決を図る機関としては,建設業法に基づく建設工事紛争審査会が設けられています。
建設工事紛争審査会は,建設業法に基づき,建設工事の請負契約に関する紛争に特化し,専門的・技術的な知見を活かして,非公開で早期に解決を図るところに特長があります。特に,欠陥住宅の被害に悩まされている方,建設業関係で代金不払い,工事瑕疵に悩まれている方は,当審査会での解決を検討してみてはいかがですか。
以下では,この建設工事紛争審査会制度のあらましについて説明します。
建設工事の請負契約をめぐる紛争の解決には,建設工事に関する技術,行政,商慣行などの専門的知識が必要になることが少なくありません。
建設工事紛争審査会は,こうした建設工事の請負契約をめぐる紛争につき,専門家により迅速,かつ,簡便な解決を図ることを目的として,建設業法により,国土交通省に中央建設工事紛争審査会及び各都道府県に都道府県建設工事紛争審査会が設置されています。
審査会は,原則として当事者双方の主張・証拠に基づき,民事紛争の解決を行う準司法機関であって,建設業者を監督する機関や技術的な鑑定を行う機関ではありません。
審査会の委員は,弁護士を中心とする法律委員と,建築・土木・電気・設備等の各専門分野の学識経験者や建設行政の経験者等の専門委員により構成されており,専門的,かつ,公正,中立の立場で紛争の解決にあたります。
審査会は,当事者の一方又は双方が建設業者である場合の紛争のうち,工事の瑕疵,請負代金の未払いなどのような「工事請負契約」の解釈,又は実施をめぐる紛争の処理をおこないます。
したがって,建売住宅の売買に関する紛争,専ら設計に関する紛争,工事に伴う近隣者との紛争,賃金の支払いに関する紛争などは取り扱うことができません。
審査会は,「あっせん」,「調停」又は「仲裁」のいずれかの手続によって紛争の解決を選択して申請することになります。ただし,「仲裁」の申請には,当事者間に「仲裁合意」があることが必要です。
なお,審査会の行う紛争処理の手続は,原則として非公開です。
一方のみが建設業者で他の都道府県知事の許可を受けた者である場合には,許可をした都道府県の審査会の管轄となります。
上記(1),(2)に関わらず,当事者双方の合意により,いずれの審査会にも紛争処理を申請することができます。
紛争処理を申請するときは,申請手数料を納付していただきます。申請手数料の額は,あっせん,調停,仲裁ごとに「請求する事項の価額」に応じて定められ,具体的な金額については,申請する審査会事務局にお問い合わせください。
なお,平成24年4月1日から,宮城県建設工事紛争審査会への申請手数料が10万円以上となる場合には,申請手数料は納入通知書での納入となります。詳しくは,下記宮城県建設工事紛争審査会事務局までお問い合わせください。
【例】解決を求める事項の金額による申請手数料
金額500万円の場合 | 金額2,000万円の場合 | 金額5,000万円の場合 | |
---|---|---|---|
あっせん | 18,000円 | 40,500円 | 73,000円 |
調停 | 36,000円 | 73,500円 | 148,500円 |
仲裁 | 90,000円 | 180,000円 | 360,000円 |
申請の際は,以下の手引きをご確認願います。
必ず事前に形式審査を行いますので,メール又はFAXで申請書案を審査会事務局まで送付ください。
建設工事請負契約に関する紛争処理申請の手引き(PDF:495KB)
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