掲載日:2020年8月27日

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水稲直播栽培における漏生イネの防除対策

宮城県古川農業試験場

水稲直播栽培における漏生イネの防除対策(PDF:597KB)

作物栽培部 水稲チーム TEL:0229-26-5108 作物環境部 土壌肥料チーム TEL:0229-26-5107

研究の目的

水稲直播栽培の普及拡大に伴い,前作こぼれ籾に由来する漏生イネの対策が重要となっています。直播栽培では当年作付け品種と漏生イネが同時に出芽するため,移植栽培のような作期中の除草剤による防除は困難です。そこで,前作後の石灰窒素施用と不耕起越冬による漏生イネ対策について,鉄コーティング湛水直播栽培での適用条件を検討しました。

研究成果

水稲直播栽培において翌年の作付け品種を変更する場合は,異品種混入を避けるため,漏生イネの防除対策が必要です(図1)。

すなわち,前作水稲収穫後はほ場を耕起せず,11月中に石灰窒素を50kg/10a散布し,不耕起のまま越冬させることで,翌作での漏生イネ発生が慣行管理(石灰窒素無施用・秋耕実施)の1.7~2.7%まで低下します(図2)。

ただし,石灰窒素の施用から耕起までの期間が短い場合や(図2左),稲わらが残っている場合には防除効果が低下します。なお,石灰窒素50kg/10aを越冬前に施用すると翌春の土壌アンモニア態窒素が増加します。そのため,基肥を無施用とするか窒素成分で2kg/10a以上を減肥し,過剰生育と倒伏を防ぐ必要があります。

水稲直播栽培における漏生イネ対策

漏生イネ発生に及ぼす前作収穫後の石灰窒素施用と不耕起越冬の影響

利活用の留意点等

こぼれ籾が多量の場合には,本法のみで漏生イネを完全防除することは難しいため,手取り等の防除対策もあわせて行います。状況によっては移植栽培に切り替え,漏生イネに有効な除草剤による防除を行います。
本研究は「農研機構生研支援センター・イノベーション創出強化研究推進事業 28020C(平成28~30年)」の助成により実施したものです。

より詳しい内容は「普及に移す技術」第95号(令和2年4月発行)「水稲直播栽培における漏生イネの防除対策」をご覧ください。

普及に移す技術

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お問い合わせ先

農業・園芸総合研究所企画調整部

名取市高舘川上字東金剛寺1(代表)

電話番号:022-383-8118

ファックス番号:022-383-9907

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